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ニュースのその後 #4 〜JASRAC音楽教室「潜入捜査」のその後〜

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日々新しいニュースが飛び交う中で、忘れかけていた出来事を思い出し、その後を追う金曜日のプロジェクト「ニュースのその後」。

4回目は
ニュースのその後〜JASRAC音楽教室「潜入捜査」のその後〜

今年の7月、こんなニュースが流れたのを覚えていますか?

その後、7月9日に証人尋問が行われたなどの報道はありましたが、その後どうなったのでしょうか?

ということで今回は、著作権にお詳しく、 JASRAC関連のニュースでも度々コメンテーターを務めていらっしゃる、弁護士の福井健策さんにお越し頂き、お話を伺いました。

このニュースを改めて振り返ると……

音楽教室を運営している250の事業者が、「JASRACに、音楽教室から使用料を徴収する権限はない」という確認を裁判所に求め、訴訟を起こしていた。そんな中、JASRAC職員の女性が職業欄に“主婦”と記入し、JASRAC職員だということ告げずに音楽教室に2年間通い、教室でJASRACが管理している曲を教師が模範演奏していたことなどを証言。「潜入捜査」ではないかとネット上で叩かれた。

というものですが、そもそも音楽教室での楽曲使用についての議論は以前からされていました。

事の発端は2年前半前の2017年2月。音楽著作件の徴収の対象を広げてきた中で、宇多田ヒカルさん、くるりの岸田繁さん等が、教室から徴収することには違和感があると表明し、ネット上を中心に批判が渦巻く騒ぎとなりましたが、JASRAC側はその後の記者会見で、先ずは大手の9000教室から、その後個人の2000の教室からも徴収を始めると発表。これに対し、音楽教室側から裁判を起こし、裁判は未だ継続中のもようです。

JASRACが徴収先を増やす行為だけをシンプルに見ると、お金儲けを拡大している風にも見えてしまう気が……一体どこまでが正当な権利の行使とされるのでしょうか?

ポイントは……

  • 著作権が及ぶのは、公衆にきかせるための演奏だけ

不特定、または多数の人々を公衆とするならば、生徒は果たして“公衆”なのか?
JASRAC側は、“誰でも入会出来る=不特定”と主張しているが……。

  • きかせるための演奏ですか?

指導、練習をしなければ、演奏にならないのでは?
公衆に聴かせる“ひとつ前の段階”に手を伸ばしてきた、という感覚が教室側にはあるのでは?

  • お金を払えばいい問題なのか?

ゲーム音楽や民族音楽など、JASRACが管理していない曲も多数ある中で、「許可をもらわないと演奏の練習も指導もできない」という前提を認めてしまうと、許可を取ることが出来ない曲は演奏の練習も指導も出来ない、ということになってしまう。

これらの争点がどう判断されるか、今後の裁判に注目です。

さて、今回のケースに限らず、著作権に関する問題をとらえる際、私達はどういった着眼点を大事にすればいいのでしょうか?

まずは、著作権に関する理解がまだまだ広まっていない。それ故、不正確な知識のもとにネットで広まることも多いので、やはり正しい理解は必要。
同時に、“著作権”が何のためにあるのか?、社会を、文化を良くする為の法律であることを再認識し、「(こんなところまで及ぶと)音楽文化を萎縮することにならないか?」という最適バランスを社会全体で考えていくことは大事。

とのことでした。

個人でも手軽に作品を発信出来るようになり、「著作権」という言葉自体は頻繁に目するようになった昨今ですが、まだまだ正確な理解は難しいところ。
専門家同士でも線引きが議論になるという今回の件もふまえつつ、引き続き“著作権との付き合い方”を考えていきたいですね。