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YouTube登録者40万人の人気水彩画講師・柴崎春通さん(71歳)

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
8月3日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、水彩画講師の柴崎春通(しばさき・はるみち)さんをお迎えしました。通信教育講座や絵画教室で50年近く講師を務めてきた柴崎さんは、2017年からYouTubeで「水彩画チャンネル」と題した動画を投稿。するとみるみるうちにチャンネル登録者が増え、2年数ヵ月で40万人を突破!


柴崎さんのモットーは「本格的な水彩画を可能な限り分かりやすく!」 。画材の基本的な扱い方から実践的なテクニックまで、役立つ情報が盛りだくさん。なにより、描いているときの柴崎さんがとても楽しそうなので、動画を見ていると、なんだか自分にも水彩画が描けるような気がしてくるのです。

ユニークな経歴


柴崎さんは1947年、千葉県の外房、夷隅町(現・いすみ市)の農家に生まれ、高校生のときは柔道部で活躍(県大会2位!)。卒業後の進路についてはあまり考えていなかったので友だちと一緒に千葉県庁の採用試験を受けると見事合格。ところが気が変わって採用を辞退。芸術大学進学を目指して1年浪人すると、翌年なんと東京芸術大学に合格。ところがまたまた気が変わって入学せず、たまたま電車で生徒募集の中吊り広告を見かけた和光大学人文学部芸術学科に入学したそうです。

大学では油絵を学び、卒業後は美術の通信教育講座「講談社フェーマススクールズ」に入社、インストラクターを長年務めました。またご自身の創作活動にも熱心で、70年代から現在に至るまで毎年個展を開いています。教育と創作の二足のわらじですね。さらに40代になると、田植えの時期には週末ごとにいすみ市の実家に帰って高齢の両親を手伝うという三足のわらじ生活を送っていました。2001年には、芸術家を育てる文化庁の海外留学制度を利用して渡米。ニューヨークに着いた翌日に「9.11」同時多発テロに遭遇するという貴重な体験もお持ちです。現在は東京(文京区・千石と中央区・銀座)と地元・千葉の水彩画教室で教えています。

70歳でYouTuber、登録者は40万人


柴崎さんが70歳を目前にした2017年3月にYouTubeで水彩画チャンネルを始めたのは、息子さんの勧めだそうです。

「息子が、今はYouTubeっていうものがあるからやってみたほうがいいよって言うんです。そうしたらたくさんの人が父さんの絵を見てくれるんじゃないかって。でも、ぼくの教室はとても人が集まるんですよ。個展だって東京・京橋の並樹画廊でずうっと毎年やるんですよ。普通は個展ってだいたい1週間なんですけど、ぼくは2週間やるので大変な数の方がお見えになるんです。でも息子から言わせると、それでもせいぜい数百人でしょうって」(柴崎さん)

「YouTubeって、何だと思いました?」(久米さん)

「いやあ、分からなかったんです」(柴崎さん)

「どんなものでした、初体験は?」(久米さん)

「いや、ぼくも分からないし、息子も動画を投稿した体験がないから、お互いに本当に手探りですよね。だから、人のYouTubeを見たりして。でも、基本にあるのは今までやってきた通信教育と絵画教室。そのノウハウをそのまま持ち込んで、とにかく水彩画を見てほしいという気持ちだけでやり始めたんです」

「そしたらどんどん見る人が増えた?」(久米さん)

「そうなんです。最初は3000人くらいで。『えっ、3000人? すごいねえ!』って。どんな個展をやったって3000人は来ませんからね。そうしたら1万人になって、5万人になっちゃった」(柴崎さん)

「そうしたら?」(久米さん)

「息子が『登録者が10万人になったら盾がもらえるという話だよ』って言うんです。それから10万人になって、銀色の盾が送られてきたんですよ。そうしたらアメリアでぼくの動画が噂になったらしくて、ボーンとあっという間に20万人、30万人となりました」


昔、アメリカのテレビでボブ・ロスという人が油絵の描き方を教える『ボブの絵画教室』という人気番組があったので、柴崎さんの動画は「日本のボブ・ロスか?」と話題になったそうです。柴崎さんがYouTubeを初めて半年ほど経ったときのことでした。今では柴崎さんのチャンネル登録者数は40万人を突破していて、毎日千人ずつぐらい増えているそうです。

動画は柴崎さんがひとりで撮影しています。3台のスマートフォンを三脚に固定して、スケッチブック、手元、柴崎さんのそれぞれを撮影。さらに、筆の音を拾うための別マイクも立てて、筆の運びや勢いなどもしっかり伝わるようにしています。絵画教室にいるような臨場感を出そうと考えたからです。撮影した動画の編集やBGMは息子さんが手がけているそうです。チャンネル登録者40万人の半数は海外の人だそうで、今では翻訳者に頼んで英語の字幕なども付けています。

「にじみ」が水彩画の最大の魅力


水彩画というと、多くの方は鉛筆で詳細に下書きをして、その上から薄めに色をつけていくのではないでしょうか。でも、水彩画の描き方はそうではないと柴崎さんは言います。

「みなさんの描き方は淡彩画といいます。水彩画はたっぷり濃いめに色を作って紙の上に乗せていきます。そして絵の具が乾かないうちにその上にまた別の色を重ねていきます。ウェット・イン・ウェットといって『にじみ』効果を出すんです。この『にじみ』こそが水彩画の最大の特長で、油絵には出せない価値なんです。そして色は筆で混ぜるわけじゃないんです。水の力で混色するんです。水に仕事をしてもらうのが水彩画なんですね。そして大胆にコントラストをつける。これがとっても大切なんです。みなさん水彩画を描くと、大胆な色を使うのが怖いものですから、なんとなく中庸な色を着けていくんですね。腰が引けちゃうんです。でもそれではできあがったときにぼんやりした絵になって、油絵に負けちゃうんです。油絵は絵の具の厚みがありますから迫力があります。それに負けないように、水彩画は大胆な色を乗せて、コントラストをはっきりさせる。そうすると油絵に負けない絵になります」(柴崎さん)

冗談を言っているうちに素晴らしい絵が!


柴崎さんにスタジオで水彩画を実演していただくと、手と同じくらい口がよく動きます。冗談やだじゃれがぽんぽん飛び出すので、だんだん久米さんもペースが変わってきて、コーナーの後半は柴崎さんと久米さんのかけあい漫才のようになりました。そうしながらも柴崎さんは、絶えず筆をリズミカルに動かしていて、水彩用紙のうえにはいろいろな色が矢継ぎ早に置かれていきます。絵を描くというより、いたずら書きをするような感じなので、久米さんも堀井さんも、紙に何が描かれているのかなかなか分かりません。柴崎さんは、水彩画は「描写」ではなく「デザイン」だと言います。多くの人は色や形を細かく〝描写〟しようとしますが、形や色を頭の中で大胆に編集して〝デザイン〟するのが水彩画なのです。

「柴崎さん、もう時間があんまりないので、あと1分でなんとかなりますか(笑)」(久米さん)

「もちろんです」(柴崎さん)

「この先生、すぐ安請け合いするんだから…。それ、木ですか? 手前にあるの? 」(久米さん)

久米さんがそう思うのも無理がありません。柴崎さんが動かす筆の先を見ていてもなかなか「絵」が浮かんでこないのですから。ところが、柴崎さんが「はい!」と言ってスケッチブックをこちらに向けると…


「いたずら書きにしか見えなかったのに、きれいな風景画になってる!」(久米さん)

「わあ、本当! すごいきれい!」(堀井さん)

「これが水彩なんだ、デザインなんだ」(久米さん)

「そうです」(柴崎さん)

「こういう絵を画廊で売ったら、おいくらになるんですか?」(久米さん)

「税務署が聞いてるからやめてください(笑)」(柴崎さん)

柴崎さんの「水彩画チャンネル」をご覧になると、みなさんも楽しく絵を描いてみたくなると思いますよ。また、柴崎さんの作品はインスタグラムで見られます。

柴崎春通さんのご感想


久米さんはトークの達人ですから、しかも年代的に非常に近いので、とても波長が合ったような感じがして心地よかったですね。ぼくもいつもバカなことばっかり言いながらやってますので、もし相手がまじめな方だと違ってきますけど、久米さんはくだけてくれましたのでとてもよかったです。今日はありがとうございました。

「今週のスポットライト」ゲスト:柴崎春通さん(水彩画講師)を聴く

次回は、今週のスポットライト・スペシャル!

8月10日の「今週のスポットライト」は、特別企画「今週のスポットライト・スペシャル 社会を変える人たち」をお送りします。今の日本社会が抱える問題を解決しようと奮闘している方々が登場。今年これまでのスポットライトの中から選りすぐりの対談をお楽しみに!

2019年8月10日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190810140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)