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痛風と間違われる「偽痛風」その違いと治療

森本毅郎 スタンバイ!

「風が当たっても痛い」と言われる痛風、耳にしたことがある方は多いと思います。痛風は生活習慣病のひとつで、主に足の親指の付け根が腫れて、激しい痛みが出ます。一方で、発作の症状が痛風の発作に似ていることから付けられたのが偽痛風=偽りの痛風です。痛風はほとんど男性が発症しますが、偽痛風はやや女性に多く、年齢的には特に高齢者に多いというのが特徴です。

11月25日(月)松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、痛風と偽痛風の違い、治療などについて取り上げました。

★痛風と偽痛風の原因とは?

痛風は、血液中の尿酸という物質が原因で、激しい痛みの痛風発作を起こします。尿酸はプリン体がいくつかの段階を経て、最後に肝臓で分解されることで生み出されます。通常は腎臓の働きにより尿として排出されます。その尿酸量と排出量のバランスがとれていると、問題はありません。

ところが、作られる尿酸の量が多かったり、排せつが低下すると、血液中の尿酸が増えてしまう。すると、血液中に溶けきれなかった尿酸の結晶ができて、関節の中に溜まってしまうのです。その尿酸の結晶を、白血球が異物とみなして、排除しようと攻撃するんです。その結果、炎症が起こって、関節の腫れや痛みが引き起こされます。

一方、偽痛風の場合は、尿酸ではなく、ピロリン酸カルシウムが原因です。このピロリン酸カルシウムが、関節などに溜まって炎症を起こすのですが、なぜ結晶が関節にできるかは、まだわかっていません。ただ、遺伝性の場合があることは、わかっています。また、老化によって肝臓の代謝機能が低下することが一因であるとも考えられています。

★痛風と偽痛風の症状とは?

痛風の痛みの出る場所の多くは、足首から先、特に足の親指の付け根部分の関節に起こります。これは、尿酸の結晶が低い温度で形成されやすいためです。

足首から先の場所は体温が低いので多く発生します。痛風の症状としては、ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛みだします。痛みは激烈で、耐えがたいほどの痛みです。

発作的な症状なので痛風発作と呼びますが、これは多くの場合、1週間から10日たつとしだいに治まって、しばらくすると全く症状がなくなります。しかし、尿酸の過剰な状態を改善しないと、発作は何度でも再発します。

一方の偽痛風は、全身のいろいろな関節または関節周囲に起ります。肩、肘、手首、指関節、股関節、膝、足関節、足指関節などで、特に膝関節に多いようです。ただ、稀に首の関節にも起こり、急に首が回らなくなることが起きることもあります。

ただ発作は、いろんな場所で、同時に発生はしません。どこか1箇所の関節に限定して起こることがほとんどです。また症状についても様々です。一部の患者さんでは、痛みを伴う関節の炎症の発作が、通常は膝、手首、そのほかの比較的大きな関節に起こります。

一方で、腕や脚の関節に長引く慢性の痛みやこわばりがあり、関節リウマチや変形性関節症と似ていることもあります。突然の痛みを伴う発作は、通常、痛風の発作ほど激痛ではありませんが、38度から39度の発熱を起こすことがあります。それが特徴です。

★痛風と偽痛風を見分ける方法

炎症が起こっている関節から、関節の中の液体の成分を検出します。炎症が起きている関節の部分に針を刺し、内部の液体を採取して、偽痛風の原因であるピロリン酸カルシウムの結晶が検出されれば、偽痛風となります。

関節液を採取できない場合はエックス線検査が行われます。関節の軟骨に結晶の塊が認められれば、偽痛風が疑われます。また超音波検査でも結晶が認められることがあり、この場合も偽痛風が強く疑われます。

一方、痛風は血液検査で尿酸値や炎症の有無を調べます。さらに、血液と尿の検査で、尿酸が作られ過ぎているのか、それとも、腎臓からの排出が上手くいっていないのかを調べます。

★痛風と偽痛風の治療法は?

痛風の場合、まずは関節の炎症を鎮めるために、非ステロイド性消炎鎮痛薬を痛みがなくなるまで服用します。腎臓病などで非ステロイド性消炎鎮痛薬が使えない場合には、副腎皮質ステロイド薬が使われることがあります。

そして、ここからは生活習慣の改善が重要ポイントになります。「適正体重の維持」「アルコールは適量に」「水分は1日2リットルを摂取」「適度な運動」「上手にストレス解消」、この5つが重要です。生活習慣を改善しても尿酸値のコントロールがうまくいかないと、尿酸値を下げる薬に移行する。

尿酸値を下げる薬には、尿酸をできにくくするタイプの薬と、尿酸の排せつを促すタイプがあり、それぞれの原因に応じて使い分けます。薬を服用すると比較的早くコントロールができます。ただし油断は禁物で、きちっと治療をしないでコントロールが出来ていないと、多くの場合1年以内にまた同じような発作がおこります。そして繰り返しているうちに、足首や膝の関節まで腫れはじめ、発作の間隔が次第に短くなる。

この頃になると関節の痛みだけでなく、手の甲、かかと、膝、耳などに瘤、痛風結節が出来ます。ただ、痛みはありません。また、腎臓が悪くなったり、尿路結石が出来たりする人も出てきます。そして最終的には腎不全、人工透析になってしまいます。

一方、偽痛風の治療は、原因が不明なことや、薬で結晶をとり除くことができないため、これといった治療法はなく、痛みを和らげる対症療法が中心となります。発症した場合は、痛風と同じ様に、非ステロイド性消炎鎮痛薬が使われます。加えて、発症関節の冷却・安静により、1週間くらいで症状は治まります。また、偽痛風発作では、膝などの大きな関節に水がたまるので、関節に針を刺して水を抜くことも症状の改善には有効です。

化膿性の炎症でないことが確認できれば、ステロイド薬の関節内注入などもしばしば行われます。また、激しい関節の炎症や疼痛、いくつかの関節に発作が起こった場合、発熱などの全身症状が出現した場合は、ステロイド薬の全身投与なども行うことがあります。

このような痛風・偽痛風と思われる症状がでた場合は、整形外科やリウマチ科を受診しましょう。痛みが治まったからいいよ、と思って放置しておくのは決してよくありません。

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20191125080130

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