お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

日本の先住民族アイヌの、首都圏での文化伝承活動について、中国人留学生と一緒に聞く▼人権TODAY(2019年8月17日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。

様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・日本の先住民族アイヌの、首都圏での文化伝承活動について、中国人留学生と一緒に聞く。

 

担当:崎山敏也

日本の先住民族アイヌは、元々暮らしていた土地アイヌモシリ、今でいえば主に北海道だけでなく、首都圏をはじめ、全国に暮らしています。日本の先住民族アイヌのことを大学院で研究している中国人留学生と一緒に崎山記者は現在、「首都圏に暮らすアイヌが文化をどう受け継いでいるか」、話を聞いて回っています。留学生は中国の少数民族についても学んだうえで、日本に留学してきました。

8月の初め、首都圏で暮らすアイヌのグループの一つ「チャシアンカラの会」の代表、島田あけみさんの話を一緒に聞きました。北海道から若い時に首都圏に出てきた島田さんは40代半ばまで周りに「アイヌである」ことを話していませんでした。現在のような活動を始めたのは、2013年、ニュージーランドで先住民族のマオリと交流し、伝統的な集会所で民族の将来を語り合う姿に衝撃を受けたからだそうです。島田さんは「その時に、国に頼るのではなくて、自分たちで自身が動くこと、自分たちがつかみたいものをつかむための努力が必要だということをすごくマオリから学んだんですよね。自分たちが何をしたいのか、どういう風に持っていきたいのかを考えるための新しい自分たちの名前を付けようということで、チャシアンカラの会が始まったんです」と話します。チャシアンカラとはアイヌ語で「自分たちの砦」という意味です。

東京でも、アイヌ語や、歌や踊りの教室が公的なもの、民間のグループそれぞれに開かれています。ただ、首都圏各地に離れて住んでいるので、時に集まっても、いろんな世代でゆっくり考える機会や場所がないということです。島田さんが考えている「居場所」のイメージは、「寝泊りができて、食事を作って、アイヌ料理でもなんでも自分たちで作って、それを食して昔の話をしてもいいし、未来の話をしてもいいし、いろんな話し合いができる場所がほしい、集える場所がほしい。子供が来て、一緒に泊まって遊んで、おばあさんが歌を教えてくれたり、踊りを教えてくれたりしながら、それがアイヌ語であるか日本語かと考えなくてよくて、そこで楽しく集えるようなそういう場所」だということです。

そういう居場所を作るため、チャシアンカラの会が中心になって、毎年10月、新横浜で「アイヌ感謝祭」というイベントを開いて、資金を集めています。また、マオリや台湾の先住民族との交流も行ってきました。マオリとの交流の様子を撮影した写真の展覧会が7月には、台湾東部で開かれ、島田さんも訪れて、台湾の先住民族と交流したそうです。「例えば、先住民族のアミ族の村に行くと、稲で脱穀して、それを木に干していた。アイヌと同じやり方で、懐かしかったですね」と話します。また、小さい子供たちとお年寄りの交流があるのもうらやましかったと話していました。

話を聞いた中国人留学生は「アイヌ民族も一生懸命文化継承していますので、中国の少数民族も文化が失われかけているので、その方法を勉強したほうがいいと思います。ニュージーランドの先住民族、台湾の先住民族、みんな同じ課題、どうやって継承するか抱えているんですね」と感想を話してくれました。

一方で、島田さんは、首都圏で、文化継承や権利推進活動をするアイヌはまだ、わずかではある厳しさなども語っていました。若い世代、中国の人も、いわゆる日本人、アイヌからみた和人も、日本の先住民族アイヌの文化への関心、交流を自然な付き合いの中で持つ動きはまだ始まったばかりなのかもしれません。

 

島田さんたちのマオリとの交流「アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラム」の実行委員会は、9月9日から14日、東京・銀座の「ギャラリーモーツァルト」で「ルイカ アオテアロアとアイヌモシリをつなぐ」と題した展示会を開きます。ルイカとはアイヌ語で「懸け橋」という意味。アオテアロアはマオリの暮らす土地、アイヌモシリはアイヌの暮らす土地を指します。アイヌの木彫りや刺繍の作品の展示、販売や、マオリとの交流の様子の展示などがあります。

10月20日には新横浜・スペースオルタで「アイヌ感謝祭」も開かれる予定です。