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【書き起こし】作り手の考えを超える妄想の数々。いだてんウォッチャーが宮藤官九郎の前で…

ACTION

GUEST ACTION!月曜日は「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど…」と題して、様々な人の愚痴を聞いていますが、今日は特別編です。第2回IOC総会を開催!IOCというのは(I:いだてん O:面白いから C:ちょこちょこ集まろう)の略で、いだてんウォッチャーが宮藤さんの前で勝手に『いだてん』を語る企画です。みなさんの熱っぽい語りを聞いているうちに、『いだてん』を見ていない人も、きっと見たくなってしまうよ!

10月7日は、7月の第1回IOC総会にも参加した、『荻上チキ・Session-22』のアシスタントでおなじみの南部広美さん、裁判傍聴芸人の阿曽山大噴火さん、『東京ポッド許可局』のサンキュータツオさん。そして、アメリカ現代政治が専門の上智大学・前嶋和弘教授も新メンバーとして参加!一体、どんな白熱したトークになるのでしょうか?

参考・第1回IOC総会の模様はこちらから→https://www.tbsradio.jp/385715

宮藤 :これ以上人が増えたらもうちょっと大きいテーブルに案内されますよね、ここがファミレスだったら(笑)6人でぎゅうぎゅうです(笑)

南部 :前嶋さんは1回目のIOCの翌日にSession-22のゲストだったんですよ。それで番組にスタンバイしているときに前嶋さんいらして、「南部さん!僕もね『いだてん』見てるんですよ。ちーちゃんがね…」と(笑)

前嶋 :ちーちゃんは私の小学生のころの先生にそっくりで、しかも言葉もそっくりなので、その先生に40数年ぶりに手紙を書いたんですよ(笑)

宮藤 :え〜!

前嶋 :それで手紙が返って来て、「あなたのことを覚えています。あなたはわんぱくで、とんでもなかったけど、今も頑張ってるんだよね…」といろんなことが書いてあって、それでちいちゃんの顔や、当時の先生のことを思い出してたら泣いちゃってましたね。

阿曽山:それ、いだてん紀行でやるべきですよね!(笑)

南部 :そう、そう!

宮藤 :ちーちゃんって勝鬨亭のちいちゃんですか?

前嶋 :そうです。あの中ではセクシャルなイメージだけど、私にとっては先生そっくりな人なんですよね。

宮藤 :あれ、実在の人なんですよ。ちいちゃんという名前も。

タツオ:そうなのっっ!?

宮藤 :志ん生さんの手記にあって。だから逆に僕が恥ずかしくなったのが、その前にちーちゃんという役を出しちゃったんですよ。川栄さんの役も「ちーちゃん」だったので。「どうしよう、被ったな…まぁ、いっか」ってことで両方出したんです。多分、志ん生さんが好きだったんじゃないかなと思うんですが。いやぁ、いきなり細部からですね!(笑)

阿曽山:細かいところから来ましたね(笑)

幸坂 :今回もみなさんに『いだてん』に関するアンケートを事前に書いていただきましたが、本当にすごい熱量でしたね。

宮藤 :そうですね。全部目を通すのが結構大変で…アンケートってあんなに真面目に書かなきゃいけないんだって思いました(笑)

前嶋 :大学の論文みたいに書いちゃいました(笑)

タツオ:今日この放送に合わせて南部さん、りくちゃん(杉咲花)カットにしてきてるんですよ。ラジオだって言ってるのに!(笑)

阿曽山:昨日行ってきたらしいんですよ!(笑)

幸坂 :りくちゃんだ!

南部 :身体を作ってこっちは臨んでるんですよ!小松勝を学徒出陣で送り出すのに、「私はなにが出来るんだろう…?」と思って。

タツオ:見てればいいんだよ!

南部 :で、二階堂トクヨ先生(寺島しのぶ)になった…(笑)

幸坂 :現代政治がご専門の前嶋さんからご覧になって『いだてん』はどのような作品ですか?

前嶋 :宮藤さんに言ってもしょうがないですけれども、政治学のテキストですよね。政治学入門って自由とか平等、国家、個人、戦争、平和とかって全部入ってますよね。

前嶋 :これまでの大河って前の時代の話なので、義理とか人情、肉親関係とかなんだけど、『いだてん』は宮藤さんが頑張られて、自由とか国家とか平等とか平和とか戦争とかを思いっきりテーマにしながらも、それを見せると臭いので、ちょっと笑いを含めながら、要するに普通の人々が見たこの時代と描いたら、政治学になるんですよね。

宮藤 :なるほどね、確かにそういうドラマかもしれない!(笑)

タツオ:確かに第2部はオリンピック誘致も含めて、戦争の影もあってね。

阿曽山:政治ドラマではありますよね。

前嶋 :あとは「個人対国家」だと思うんですよね。「お国のため」なのか…。レニ・リーフェンシュタールの『オリンピア』という映画を、私の政治学入門の授業の最初の15分で見せるんですよ。

宮藤 :『民族の祭典』ですね。

前嶋 :ヒトラーが出てくる15分までと、南さんと孫さんの部分。素晴らしい映像なんですけど、これからは『いだてん』で、こういうのが国家で、こういうのが平等なんだよと。シマさんの話やりくちゃんの話もありますが、男女の平等ですね。ほかにも戦争や平和。これからは『いだてん』をテキストにします。

宮藤 :ありがとうございます。『民族の祭典』か『美の祭典』か忘れましたが、本編に入らなかったエピソードがありまして。大江さんと西田さんの友情のメダルっていう、棒高跳びの試合で7時間ぐらい戦って、夜中までになっちゃって、結局どっちが銀か銅か決められなくて、2人で分けて、真ん中で割って繋ぎ合わせて、銀と銅の分け合ったメダルを作ったんですよ。

それで大江さんが戦争で死んじゃうんですよ。で、遺品から友情のメダルが出てくるという有名なエピソードがあるんですけど、どうしても陸上だったので。まーちゃんが陸上にまったく興味がないんですよ(笑)だから入れられなくて。

宮藤 :でも僕頑張って、実は最初の稿のときに、「前畑がんばれ」の「がんばれ!」と最初に声を掛けるのを、大江さんか西田さんかにしてたんですよ。で、「お前、がんばれって言うな!」って怒られるのをその2人のどちらかにしようと思ってて。で、「実はそこで声を掛けた人はのちほどこういうことがあったんです」というのは台本であったんですよ。やっぱり棒高跳びのエピソードは感動的じゃないですか。

前嶋 :あれってもう1回、レニ・リーフェンシュタールが撮り直したんですよね?

宮藤 :そう、暗すぎて入らなかったからと言ってですね。

前嶋 :でもすごくリアルですよね。

幸坂 :タツオさんは第2部をどう楽しんでいらっしゃいますか?

タツオ:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、オリンピック前の空気が今とどれぐらい重なるのかというのを見てますね。

宮藤 :今、1年前ですもんね。

タツオ:そうなんですよ。東京オリンピック誘致のときもそうですけど、どういう会議があって呼ぶのかとか。日本国内の世論も二分するし、戦争とか国家とか言論統制。たとえば政治の影もあって、言っていいことと言ってはいけないことみたいなのもある。「あれ、結構重なってない?」っていう。

でもそんな中で、五・一五以前から嫌な空気を感じているまーちゃんが、「日本を明るくしたいんだ!」って。それで本気で全種目を取りに行くって言ってたのが本当に感動して。「ど真ん中にいる人ってこういう馬鹿じゃないとダメだよな」と思ったりね。そこは今の時代と重なっている気がしますね。

南部 :「新聞も兵器なり」って書いてましたよね。

タツオ:そうなんですよね。メディアもきな臭いところもあったりするので。たしかに自主規制も含めて、結構今と重なりますよね。そんな中、阿部サダヲさんと役所広司さんのイチャつきね!最高じゃない、あの絡み(笑)

南部 :甘噛みしあってますよね(笑)

タツオ:ライオン同士がね(笑)でもなんか明るいから見れちゃうんだよね!

宮藤 :おじさん同士がね(笑)

タツオ:そうそう!でも徐々に役所広司さんが老けていって、「あれなんか、目が眠そうだぞ、疲れてるぞ」みたいなの。

南部 :目の周りが白っぽくなっていってますよね、カイロ総会のときとか(笑)

前嶋 :最初は目が真っ赤でしたよね。

タツオ:宮藤さん、どうしてくれるんですか!

宮藤 :いやあ(苦笑)どれぐらい今とリンクしているのかって結構みなさん深読みされてて。今の情勢と当時の情勢を比較して見てくださってありがたいんですけど、下手すると書いたのは去年の年末か今年の頭なので、そこまで今の情勢のことを考えてなかったので、そうなってきたって感じですね。

南部 :まーちゃんの予定稿みたいですね。

宮藤 :そうそう!

タツオ:預言書ね。事前に結果をね(笑)

幸坂 :びっくりしたのですが、阿曽山さんはタイトルにも注目してご覧になっていたんですね。

阿曽山:サブタイトルが歌謡曲や映画のタイトルが引用されているのはみなさんご存知だと思うのですが、放送を見ててサブタイトルが出るテロップのタイミングに違和感を覚えていたんです。

南部 :分かる!

阿曽山:でしょ!普通の連ドラって放送始まってすぐ出すとか、オープニングタイトルと一緒に出すとかすればいいのに、毎回違うんですよ。で、この第2回IOCの機会に調べようと思って、第1回から38回まで全部タイミング調べたんです。

一同 :アハハハハッ!

阿曽山:サブタイトルのテロップが出るタイミングです。スタッフロールが流れるオープニングがあるじゃないですか。あれの後に、画面右下に「第一話 夜明け前」みたいな感じで出るパターン。これが全部で23話あるんです。これが一番多いベタパターンです。

タツオ:38分の23ね。

阿曽山:これが一番多いから、安心して見れるパターンです。で、オープニングの前にいきなり右下に出るパターンがあるんです。これが昨日も含めて13話あるんです。「アレっ?いつもと違う?」と思うんです。で、さらに違うパターンがあるんです!

タツオ:なんだ?なんだ?

阿曽山:オープニングの前で、しかもテロップが画面の左下っていう、超特殊パターンがあるんです。

宮藤 :えっ?左下?

阿曽山:左下パターンがあるんです。それがオープニングの前。これが第27話の「替り目」と第36話の「前畑がんばれ」なんですよ。とんでもなく印象に残った回なんですよ。特に「替り目」に関しては、いろんなものがタイトル通りがらっと変わる回なんですよ。陸上から水泳に話が変わる回だし、前畑秀子が初めて出る回だし、大正から昭和に時代が変わる回でもあります。いろんなものが変わる回なんですよ。

しかも、サブタイトルの中で初めて落語の演目が使われたのもこの回なんですよね。そしてこの回のエンディングですけど、第1部の主人公の金栗四三と第2部の主人公のまーちゃんが初めて出会うシーンがあるのもこの回なんですよね。

南部 :そう!1個の画面に収まってね。

タツオ:あれもまた素敵なシーンでしたよね。

阿曽山:しかもずっと文句を言ってたんですよね。「あんなおじさん〜」と悪口言ってたんだけど、部屋を出て行ったと思ったところで「でもあの人が日本で最初のオリンピアだしね」みたいなことを言ったあと、「まだ出て行ってねぇのかよ!」と落語と同じサゲになるという。『タイガー&ドラゴン』でもよくありましたけど。スタッフによる「この回は本当に面白いんだ!」というのがテロップの左下に出てるんですよ!!

タツオ:それ、妄想ですよね!!

阿曽山:違います、違います!「前畑がんばれ」も左下ですもん!面白い回は左下に出る法則なんですよ!!

タツオ:だったら人見絹枝だって出てもおかしくないでしょ!!

阿曽山:人見絹枝は「替り目」の前なんですよ!!「替り目」まで取っといてたんですよ!27話以降から左下の法則があるんですよ!

宮藤 :当たりってこと?

阿曽山:「当たり出た!」みたいな。

幸坂 :宮藤さん、知ってましたか?

宮藤 :知らない!

一同 :アハハハハッ!

宮藤 :でも手掛かりとしては、27話も36話もどっちも大根さんの回ですね。大根さんが右じゃなくて左が好きなのかもですね。

南部 :でも人見絹枝さんの回も大根さんですよね。

阿曽山:そうですね。だから大根さんの中で左ってわけではないかもですね。それで、ついでに宮藤さんに聞きたいことがあるのですが…!

タツオ:阿曽山さん、もう裁判傍聴してる暇ないよ!!

阿曽山:もう『いだてん』メインです!いだてん傍聴芸人として聞きたいことがありまして、サブタイトルが「この話でこの歌謡曲のタイトルね。宮藤さんの遊び心、面白いね」と思ってたんですが、あれは宮藤さん付けてないんですね。『週刊文春』の連載で書かれてたんですが。

宮藤 :そうです、そうです。僕、最初のうちは余裕があって、本打ち終わって、「サブタイ、やりますか」なんて言って、スタッフと一緒に考えてたのですが、途中からほかのいろんなことが忙しくなっちゃて。「じゃあサブタイこっちでやっときますね」なんて言われて(笑)で、監督もサブタイトル付けるの楽しいみたいですね。で、「宮藤さん、これになりました」って言われて、「いいですね」とか言って。結果、13話までは会議に参加していたんですが、それ以降はお任せになりました。

阿曽山:いや、「替り目」は絶対に宮藤さんに付けていてほしかった!がっかりだよ!!(笑)この回は「替り目」しかありえないよ!!言わずもがなかもですが(笑)

宮藤 :それで言うと、来週のサブタイが「懐かしの満州」なんですが、ギリギリまで「富久」にするか悩んでたとおっしゃってました。

タツオ:なるほど!

阿曽山:第1話に戻るんですね!

タツオ:僕はなんか小説とか映画とか作品のタイトルで統一して…

宮藤 :なんかすごくいい餌撒いちゃった気がするな…(笑)

タツオ:パクついちゃったよ(笑)

前嶋 :来週もサブタイトルが左下に来るかもですね。

阿曽山:ありますね!

南部 :楽しみポイントが増えた〜。

タツオ:左下、そんなに乱発していいのかな…?

宮藤 :分からないですよ、真ん中に来るかもしれないですよ(笑)

幸坂 :大根さんのツイートで、「27 話、36話のサブタイトルの出すタイミング…まったく意識してなかった!!」と!
一同 :えぇ〜!!

タツオ:出た、ファンが上回っちゃったタイプ!妄想でした(笑)

阿曽山:そんな偶然ある?

タツオ:もう裁判傍聴も怪しいな…(笑)

阿曽山:「替り目」は実次の亡くなるシーンや、子役の金栗がまた出てきて、気合の入った回なんですよ!ちょっと大根さんも怪しいな…(笑)

幸坂 :今回みなさんに印象的だった回や台詞をお伺いしております。南部さんと前嶋さんが第35回の「民族の祭典」が印象的だったと。

南部 :ヤコブです。ヤコブ一連。

前嶋 :「期限付きの平等」って言葉がねぇ。うわって思いましたね。

宮藤 :田畑さんの手記に書いてあったんですよね。田畑にとって一番はロスで、ロスを上回っているけど、「おかしいな」と思ってて。ユダヤ人をいろんなところに配置して、表向き平和に見せてるところを見て、「期限付きの平等」っていう風に言ったと思いますね。

前嶋 :ヤコブのもとになった人は亡くなったわけですよね。

宮藤 :選手村の村長ですね。閉会式の次の日に死んだみたいですね。

前嶋 :要するに、ヒトラーに殺されるぐらいならっていう。

宮藤 :どうせこうなるだろうっていうことですね。

タツオ:あそこは前畑に会わせたかったねぇ。

前嶋 :そうですねぇ。

宮藤 :あれは、前畑は本当にヒトラーに会ってるんです。

前嶋 :ヒトラーに会ったから、ヤコブに会えなかった。

宮藤 :そうです。でも階段のところでまーちゃんが「ダンケシェーン」って手を伸ばしたら、偶然ヒトラーの形になっちゃうというのは、現場で大根さんが思いついたらしいです。

前嶋 :あのまーちゃんの止まっちゃう衝撃はすごかったですね。

宮藤 :あの表情はすごいですよね。

幸坂 :阿曽山さんはどうですか?

阿曽山:前々回の第37回「最後の晩餐」で、みなさんが涙した台詞ですけど、嘉納治五郎が「今までで一番面白かったことを話そう」と言って、星野源さん演じる平沢和重が「今朝、大便が偶然、”ひらさわ”の”ひ”の字になっていた」と(笑)あれ、泣きませんでした?(笑)第2部って結構シリアスじゃないですか?宮藤さんの他のドラマの脚本って、シリアスなところで笑える人がひょいっと現れて、変な台詞が出てきたりとかして「どっちなの…?」みたいな感情が綯い交ぜになることが多いのですが。

阿曽山:『いだてん』の第2部は悲しいところは悲しいし、辛いところは辛いように描くっていう、「宮藤さんはいだてんに関しては、腰を据えて正面を切って書くんだな」と視聴者が暗黙のルールを分かったところで、この台詞が出てくるんですよ!

宮藤 :練りに練って、最後の最後にね(笑)

阿曽山:で、これを聞いた嘉納治五郎も「ふ〜ん」と言って、漢字変換するとダジャレになるっていう(笑)

タツオ:小噺みたいな感じですよね。

阿曽山:「クドカンっぽい」ですよね。

宮藤 :もっと言うと、僕が昔書いた『未来講師めぐる』という深田恭子さんのドラマの中で、武田真治さんの台詞でトイレから戻ってきて、「今、ウンコが”Z”の形になったよ。流してないから見てこいよ!」っていう台詞があって(笑)それを大分経ってから思い出しました。源ちゃんもそのドラマ出てたんですよ。源ちゃんで、トイレで、ウンコの形で、というのが僕の中で繋がったんでしょうね。それは大分経って気が付きました。はい、反省しております。

幸坂 :ここからは時間の許す限り、宮藤さんへ聞きたいこと、言いたいことを自由にお願いしたいのですが、タツオさんはありますか?

タツオ:「東京オリンピック噺」という副題がついてますが、これは古今亭志ん生が創作した長編落語という設定なのか、それより前の人が作ったやつを分割して誰かがやっているのか、あるいは弟子と志ん生の共同制作なのか伺いたいです。

宮藤 :これは、ちょっと難しいですね…!

タツオ:円朝ものという位置づけなのか、志ん生の創作なのかという。

宮藤 :志ん生の創作ですかね。まぁ、僕の思いとしては来週の「満州」の回を見たらいろんな答えが出るんですけど…

一同 :おぉ〜!!

タツオ:やべぇ、俺いいパス出しちゃったなぁ〜(笑)

阿曽山:確かに気になるところなんですよ、たとえば「笑いに変えられない」みたいなことを言うから。「ということは誰が作っているんだ?」って。

タツオ:古典ではないにしても、創作なのかどうなのかっていう。

宮藤 :志ん生さんって基本古典しかやらない人だから、本来はないんですけど、「これだけ世の中がオリンピックって言ってるから、俺もちょっとその噺でもしようか…」というのがとっかかりではあるんですけど、それにはもうちょっと深い意味があったんだというのがこれから分かる話になっています。途中で五りんが「古典はできないくせに、オリンピックの噺はできるじゃないか」ってバトンタッチしたり、箱根の回は志ん朝さんとか馬生さんを演じ分けたりね。こういろんな人にバトンを渡しているんですけど、最後は志ん生が締める風に持っていくんじゃないかと思います。

タツオ:なるほど!ありがとうございます!

宮藤 :私の口からはそれまでしか言えません(笑)

タツオ:これは聞いてもしょうがないことはなかった!

宮藤 :ありがとうございます。

幸坂 :南部さんはありますか?

南部 :これはいだてんウォッチャーの友人からの指摘なんですが、オリンピック応援歌の「走れ大地を」の歌詞で、新聞記事に一等で「斎藤龍君 17歳」って選ばれて。で、その写真が今松にしか見えなかったんです(笑)これ、斎藤君が似てたのか、今松と繋がってるのか気になってます。

宮藤 :えっとですね、それは結構末期症状です(笑)

阿曽山:南部さん、末期ですって。

タツオ:もう目がおかしくなったんじゃないですか?(笑)

南部 :えっ?そう見えましたよね?

阿曽山:で、南部さんがそんなアンケートを書いてたから一時停止して新聞記事を見たんですよ。たしかに荒川良々風の少年なんですよ!

南部 :でしょ!そうなの!

タツオ:これ、「全部フリーメイソンです」って言ってるようなもんだよ!

宮藤 :それに近いです(笑)

阿曽山:だからあそこで歌詞が選ばれた人が落語家になっているんじゃないかという妄想もあるんですよ。

タツオ:それは素敵な解釈ですね。視聴者が上回っているパターンかな?(笑)

宮藤 :あれは実際の人です。実際の斎藤さんの写真です。

タツオ:そうなんだ!

南部 :似てたってこと?

宮藤 :そうです。ありがとうございます。気がつかないことを、気がついてくれて(笑)

幸坂 :前嶋さん、質問はありますか?

前嶋 :いろんな人物が描かれてましたが、宮藤さんが一番さらに描きたい人物はいましたか?

宮藤 :もっと時間あればなと思ったのは、これからなんですけど、田畑さんが事務総長になって戦後頑張っていくまでというのは、どうしても駆け足になっちゃったんですよね。まぁ、それによって北島康介さんが出てくれることになったんですけど。古橋広之進という、フジヤマとトビウオと呼ばれた人ですが、その人もすごくて、まだ戦後で食べるものがなくて、カエルを食べてたっていうんですよ。栄養が足りないから。で、勝って、オリンピックがあれば絶対勝てるってときは、日本はまだ占領下にあったからオリンピックに出れないと。

で、まーちゃんが、「ロンドンオリンピックとまったく同じ時間に、日本で大会やる」と言って、あっちのスタートや競技、時間軸も全部合わせて。要するに裏オリンピックですよね。それで古橋が記録的に勝ってるんですよ、金メダルの人より。だから「日本は金メダルだ」と言い張るエピソードがあるんですけど、本当はもっとじっくりやりたかったです。

前嶋 :それは出て来ないんですか?

宮藤 :出ては来るんですが、今までの宮崎選手や高石さんみたいにはできなかったです。あれぐらいやりたかったです。

宮藤 :で、かっちゃんは僕、感情移入してるんですけど。そのあと実は、戦後になって高石さんとまーちゃんが仲違いするんですよ。「水連の会長を東京ばかりじゃなくて、大阪からも出せ!」という運動があって、その大阪代表が高石さんなんです。それで揉めるという。そのとき絶対にかっちゃんはノンプレイングキャプテンのことを思い出したと思うんです。

まーちゃんのせいで出られなかったのは根に持っていたと思うので。だけど、その辺は深く描けなかったですね。まーちゃんってああいう人なので、敵も多かったんですよね。その敵が面白いんですよね。

阿曽山:スピンオフありそうじゃないですか〜。

南部 :「馬鹿野郎め!」と言われた人もいますからね。

前嶋 :いっぱいいますよね(笑)

宮藤 :みなさんが僕のことを「すごい、すごい」言うから、リサーチャーの人が調べてくれる用に資料をいっぱい持ってきました。

タツオ:すごいよ、これ。

宮藤 :でも本当はこれの10倍ぐらい持ってます。

南部 :この資料の中から…!

宮藤 :これは、金栗さんが主人公と決まったときに、もう1人どうしようかなと。田畑さん、東洋の魔女の監督の大松さん、グラフィックを担当した亀倉さん、選手村の食事を作った村上さん…。

タツオ:すげぇ!いろんな分岐ルートがあったんだ…!!

南部 :うわぁ〜!

タツオ:これ、やべぇ!これもオリンピックの候補地を選ぶのと同じぐらいの重さですね!

宮藤 :そうなんですよ。この資料にはいろんな人の人生が年表になってるんです。その中でも田畑さんが一番面白かったので決まりました。こっちにもそのような歴史があるんです。

南部 :そりゃ見ごたえがあるわけだ…!

宮藤 :余計なこと言っちゃいましたかね(笑)

阿曽山:これだけ情報満載だけど、相当削ったんですね。

宮藤 :そうなんです。

タツオ:昨日見たんですけど、落語好きとしては、三遊亭円生を中村七之助さんがやるという。「大名人をどうやるんだろう?」と思ってたんですけど、めちゃくちゃ上手くてびっくりしました。一瞬で「紺屋高尾」を見ただけで、超上手いって分かりました。落語家目指したら余裕で真打ちに行けるレベルでしたよね。

宮藤 :本当上手いですよね。でも、七之助君も未来君も言ってましたが、高座で落語をやるというのは相当プレッシャーらしいです。普段と全然違う感じで、しかもお客さんが見ている。しかも、そのお客さんはエキストラで、ちゃんときっかけで笑うように仕込まれているというのが、逆のプレッシャーみたいです。

南部 :たしかにすごい状況だ。

前嶋 :未来さんでもそうなんですか?

宮藤 :そう言ってました。「もうやりたくない」と言ってました。

幸坂 :はい、お時間です!

IOC委員の皆さん、勝手な解釈を宮藤さんにぶつけていきますが、多分に作り手の考えを超えちゃってて…。人って、こんなに夢中になれるんですね。次回は…果たして!?