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放課後等デイサービスの活動を記録する映画「ゆうやけ子どもクラブ!」▼人権TODAY(2019年11月23日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

映画のポスター

今回のテーマは…都内で上映中の「ゆうやけ子どもクラブ!」というドキュメンタリー映画を紹介します

Ⓒ井手商店映画部

映画「ゆうやけ子どもクラブ!」

映画「ゆうやけ子どもクラブ!」は東京都の小平市にある同じ名前の施設の活動を記録しています。
皆さんは「放課後等デイサービス」という国の制度を知っていますか?
この制度は小学1年生から高校3年生までの知的障がい、発達障がい、自閉症などの子どもたちについて学校の授業が終ってから夕方6時までの間や夏休みなど長期休暇の期間、家族が世話をすることが難しい障がい児を受け入れる事業について様々な規則を決めています。2012年に制定されました。    

映画の舞台になる「ゆうやけ子どもクラブ」という事業所はこの制度ができる30年以上前から障がいのある子どもたちの放課後支援の先駆け的な活動を行なってきました。
1978年にボランティア5人が、子ども4人を引き受けて始められ現在は3つの事業所で子ども68人、職員40人で運営されています。
まず「ゆうやけ子どもクラブ」代表、村岡真治さんに設立の経緯を聞きました。

井手洋子監督と「ゆうやけ子どもクラブ」代表・村岡真治さん

「ゆうやけ子どもクラブ」代表、村岡真治さん
1970年代になって障がいのある子どもも学校に行けるようになったんですけど、放課後は下校時間がけっこう早いし、家にいるとテレビ見てるだけだったり、閉じこもりきりで、大声を出してドンドン足踏みしたりするなどと聞いてたので、そういう子どもたちの生活を少しでも豊かにしようという思いでボランティアたちが始めたんですよね。
 40年前は子どもの世話はすべて親がするものだという考えが強く障がい児の放課後支援は子どもたちをわがままにするだけと言われたり、肩身のせまい思いをながら活動をしてきました。
 2004年に全国連絡会を作って制度化を求める署名活動を開始し、11万8000筆の膨大な署名が集まって2008年には国会請願までこぎつけました。
 それが実って2012年に国会で採択されて「放課後等デイサービス」制度が始まったんです。
 今は障がい児の放課後を支援するデイサービスがあって当たり前になりつつあるのでそれは大きな社会的な変化だと思いますね

   

 

「放課後等デイサービス」とは

 
子どもに障がいがあっても、両親が共働きなどの理由で夜まで家に帰れないケースがあります。
そうした子どもたちを受け入れるのが「放課後等デイサービス」の事業所です。
現在、全国に1万3000ヶ所ほどあり、約20万人が利用しているそうです。
    
映画「ゆうやけ子どもクラブ!」はこの事業所を2017年から約1年半かけて撮影し、そこで活動している子どもたちの日常や成長していく様子を中心に描いています。
監督の井手洋子さんは布川事件の冤罪被告となった二人の男性のその後を追ったドキュメンタリー映画「ショージとタカオ」を撮った方です。
    
「ゆうやけ子どもクラブ」の特徴は、子どもたちを見守りながら自由に遊ばせていることで楽しみが多い集団生活の中から、子どもたちは周囲とのコミュニケーションを学んだり、会話が苦手でも友達に思いやりを示せるようになっていきます。
淡々とした映像ですが、子どもたちひとりひとりの変化がはっきりととらえられています。

©井手商店映画部


    
映画の中に、ヒカリ君という、ひとりで積木で遊んでばかりいる男の子が登場します。
ずっと自分の世界にこもっていたヒカリ君が、指導員の方たちとのふれあいの中から集団にとけ込んで遊ぶようになってゆく姿は、彼の成長がはっきりとわかり感動的です。
それとともに、ヒカリ君の遊ぶ積木の造形の緻密さにもびっくりします。
子どもの潜在的な能力のすごさが、ヒカリ君や多くの子どもたちを通して伝わります。
見ていてとても温かい気持ちになれ、しかも新鮮な発見のある映画です。
監督の井手洋子さんに映画の見どころを聞きました。   
    
 

監督の井手洋子さん
 何を撮っていいのか、子どもたちのこともよく分からないまま、カメラとマイクで発見して出会うことが自分自身も楽しいので、そういうスタイルで撮影していきました。
  子どもたちひとりひとりが障がいの前に10歳とか15歳の少年少女であるので、子どもたちひとりひとりの世界をまず味わってもらいたいと。
 それから子どものゆったりした時間を保障するためにどんなに大人たちがいろんなことをやってるのか、そこも私は気になったので、フレーム外の社会というものを見ている方にも感じとって欲しかったんですね。

制度改正で「ゆうやけ子どもクラブ」の危機?

    
映画には事業所にやってくる子どもたちを支える大人たちのシーンも描かれています。
子どもたちを指導する職員のミーティングのシーンがあったり2018年に制度改正があり、事業所報酬の基準が変わって「ゆうやけ子どもクラブ」が存続の危機に陥るシーンも出てきて「放課後等デイサービス」制度が、まだ過渡期にあるとわかります。
    
急に事業所がなくなったり、体制が変わったりすると子どもたちの両親、家族も大変になるので、みんなで事業所が続くように働きかけをする姿も描かれます。
親にとってこうした事業所がいかに大切か、「ゆうやけ子どもクラブ」を利用しているふた方のお母さんに聞きました。

劇場の風景

            
 

劇場で登壇した母親
小学1年生から預けてまして6年目なんですけど、小さい頃はお兄さんお姉さんにいろいんなことを手伝ってもらったり優しくしてもらったりしてたんですね。自分の息子が成長していったら、自分がお兄さんお姉さんにやってもらったことを知的障がいがありながらやってあげてるっていうんですよ。いや、凄い成長したなあと思って。そうことを遊びとか、生活を通して日々学んでるんだなあ、成長してるんだなあと感じます

劇場で登壇した母親
小学校3年生から通って、今6年生です。足が悪かったり、目と耳がすごく過敏なんですよ。すごくいろんな生きづらさを抱えているんだけども毎日元気で楽しく過ごしてるんですね。うちの子どもに関しては仲間ができたこと、自分の存在を認めてもらえる場所ができたことそいういう安心感がすごくできたことですごく心豊かになったんです。代表の村岡さんは「遊びの中から生きていく力を育ててるんだよ」と言ってるんですけど、私も今、すごくそれを実感しています。

こうした言葉から、親にとって「ゆうやけ子どもクラブ」は大きな存在だと分かります。

井手監督、村岡代表、劇場で登壇したお母さんたち

この映画を取材したのは日曜日、昼12時からの上映でしたが100席ほどの映画館は補助席を出すほどの超満員で、障がいのある子どもたちの福祉について多くの人が関心を持っていることが分かりました。

劇場で映画を見たお客さんの感想です。

男性
 素敵な映画でした。健常者も障がい者も成長していく過程は一緒だと思いました。指導員の努力はすごいですね

    

女性
 知人の紹介で来たんですが、自分自身が以前に障がい児のケアの仕事をしていので、その当時を懐かしく思い出しました。
 私が働いていた当時もお母様が障がい児を抱えて孤立している現状がありましたので、今もってそれがあまり変わらないように感じ、お手伝いできる場があれば、お母様がたが助かるのかなと思いました。

   

男性
 私は障害者福祉の仕事をしていて、放課後保育の仕事をしてたので、身近な映画として見られました。子どもたちの姿がすごくイキイキととらえられていて、印象的だったです。

映画「ゆうやけ子どもクラブ!」は子どもの障がいに悩んでいる親にとって参考や励ましになると思います。
また、いろいろなお客さんに見てもらって障がいをもった子どもを身近に感じたり、「放課後等デイサービス」制度にに関心を持ってほしいと思いました。
    
この映画は中野区の「ポレポレ東中野」で上映中のほか、全国で順次公開となります。
上映時間などは作品や劇場のホームページをご覧ください。
    
ドキュメンタリー映画「ゆうやけ子どもクラブ!」HP  https://www.yuyake-kodomo-club.com/
ポレポレ東中野 https://www.mmjp.or.jp/pole2/

(担当:(藤木TDC))