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森を再生する樹木葬「森の墓苑」に注目!

森本毅郎 スタンバイ!

森の再生を樹木葬ですすめようという取り組み「森の墓苑」について、8月19日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

 

「森の墓苑」は日本生態系協会が取り組む活動の1つで、千葉県の長南町で行われています。まずはどんな墓苑なのか?日本生態系協会の白井孝賢さんのお話。

★50年かけて森を再生させる「森の墓苑」

日本生態系協会 白井孝賢さん
「森の墓苑」は、木を植える樹木葬のお墓です。場所そのものはバブル時代に土砂採掘で開発されてしまった土地。そこに植樹を通じて、最終的に森に還していくというコンセプト。石のお墓も決して悪くないが、各地から身近な自然環境が墓地開発で壊されるという相談があり、自然を壊さない形はないだろうかとスタートしました。
森本毅郎スタンバイ!

開発当時(ビフォー)

森本毅郎スタンバイ!

現在(アフター)

森本毅郎スタンバイ!

「森の墓苑」区画図

森本毅郎スタンバイ!

自然豊か。左上から、バッタ・カタツムリ・シャクトリムシ(どこにいるかわかりますか?)・フクロウの巣箱

「森の墓苑」のプロジェクトは 2016年にスタート。当時はまさに荒れ地で地面がむき出しとなっていた土地でしたが、樹木葬を通じ、50年かけて元の森に再生していく取り組みです。

樹木葬というのは、最近、あちこちにありますが、ここは「森づくり」とリンクしているのが特色です。荒地に1本1本木を植えて森に変えていくわけですが、その際、その木に樹木葬する権利を買ってもらう仕組み。つまり、樹木葬してもらうことで、森づくりを応援してもらおう、ということです。

1本の木を1人で使う「個別葬」の樹木葬もあれば、1本の木の周りを複数の人で使う「合同葬」の樹木葬もあって、いずれも、木の周りには、だれが眠っているのか、プレートが飾られます。将来、子孫は森を楽しみながら、そのプレートに従って、お墓参りをできるというわけです。

気になる「森の墓苑」の費用は、個別葬が65万円〜。合葬墓が30万円〜。ですが、その後の管理費などはかからないということでした。

★“地元の木”を植えるこだわり

また、この森の墓苑の樹木葬で植えられる木の種類は23種類と豊富なんです。しかもその木の種類にも、森林再生に向けたこだわりがあるようです。再び白井さん。

日本生態系協会 白井孝賢さん
「森の墓苑」は自生種を扱っている。自生種とはこの地域に昔から元々生えている木のこと。他にも園芸種や外来種という木があるが、それは元々は生えてないのであえて使わない。この土地を「本物の元の森に還す」というコンセプトを考えると、本来ある木を使うことで「本物の森」を取り戻す事が出来るので自生種にしている。また、その木を頼りにしている元々の生き物も、元から生えている木なら安心して使える。
森本毅郎スタンバイ!

樹木葬で選べる23種の木(一例)

23種の中には、赤い花を咲かせる「やまつつじ」や「やぶつばき」、「こなら」「やまざくら」「むくのき」など多様な樹木があります。そのそれぞれを、日本生態系協会の専門家が実際に山に入って種を集め、苗木まで育てたものをお墓の契約者に選んでもらって植樹する、と言う流れになっています。

なぜ、地元の種なのか?実はおなじ「やまつつじ」でも、地域によって、微妙にDNAが違うとか。地元の種の物を使ってこそ、本当の森の再生だということでした。

なお、木を植える時期については生前でも亡くなった後でも自由に選べるそうです。さらに、この「森の墓苑」は森の再生を目指している為、植樹のほかにも鳥などの小動物や昆虫が快適に過ごせるように、巣箱なども所々に設置されています。

★石のお墓はジメジメしてるけど…

そして、実際にご自身の入るお墓として生前契約した方に、なぜ森の墓苑を選んだのか?聞いてみました。

今井洋子さん(70代・千葉県在住)
私は東京生まれで、子供の頃は東京にも畑や田んぼが残っていたし、大学に入ってからは山登りをしていて自然の中に還りたいと思っていた。実家にも嫁ぎ先にもお墓はあるけど、墓石の下に入らなければいけないので、暗くてジメジメした所は遠慮したいと思った。ただ、主人は先祖の墓に入るつもりだと思う。
森本毅郎スタンバイ!

白井さんと今井さん。すでに植えられていますが、冬に真っ赤な花をつける「やぶつばき」を選びました

森本毅郎スタンバイ!

亡くなった方が植えた木の目の前にネームプレートがあります。この真下に、お骨が埋まっています

今井さんの「亡くなった後は自然に戻りたい」と言う思いをご家族は理解してくれたそうで、申し込みに反対はなかったそうです。

ここを契約する人の中には今井さんのように自然の再生に共感した人や、埋葬された後に管理費が掛からないことに魅力を感じた人、さらにはペットと一緒に埋葬が可能、などの理由から、生前に申し込む人も徐々に増えており、説明会の参加者も増加しているそうです。

特にペットと一緒、というのはニーズがあるようで、そうした方からの問い合わせが多いそうです。

★地元の職員も見守り続ける

「森の墓苑」は、今後30年はスタッフが手入れを続けて、50年後には元の森の形に戻す計画。日本生態系協会の白井さんはご自身の思いとして、最後にこんな話を聞かせてくれました。

日本生態系協会 白井孝賢さん
私自身がここに生まれ育って地域の自然が変わっていく事に違和感を感じていた。その中で、「森の墓苑」は自然を取り戻していけるので、生まれ育った場所に凄く貢献できるという意味でも充実感を感じている。自然を壊すのはあっという間だが、元に戻すのは人も関わって時間が掛かって大変だと自分自身も実感している。本当にやっとここまで来これたという思いが強いです。

日本生態系協会がすすめる「森の墓苑」。実はこうした樹木葬は、特にヨーロッパで早くから進んでいるということで、今後日本でも広げていきたいと話していました。

 

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!