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街歩きしながら地域の福祉を考える「山谷地域の『介護・看護』のお仕事説明会」▼人権TODAY(2019年8月10日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…「山谷地域の『介護・看護』のお仕事説明会」

山谷地域の『介護・看護』のお仕事説明会

南千住駅前にて


         
「山谷」と呼ばれる地域が都内にあります。
台東区清川、日本堤、東浅草の一部などをさし、かつて日雇い労働者が多く住み、今も「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所が並んでいます。
その山谷地域や周辺にある介護事業所「ケアサービス福寿草」、「浅草あおばケアサービス(C&N)」、生活支援NPOの「山友会」、「友愛会」など4団体が主催した「山谷地域の『介護・看護』のお仕事説明会」が8月3日に行われ、この日は2名の男性が参加しました。

説明会は2016年から始められて年2~3回のペースで開催され、今回で9回目になります。
    
山谷地区はかつて日雇い労働者だった男性の多くが身寄りがなく、一人暮しのまま高齢化し、生活保護を受給しながら「ドヤ」で暮らしています。
そのため介護、看護の仕事に地域独特の課題を抱えています。主催者のひとつ「ケアサービス福寿草」役員で介護福祉士の柳澤政彦さんは説明会の目的このように語っています。
          

「ケアサービス福寿草」役員で介護福祉士の柳澤政彦さん
この山谷地域って特殊な地域でもあるので、どうしたら人材を集められるか。山谷を紹介しながら、ここでの介護、看護がどういうお仕事かを街歩きみたいにして紹介していったら人が集まるんじゃないか、というふに思って、地域で連携してる事業所に声をかけて「やりませんか?」という話から始めました。

 
山谷地域は周囲から偏った印象をもたれやすく、そこでの仕事だと聞いた人が就業を断るケースもあるそうです。
そうした問題の根本にある地域のイメージを改めてもらう効果も含め参加者が現場を見ながら、地域で介護、看護がどのように取り組まれているか知ってもらおうというのがこのイベントの主旨です。
実際、説明会に参加したことをきっかけに、山谷地域で介護の仕事を始めた人もいるそうです。

2019年の「ドヤ」(=簡易宿泊所)は

「説明会」といっても会議室のような部屋の中で話を聞くのではなく、街を散策しながら地域の歴史や現状について話を聞きます。
スタートはJR南千住駅前のお寺、回向院の前で山谷の成り立ちなど歴史について聞き、山谷の中心に向かって歩きながら近くの商店街で古くから営業するお店の方にも話をうかがいました。

街を歩く様子

  

  
        
そして「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所やアパート、介護つきの宿泊所などに立ち寄りケアサービスや訪問看護の現場におじゃまして、実際の仕事をを見学、説明を受けます。
許可をいただいた住人に「ドヤ」のお部屋を見せていただき、直接話をして、介護に対する意見や感想を聞くこともできました。

「ドヤ」に入ったことのある人は少ないと思います。
古い映画で見た経験や伝聞から劣悪な環境を想像する方も多いと思いますが、今回同行した「ドヤ」は全室個室で、3畳ほどの広さがあり、エアコンがついていて小さいワンルームの部屋という印象でした。
    
「ドヤ」には自分の身の回りのことができる方が住みますが、動けなくなったり、病気になった方は介護・看護サービスのあるアパートや宿泊所などに移ります。
食事の提供など、様々なケアをする宿泊所6ヶ所のを回りそこで行われている仕事や住んでいる人の説明を受けました。
買物・掃除など生活介助から訪問看護、医療まで、費用や施設の面積の限られた中で、多くの人が連携し、工夫して取組んでいる様子を見ることができます。

宿泊所での訪問看護の様子


    
参加した方は、こんな感想を話していました。
  
   

(男性 20代)
この辺は初めてです。山谷というとどうしてもホームレスがいっぱいいるようなイメージがあったので、汚いところを想像してたんですけど、意外と清潔で、意外だなと想いました。

       

   

(男性 50代)
実際にいろいろな人を見て接していく中で、すごく見る目が変わったなという気がしましたね

実際に現場を見ると、短い時間でも山谷という地域の印象が変わるようです。
地域への親しみが得られるたり、介護・看護の現場がより身近になった印象でした。
ケアサービスを運営している主催者にとっては人手不足が深刻なので説明会をきっかけに前向きに就業を考えてほしい思いがあります。
   

「山谷」地域は福祉の先進地

山谷地域は労働者だった多くの男性住民が一気に高齢化したため福祉の課題が集積され、その克服に複数の団体・施設が仕事の垣根を越えて連携し課題に取り組んでいます。
そうした実績から、山谷地域は福祉の先進地になっています。そこで働く人々の思いを聞いたり、新しい取組みを見学して福祉の今後のあり方を考えるだけでも参加は有意義だと思いました。
 
前出の柳澤さんは、山谷地域の介護・看護の今後の課題をこのように話してくれました。
              
 

「ケアサービス福寿草」役員で介護福祉士の柳澤政彦さん
身寄りがない人がこの辺、多いんですよ。でも最後までここにいたいって人のその支えですよね。これはうちの福寿草だけでは無理でして、デイサービスさんだとか、訪問看護さんとか、往診してくださる先生とか、同じ方向を向いてこの人を最後までここで支えていこうというチームケアが大事になってくるんですね。それを実現できる地域ではあると思っていて、最後はここで生活できて良かったなと笑顔で迎えられるような支援ができたらなと思っています。       

  
  

介護・看護は私たちにもとても切実な問題ですからこうした実際の現場を自分の目で見られるのとても貴重な経験でした。
   
この説明会は次回は11月に予定されているそうです。詳しくは山友会などのホームページを参考にしてください。

 NPO法人「山友会」ホームページ http://sanyukai.or.jp/
 ケアサービス福寿草 ホームページ http://www.fukujyusou.com/
 浅草あおばケアサービス ホームページ http://asakusaaoba.web.fc2.com/index.html

(担当:藤木TDC)