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障害者が働くカフェの売りは「野菜工場」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・「障害者がいる」ことを売りにしない障害者の就労支援~葛飾区の「野菜工場」のあるカフェ

崎山記者が取材したのは東京・葛飾区にある「グリーンカフェ」。新小岩駅前から続く「新小岩ルミエール商店街」を歩いて3分ほど、お店の看板が見えてきます。カレーやハンバーグ、日替わりランチなどのメニューが載っていて、看板も緑色の字を使って、「緑いっぱい」という感じです。階段を3階まであがってみると、20席ほどの座席やテーブルの奥、大きなガラスケースの中に発光ダイオードの光に照らされて、サニーレタスが育っていました。そしてちょうど「収穫」作業を行なっていました。「水耕栽培」で野菜を育てる、いわゆる「野菜工場」があるカフェです。この「グリーンカフェ」、一見ではわかりませんが、障害者の就労支援施設です。高次脳機能障害や精神障害のある利用者およそ10人がレタスの収穫ほか、様々な仕事をしています。

午前10時、この日の利用者とスタッフが揃って朝礼。この日、レタスの収穫担当になった女性は、「ここに来るようになって、元気になりました」とあいさつしていました。心身の調子が天気で左右されるというのですが、話を聞くと、「ここに入ったのが一ヶ月ぐらい前で、来るのがいやな日はないです。やった達成感もありますし、いろいろ勉強もできるので、仕事からだいぶ離れていたんですけど、ここに来るのは全然違和感ないんで、続けてこられています」と答えてくれました。栄養士の資格を元々持っているので、身体の調子を整えながら、いろいろやってみたいと話していた。

利用者は一人一人の状況に応じて、野菜の収穫だけでなく、調理や接客などの仕事に取り組みます。おととしの8月に開店したんですが、運営する一般社団法人「ライフステップ」の田村宏代表は「障害者がやるレストランとかカフェはだいたい、役所の中を借りたりとか、駅から遠かったり。関係者しか来ないとか。保護されっぱなしなんです。安定はしているんですけど。でもここは、一般のお客さんが通るところに看板を出して、障害を売りにしていない。

開店と同時に入ってきた女性は「安くて、お味がよくて、従業員のみなさんがとてもいいかたです。やさしくて。この野菜を使っているというんで、自然でいいなあと思ってます。なんか、安心していただけます。開店してまもなくからきているんですけど、ずっと気にいってます」と話します。新小岩におけいこごとで出てきたときは必ず立ち寄るそうです。

メニューはカレー、ハンバーグなど定番の他、日替わりの洋食ランチやまぐろ丼が人気。サラダは店で栽培した新鮮なレタスが当然つきます。価格は500~600円。野菜工場では小松菜、サラダ菜などもできるので、開店以来、メニューも変化させてきました。いまは、クレソンやあしたば、などを使って「薬膳カレー」をメニューに出来ないか、考案中。田村さんは、「普通のお店としてやっていくのには、変化も大事だ」と話します。そうやってお店を地域に根付かせていって、一方で障害のある人は、その病状に応じて仕事をして、達成感を得てもらうというのがこの「グリーンカフェ」の狙いなんです。

オープン当初から仕事をしている女性で、この日接客を担当している利用者に話を聞きました。「ここにいる方は皆さん病気しているんで、できることは、私の場合ですけど、日によって変わってしまいます。きょうはホールの仕事ができる、でももしかしたら、明日はすごい緊張してホールの仕事ができなくなってしまうかもしれない。でも、そういうときにはここのスタッフの皆様がそれを自然と察知して、寄り添うような形で、自然と、のびのびと、笑顔で働かせていただいています」と話していました。

こういう試みはあちこちで生まれています。

「野菜工場」で作った新鮮な野菜が売りの「グリーンカフェ」、新小岩駅南口からすぐの新小岩ルミエール商店街の中。平日お昼の12時から3時まで営業しています。(葛飾区新小岩1-49-2 古屋ビル3階 電話03-5879-4435)

担当:崎山敏也

葛飾区新小岩の「グリーンカフェ」店内