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テレビもない、すぐそこはジャングル。カメルーンの村に星野ルネさんがゲームボーイを持ち込んだ衝撃話

ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ


星野ルネさん完全版トーク後編はこちらから↓↓

■カメルーンの村にゲームボーイを持ち込んだところ……

「マイゲーム・マイライフ」のゲストは前回に引き続き、漫画家でタレントの星野ルネさんです。今回はカメルーンの村出身という星野さんならではの最強に面白いエピソードが繰り出されました。テレビがないようなジャングルの村に、星野さんによってゲームボーイが持ち込まれたときのお話です。


星野「僕、日本に来たときにゲームに衝撃を受けた話をしましたけど(前回の放送で)」


宇多丸「最初に(ファミコンを見たとき)なんだこの箱は!って」

星野「それで僕はゲームを好きになりましたけど、僕の出身はカメルーンの中でもかなり田舎のほうで、真裏がジャングルという村なんです。そこにはテレビなんかないし、電気も通ってないようなところで。そこに僕、ゲームボーイを持っていったんですよ。もう、魔法の箱を日本から持って帰ってきたみたいな」

宇多丸「テレビもないところだもんねえ」

星野「で、(ゲームボーイを)見せたんですよ。この箱の中にいるおじさんが、これを押すと飛ぶ、と。村じゅうが、そんなバカな! ってなって(笑)。『オーマイガー!』という意味の部族の言葉で、『ブラザンボー!』っていうんですけど」

宇多丸「ブラザンボー!」


星野「みんながブ…ブラザンボ! って言いまくる。で、やらせてくれやらせてくれ、って言われてみんなに教えたら、こんなに面白いものが日本にあるのか! お前幸せだな……って。俺にも俺にも、ってまた貸しまた貸しになって。そうしたらある日、村のガキ大将の二人が、ゲームボーイやりたすぎてガチの喧嘩になっちゃって、止めたんですけど、二人とも血がのぼりすぎて、片方が首をぐいーーーーーって絞めて、もう片方が股間をギューーーーって握りつぶして」

宇多丸「しぬしぬしぬ!」

星野「村のおじさんが来て、やめないか! って止めて、この魔法の箱はもう持ち込むなって」

宇多丸「これ、本当に、なんていうの、文明の害悪を持ち込んだそのものだよね、完全に(笑)」

星野「村の子どもがあんなに争ったことはなかった。あんな争いが持ち込まれたことは(笑)」

宇多丸「人が変わったようになっちゃったんだ」


星野「やっぱりゲームって面白すぎるんだなって」

宇多丸「最初にルネ少年が日本で、箱(ファミコン)の魔力に憑りつかれたように、その魔力がいったん知った人が取り上げられると、こんななっちゃう。指輪物語の指輪だよね! あとはもう指輪を壊すしかない」

星野「はははははは! そう、だから僕は持ち帰るしかなかった」

宇多丸「でもさ、もう魔力を知っちゃったわけじゃん。心配ですよ、そのカメルーンの村の子どもたちが今どうなってるのか」

星野「ちなみに、そのゲームボーイ、紛失したんですよ。誰かに盗まれちゃって。泣きながらゲームボーイない……って日本に帰ったんです。そしたら2、3か月後にカメルーンから『ゲームボーイ見つかった』って。村の奴が盗んでて、なんでわかったかというと、たまに村に行商人が来るんですけど、普段そんなことないのに、電池を大量に買い込んでたんですよ(笑)」


宇多丸「ははははははは!」

星野「電池めっちゃ買ってて! なんでお前そんなに電池買ってんだって。あの村で電池使うかってなって、家探ししたらゲームボーイが出てきて(笑)。電池切れて、もう禁断症状になっちゃってたんですよ」

カメルーンのジャングルにゲームボーイが持ち込まれ、そして人が狂っていく、というのだけでもめちゃくちゃ面白いですが、よく考えたらこの感じ、小中学校の頃にゲームボーイが流行った世代にとっては身に覚えがあるのではないでしょうか。自分のお金で電池を買えないのに、やたらと電池を使うあのゲームボーイ……。お小遣いやお年玉はほとんど電池に消費されたものです。カメルーンも日本も同じなんだな……。

ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ

■今回のピックアップ・フレーズ

(小学校の頃にノートにRPGを作っていた話)

星野「学校中で流行ってて、自分で(自由帳に)ゲーム作る奴が何人かいたんですよ。ただその中でも、RPGのワールドマップを作るのがべらぼうに上手かったんです。で、自由帳ゲームを作ってる奴から、ワールドマップだけ作ってくれって依頼があって、週に1つか2つはワールドマップを作ってました」

宇多丸「へえー! もうゲームクリエイターじゃん」

星野「いい感じの洞窟を配置したり、塔を作ったり、不思議な湖を置いたり、絶妙だったんですよ。行きたくなるようなのを作るのが」

文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)

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