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「晴れの日にハレルヤ! ヒップホップmeetsゴスペル特集」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム

「晴れの日にハレルヤ! ヒップホップmeetsゴスペル特集」

晴れの日にハレルヤ! ヒップホップmeetsゴスペル特集http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20191101123414

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

【高橋芳朗】
本日はこんなテーマでお送りいたします。「晴れの日にハレルヤ! ヒップホップmeetsゴスペル特集」。

BGM Oh Happy Day / St. Francis Choir feat. Ryan Toby

天使にラヴ・ソングを・・・2

【ジェーン・スー】
(手拍子をしながら)Oh Happy Day♪

【高橋芳朗】
いまBGMで流れているのは映画『天使にラブ・ソングを…』でおなじみのゴスペルスタンダード「Oh Happy Day」。ゴスペル、今日みたいなよく晴れた日に思った以上に合いますねー。スーさん、すっかり入り込んでるようですけど……大丈夫ですか?

【ジェーン・スー】
ハレルヤ!

【高橋芳朗】
フフフフフ、ありがとうございます。ゴスペル音楽というと日本ではやっぱり『天使にラブ・ソングを…』のイメージが強いみたいですね。

【ジェーン・スー】
でも日本にもゴスペルクワイヤがすごい増えたよね。昔はぜんぜんなかったのに。

【高橋芳朗】
そうですね。ちょっとしたゴスペルブームがありましたから。

【ジェーン・スー】
いまではどこの地域にもあるもんね。

【高橋芳朗】
そんなゴスペル音楽を取り入れたヒップホップがここ数年世界的に注目を集めていて。しかも、そんな「ヒップホップmeetsゴスペル」な曲をここ日本でも知らず知らずのうちに皆さん耳にしている可能性が高いんです。きっと堀井さんも聴いたことがあると思いますよ。

【堀井美香】
はい。

【高橋芳朗】
ではさっそく一曲紹介しましょう。ロンドン出身のシンガー、サム・ヘンショウが今年3月にリリースした「Church」。この曲、9月ごろからトヨタ自動車新型カローラのCMソングとして結構な頻度でお茶の間に流れているんですよ。タイトルがまさに「教会」なんですけど、重厚なゴスペルクワイヤのコーラスが全編を通してバックに敷いてある典型的な「ヒップホップmeetsゴスペル」なサウンドになっています。

M1 Church feat. EARTHGANG / Samm Henshaw


【ジェーン・スー】
うん、これは私も堀井さんも聴いたことがあるね。

【高橋芳朗】
ですよね。そして、このサム・ヘンショウ「Church」に絶大な影響を与えているのがシカゴ出身のラッパー、チャンス・ザ・ラッパーになります。彼はヒップホップにゴスペル音楽を取り入れたスタイルが高く評価されて、2017年のグラミー賞で最優秀ラップアルバム賞など3部門を受賞。「ヒップホップmeetsゴスペル」なサウンドを広めた立役者と言っていいと思います。

そんなわけで、2曲目はそのチャンス・ザ・ラッパーが2016年にリリースしたグラミー賞受賞作品『Coloring Book』からゴスペルクワイヤをフィーチャーした組曲仕立ての「Finish Line / Drown」を聴いてもらいましょう。

『Coloring Book』はチャンス・ザ・ラッパーが子供を授かったことに触発されて作った作品で、タイトルは子供たちの遊び道具である「ぬり絵」を意味しているんですよ。このタイトルにはアメリカでも有数の犯罪地帯として「灰色の街」と化してしまった地元シカゴが、未来を担う子供たちの手によって色鮮やかな都市へと生まれ変わってほしいという彼の願いが込められていて。チャンスが『Coloring Book』で大々的にゴスペルを取り入れたのは、そんな未来に向けた「祈り」や「信仰心」に基づいています。

M2 Finish Line / Drown feat. T-Pain, Kirk Franklin, Eryn Allen Kane & Noname / Chance The Rapper

【ジェーン・スー】
これは祝祭感がありますね。

【高橋芳朗】
うん、アルバムを通して多幸感があふれてます。それでは次、3曲目はチャンス・ザ・ラッパーと共にヒップホップとゴスペルの融合を推し進めたカニエ・ウェストです。

【ジェーン・スー】
きた!

【高橋芳朗】
そのカニエ・ウェストが先週25日にリリースしたニューアルバムにしてゴスペルアルバム『Jesus Is King』から「Water」を紹介したいと思います。ちょっとお騒がせセレブ化しているところもあるカニエですが、相変わらず彼の作る音楽は素晴らしくて。カニエ自身はゴスペルアルバムを作った経緯として「私は神に仕えることになった。ゴスペルを広めるのが私の仕事である」とコメントしています。スーさん、Twitterでこの『Jesus Is King』を大絶賛していましたね。

【ジェーン・スー】
アルバムの収録時間がトータルで30分もないんですよ。全11曲収録なんだけど30分もないくらい。しかも、いきなり唐突にゴスペルクワイアから始まるというね。もうトラックダウンとマスタリングが終わってすぐに配信されて。

【高橋芳朗】
カニエがTwitterにポストしていたけど、本当にリリースの寸前まで作業していたんだよね。

【ジェーン・スー】
「ちょっと待っていてくれ、いまマスタリングしているから」ってね。それでいきなり配信リリースされたわけだけど、いま聴いたサム・ヘンショウやチャンス・ザ・ラッパーのような祝祭感があるものとはまたちょっと違っていて。より救済だったりとか、そういうところに近い。まあ、カニエ・ウェストに関してはかなりギリギリのラインで活動しているから、一歩道を踏み外すとすごく怖いなとは思うんですけど。

【高橋芳朗】
カニエは双極性障害やポルノ依存症にさいなまれていたことを告白していたから、その救済としての神でありゴスペルなのかもしれないですね。

【ジェーン・スー】
結構インタビューで赤裸々に語っていますよね。

【高橋芳朗】
あと、最近でも自分で「俺は疑いの余地なく人類史上最高のアーティストだ」と豪語しているぐらいだからね。もう自分は神レベルに到達したということでもあるんじゃないかな。

【ジェーン・スー】
それにしてもこのアルバム、配信がメインになったこのご時世にも関わらず曲間に無音の状態があるんだよね。実際の曲も「Aメロ〜Bメロ〜サビ」みたいな構成ではなくて、どちらかというとクラシックに近いというか。

【高橋芳朗】
いつになくトータル性の高いアルバムですよね。そんな内容だから一曲ピックアップするのも結構難しくて。この曲もアルバムのひとつの断片と考えて聴いてください。

M3 Water feat. Ant Clemons / Kanye West

【高橋芳朗】
カニエ・ウェストの新作『Jesus Is King』、ぜひトータルで繰り返し聴いてみてほしいですね。

【ジェーン・スー】
うん。一枚通して聴いても27分ぐらいですからね。

【高橋芳朗】
では最後、4曲目はベテランラッパーのスヌープ・ドッグが監修した昨年リリースのゴスペルアルバム『Bible of Love』よりR&Bシンガーのフェイス・エヴァンスをフィーチャーした「Saved」を聴いてもらいたいと思います。ギャングスタラップの重鎮、スヌープ・ドッグがゴスペルアルバムとはどういう風の吹き回しだ?と思われる方もいるかもしれません。

【ジェーン・スー】
しかも、かつて対立関係にあったノトーリアスB.I.G.の元妻フェイス・エヴァンスとコラボしているという。もう抗争の時代じゃないんだってことですよね。

【高橋芳朗】
そう、スヌープ自身まさにそういう話をしていて。彼はゴスペルアルバムを作った経緯として、アメリカ社会の分断がかつてないほど深刻な状況を迎えているなかで愛と団結を広めるような音楽を作りたかったと、そうコメントしています。スヌープはこのアルバムでは基本キュレーター的な役割に徹していて、これから聴いてもらう曲にも直接的には参加はしていないんですけどね。かなり本格的なゴスペルソングです。

M4 Saved / Snoop Dogg feat. Faith Evans & 3rd Generation

【ジェーン・スー】
いやー、思った以上にドンズバゴリゴリど真ん中のゴスペルでしたね。堀井さん、いかがでしたか? 気持ちが救われました?

【高橋芳朗】
フフフフフ、「Saved」されましたか?

【堀井美香】
はい、みなさんに救っていただいて(笑)。

【ジェーン・スー】
人生いろいろとつらいことがありますからね、うんうん。

【堀井美香】
本当にありがとうございます(笑)。

【高橋芳朗】
個人的な体験から出発したチャンス・ザ・ラッパー、社会問題を踏まえてのスヌープ・ドッグ、ゴスペルを取り入れた理由はさまざまですが、どちらも「再生」がひとつのテーマになっているようなところがありますね。これもいまのアメリカの気分の反映なのかもしれません。

それにしても、やっぱり晴れた日の真っ昼間に聴くゴスペル音楽は最高ですね。このスヌープ・ドッグが監修を務めたゴスペルアルバム『Bible of Love』、いまのコンテンポラリーなゴスペルの入門編として最適な内容になっています。今回の特集でゴスペル音楽に興味を持たれた方はまずこちらを手に取ってみてください。

【ジェーン・スー】
はい、いますぐ聴きます!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

10月28日(月)

(11:09) Billy Joel / The Longest Time
(11:36) KIRINJI / Almond Eyes feat. 鎮座 DOPENESS
※11月20日発売の ニューアルバム『cherish』から
(12:15) Daryl Hall & John Oates / Guessing Games
(12:52) Karla Bonoff / Personally

10月29日(火)

(11:11) 木梨憲武 / I LOVE YOUだもんで。
(『木梨ファンク~NORI NORI NO-RI~』より )
(11:29) Jackson 5 / Sugar Daddy
(11:37) Honey Cone / Stick Up
(12:11) Four Tops / I’ll Never Change
(12:51) Chairmen of the Board / Pay to the Piper

10月30日(水)

(11:05) Shake it Up / The Cars
(11:24) Girl of 100 Lists / Go-Go’s
(11:36) Out of My Head / 20/20
(12:12) Always Better With You / Paul Carrack
(12:24) You Give Good Love / Phil Seymour

10月31日(木)

(11:05) Like a Rolling Stone / Bob Dylan
(11:27) Darlin’ Companion / Lovin’ Spoonful
(11:37) The Byrds – Time Between
(12:14) Creeque Alley / The Mamas & The Papas

11月1日(金)

(11:08) I Love Music / The O’Jays
(11:26) Free Love / Jean Carn
(11:36) Loving Cup / The Three Degrees
(12:14) Where Are All My Friends / Harold Melvin & The Blue Notes