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白内障の眼内レンズ、新たに3焦点が登場!一方で進まない保険適用

森本毅郎 スタンバイ!

白内障は、目をカメラに例えると、レンズの役割をしている水晶体が濁ってくる病気です。白内障の治療は、濁った水晶体を取り除いて、代わりに人工のレンズ=眼内レンズを入れる手術を行います。この眼内レンズについて、焦点が1つの、「単焦点眼内レンズ」というものが主流でしたが、10年くらい前から、遠くと近くなど2つに焦点を持った「2焦点眼内レンズ」、そして今、3箇所に焦点がある「3焦点レンズ」も出てきて、患者さんにとっては選択肢が広がっています。10月28日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)では、新しい眼内レンズについて取り上げました。

★白内障とは?

白内障は、水晶体という透明な組織が白く濁ってしまう病気です。原因は、多くは加齢で、加齢に伴って水晶体の色が混濁します。

日本では、60代でおよそ70%、70代でおよそ90%、80代では100%となっていて、年齢を重ねることで誰にでも起こります。

症状は、「目がかすむ」「まぶしい」「視力が低下する」「霧がかかったように見える」「テレビの画面が二重、三重に見える」などと訴えられます。

★白内障の治療は眼内レンズ

白内障になると薬では治せませんので、手術となります。目の手術ときくと、怖い、痛そう、などと感じる方もいるかと思いますが、医療の発展に伴い、現在では傷口も小さく、負担の少ない手術が可能となりました。

手術は、濁った水晶体を取り除いて、代わりに人口の眼内レンズを挿入します。具体的には、まず麻酔をするのですが、かつてのように注射を用いることは殆どなく、目薬を使かった点眼麻酔で行います。そのうえで、角膜部分に2ミリほどの切れ込みを入れ、そこから濁った水晶体を取り除く器具を入れ、水晶体を砕いたうえで、掃除機のように吸い出します。その後、眼内レンズをたたんだ状態で先ほどの2ミリの切れ込みを入れた部分から挿入し、広げて固定させ、手術は終了となります。

手術自体は10分から20分くらいで終了し、2ミリの傷も、小さいため縫う必要もなく、自然にふさがります。

昔は白内障の手術は数日入院して行われました。今は日帰りの手術が標準的になっています。

★多様化する眼内レンズの種類

こうした中で、眼内レンズの種類も多様化しています。一般的に使われているのは、遠近のどちらか1箇所にピントが合う「単焦点レンズ」です。このレンズの度数を調整することで、近視や遠視を治せます。単焦点眼内レンズはスタンダードなもので、は保険適用になっています。手術費用は、3割負担の場合で、両眼で10万円程度です。

ただ、この単焦点レンズは、ピントが合っていない場所を見るときにはメガネが必要になります。たとえば、眼内レンズを入れて遠くが見やすくなったとします。そうすると、近くを見るときは良く見えない状態なので老眼鏡が必要になります。

こうした煩わしさを解消しようということで出てきたのが「多焦点眼内レンズ」です。多焦点=すなわちいくつかに焦点がある眼内レンズです。

まずは、2つに焦点がある、「2焦点眼内レンズ」です。眼鏡でも「遠近両用メガネ」というものがありますが、眼内レンズにもその機能を持たせた2焦点眼内レンズ=「遠近両用眼内レンズ」というものです。遠くのもの、そして近くもしくは中間のものの2つの距離にピントが合うようになっています。遠くというのは、5メートルより遠くのことです。

近くと中間、にはいくつかの種類があり、ピントの位置が30センチ、40センチ、50センチ、そして70センチから選ぶことができます。どの距離を見ることが多いか、患者さんの希望や生活のパターンを考えて決めます。

例えば、スマートフォンなどの細かい字を見たければ30センチや40センチの距離を選びます。ただし、その場合は、50センチ、70センチの中間距離が見づらくなります。逆に、コンピュータや少し離れたものを見ることが多ければ、40センチや70センチを選ぶと良いと思います。

さらに、日本ではこの10月に先進医療として登場してきたのが、「3焦点眼内レンズ」です。遠いところ、近いところに中間を加ええた3箇所に焦点が合うレンズです。3焦点眼内レンズを入れると、100%ではないものの、日常生活で重要な距離はメガネなしで見えるようになります。

★多焦点レンズにも注意点がある

ただ、2焦点、3焦点レンズ=いわゆる多焦点眼内レンズには気を付ける点もあります。1つが「コントラスト感度」が低下することで、画像の境界線がはっきりしていたのが少しグレーゾーンになります。ただ、ほとんどの人が気になりません。

非常にクリアな見え方がすると思っている方にとっては、少し物足りなく感じるかもしれません。もう1つが「グレア・ハロー」と言って、電気の周りに少し輪っかが見えるような感覚がある。夜に自動車を運転すると対向車の光が輪っかのように見えてまぶしいことがありますが、そういう状態です。60%から70%の方が「グレア・ハロー」を感じるといいます。しかし、これで日常生活に困るかと言うと、そういう人はほとんどいません。

★進まない保険適用

多焦点眼内レンズは保険適用ではありません。多焦点眼内レンズは、2007年の夏に厚生労働省に認可され、2008年に先進医療として承認されました。

先進医療とは、将来的に保険適用にするかどうかを評価するものですが、それまでは当然、保険適用外です。そのため医療費は高額で、2焦点レンズ、3焦点レンズともに、両眼で100万円を超えます。

2008年に先進医療として承認されてから10年以上たちますが、いまだに保険適用になっていません。ヨーロッパではもはや先進医療ではなく、通常医療の扱いで、2019年は、70%が3焦点眼内レンズを選んでいるということです。

多焦点眼内レンズがメインになっている時代なのです。多焦点眼内レンズは先進医療となってすでに11年。そろそろ決断の時と思います。粒子線治療も、やっと前立腺がんなどいくつかの治療が保険適用となりました。いつまでも先進医療だということは、決して許されることではありません。

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20191028080130

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