お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ
  • 音声あり

北海道で人気の「音更ぎょうざ」戸越銀座に出店・田中美妃さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
10月12日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、東京で有数の人気商店街・戸越銀座で持ち帰り専門のギョーザ店をひとりで切り盛りしている24歳の若い店長、田中美妃(たなか・みき)さんをお迎えしました。田中さんが売っているのは「音更(おとふけ)ぎょうざ」という北海道のご当地ギョーザ。小さな食堂からクチコミで広まったその味を東京の人にも知ってもらいたいと、2年前にお店をオープンしました。

食堂のメニューから広まった「音更ぎょうざ」


「音更」というのは北海道・十勝平野の真ん中にある町の名前。アイヌ語の「オトプケ」が地名の由来といわれています(髪の毛が生えるところという意味。柳が頭髪のように密生していたそうです)。道内でも屈指の穀倉地帯です。音更ぎょうざは、音更町にかつてあった「宝永食堂」という中華料理店で約40年前(1977年)に生まれました。店のおかみさんがラーメンを注文したお客さんにサービスで出していた手作りギョーザが評判になり、やがてそのギョーザ目当ての行列ができるまでになったそうです。おかみさんが亡くなると、一緒にお店を手伝っていた息子さんと、別の仕事をしていたご主人が「多くの人に愛されてきた味を残したい」と、ギョーザ専門店「ぎょうざの宝永」と製造工場を立ち上げました。そうして音更周辺の人たちに長年、親しまれてきたのです。

札幌に住んでいた田中さんが音更ぎょうざと出会ったのは子供のとき。父の知人から送られてきた音更ぎょうざを家族で食べたのです。10年ほど前までは札幌でもまだあまり知られていなかったそうです。田中さんのお姉さんは「今まで食べたものの中でいちばんおいしい!」。母は食べるたびに感動して「本当においしいよね~」。なんでこんなにおいしいギョーザが音更でしか売ってないんだろう…。そこで父と母が2007年に販売店「音更ぎょうざの宝永 札幌本店」を始めたところ、たちまち札幌でも評判になりました。

言葉にできないおいしさ?!


音更ぎょうざは、皮も具も北海道の音更工場で手作りしています。田中美妃さんのお店「音更ぎょうざの宝永 戸越銀座店」で出しているのはニラ、シイタケ、フキ、とうきびの4種類。具材は基本的に北海道産。それをたっぷり詰め込んで、包み込んだ皮はもちもち。

「私もいろいろ食べたんですけど、音更ぎょうざはほかのどのギョーザとも違うんですよ。ぜひそのおいしさをたくさんの人に知ってもらいたいと思っているんですけど、うまく伝える言葉が見つからないんです(笑)」(田中さん)

食べてみると具材には味がしっかり。田中さんも「まずはタレはつけずに召し上がってください」。戸越銀座は食べ歩きを楽しむ人も多い商店街ですので、お店で焼きギョーザを買ってそのまま食べられるのいいですね。ご自宅でたくさん食べるなら、味のバリエーションを楽しむために「味噌だれ」がおすすめ。実はこのタレを開発したのは田中さんの父。味のベースになっているのは田中さんの母の好きなジンギスカンのタレだそうです。

私もこの味を引き継ぎたい!


田中さんは1993年、北海道札幌市生まれ。元々は、入院している子供たちの面倒をみる病棟保育士を目指して東京の短大に進学。保育士と幼稚園教諭の資格を取得して3年間、幼稚園の先生をしていました。でも、やがて「保育士の仕事は資格を持っているので、もっと年齢を重ねてからでもできる。今の自分にしかやれないことにチャレンジしたい」と思うようになりました。若い今だからできること、今の自分にしかできないことって何だろう…。思いつく限りノートに書き出し、日々考えるようになりました。そんなある日、父が亡くなる夢を見て号泣して目が覚めました。同じような夢を短大生のときにも一度見たことがあり、就職は北海道にしようかと考えましたが、父が「せっかく東京に出てきたんだから、東京で働いたほうがいい」と言ってくれたのでした。いつも背中を押してくれた父。母も同じでした。そのことを思い出し、父や母への思いが募った田中さん。ノートに「親孝行」の文字が加わりました。

「それからもいろいろ考えたんですけど、親孝行したいということに勝るものはなかったんです。そして、父や母が残してくれたもので私が引き継げるものがあれば、それが親孝行になるんじゃないかなと思ったんです。そうしたら〝ギョーザをやりたい!〟って思ったんです。音更ぎょうざは元々、おかみさんが作っていたギョーザをだんなさんと息子さんが引き継いだもので、その味が大好きな父と母がお店を出して札幌にも広まって、それをまた私が引き継ぐ…。それが重なったんです」(田中さん)

幼稚園の先生からギョーザ店へ


「音更ぎょうざの味を私も引き継ぎたい。そして東京の人にも知ってもらいたい」という思いに行きついた田中さんは、飲食店をやろうか販売店をやろうかを考え、初期費用や人手のことから販売店にしようと決めました。次は場所探し。上野や浅草など東京各地を回りました。それと並行して接客やギョーザの調理を学ぶために、シャンパンとギョーザを出すお店でアルバイト。さらに、音更ぎょうざを扱ってもらえるお店を探して営業活動。見た目からは想像できないバイタリティの持ち主なんですね。難航したのはやはり場所探し。ここはいいと思うところはだいたいどこも大手チェーン店の先約が入っているのです。そんな中でふと足を向けたのが東京・品川区の戸越商店街でした。

「仕事は人生の中でもいちばん長く関わるものなので、好きな町でやりたいとも思っていたんです。だから、自分が住んでみたいところも見てみようと思って戸越に来てみたんです」(田中さん)

田中さんはすぐに戸越銀座が好きになりました。ここも東京で指折りの人気商店街ですからお店を出したくてもなかなか簡単には…。ところがいくつかの幸運が重なって、田中さんは2017年12月、念願の「音更ぎょうざの宝永 戸越銀座店」をオープンすることができたのです。

「最初は本当に何もわからなくて、お店の中はPOPも何もなかったり(笑)。メニューも置いてなかったんです。実物のギョーザがあるからそれでいいと思っていなんです。でもお客さんがみなさん『メニューは?』って聞くんです。えっ? 目の前に実物があるのに何でメニューがいるの? でも、お客さんは一覧になったメニューを見て選びたいんですね。そういうこといろいろお客さんから教えてもらいました」(田中さん)


いま、6坪の小さなお店にはギョーザの食材の写真や音更町を紹介するポスター、オリジナルキャラクター(「ギョザピー」というそうです)の看板などであふれています。

あったかい戸越商店街


「戸越銀座の人はとにかくあったかいですね。おきゃくさんはいつも声をかけてくれるんです。オープンのときに来てくれた方がいまも買いに来てくれるんです。しかも、ご自分の分のほかに誰かの分まで買っていく方が多いんです。『今日、誰々さんのところに行くからお土産で買っていくね』とか言って。それから、知らないほかのお客さんにも音更ぎょうざを勧めてくれたりするんです。ここのギョーザはおいしいわよって(笑)。それと、商店街の方もあったかくて、本当にみなさんに見守られているという感じです」(田中さん)

いまでは「戸越銀座は第二の故郷」と田中さんは言います。お店にやってくる人たちが楽しそうにしている光景を見ていると、ここはギョーザを売っているだけではないことが分かります。田中さんとのコミュニケーションを楽しみにやってきているのです。お店の壁に貼られた手書きのメッセージのひとつひとつが、話のたねになります。音更という町の話、宝永食堂の話、田中さんの家族の話、大好きな音更ぎょうざの話…。ここは憩いの場なのです。

田中美妃さんのご感想


あっという間に終わっちゃったんですけど、楽しかったですね。

久米さんに「味噌だれを付けたらおいしいね。コーンのギョーザがいいね」と言ってくださったのがとにかく嬉しいですね。音更の工場で作っているギョーザを広めていこうとやっているんですけど、とうきび(コーン)は初めてうちの系列のお店で販売できるように作ってもらったものなので、それを気に入っていただけて嬉しいです。

ラジオを聴いている方にも音更ぎょうざを知っていただけたら嬉しいです。ありがとうございました。

「今週のスポットライト」ゲスト:田中美妃さん(音更ぎょうざの宝永 戸越銀座店・店長)を聴く

次回のゲストは、慶応義塾大学名誉教授・岸由二さん

10月19日の「今週のスポットライト」は、進化生態学者で慶応義塾大学名誉教授の岸由二(きし・ゆうじ)さんをお迎えします。

大規模な水害から身を守るためにはどうすればいいのか? 川の流域全体の生態系を理解する「流域思考」について伺います。

番組内でお知らせしていた銭湯の改築を手がける建築家・今井健太郎さんには、10月26日の「スポットライト」で出演していただきます。

2019年10月19日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20191019140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)