毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。
今回のテーマは…『障がい者によるピアノコンサート』
一本指でもピアノは弾ける!
ベートーヴェンの「Ich liebe dich」を連弾で演奏する親子。娘さんが指一本で主旋律を弾き、母親が伴奏を弾いています。車いすの女性、岩﨑花奈絵さんは現在26歳で、ピアノ歴はおよそ20年。早産による1,392gの極低出生体重児として出まれ、その後遺症で脳性まひとなり、今も四肢体幹機能に障害があります。指も自由に動かすことができません。
そんな花奈絵さんが、5歳くらいの時に、ピアノを習っているお姉さんの発表会を見て、「私も発表会に出たい!」と言って、ピアノを習い始めました。その当時のピアノの先生とのエピソードについて、伴奏を担当するお母さん、岩崎準子さんに聞きました。
- 岩崎花奈絵さんの母・準子さん
- 私も中学生ぐらいまでピアノを習ってただけなんですけど、10本の指で弾くのがピアノだと思っていたので、指がうまく動かないのにピアノどうやって弾くのよって言ったんですけれども、その時に上の子が習っていたピアノの先生が、一本指でもメロディを弾ければお姉ちゃんと連弾してピアノの発表会に出られるわよ、って言ってくださったんですね。「あ、そんな弾き方もあるんだな」と私も思って、それから一本指で弾くようになったのが始まりです。
もし「指が動かないのでピアノは無理です」と突っぱねられていたら、ピアノを始めていなかったのではないか、と準子さんは話していました。
障害者ピアノ指導の第一人者との出会い
花奈絵さんは、障害者のピアノコンサートを多数主催する、ピアニストの迫田時雄さんと出会い、小学2年生の頃にニューヨークの国連とカーネギーホールで演奏。その後も国内外含め、年間30本ペースでピアノの演奏会をこなし、ソロアルバムも発売しています。そんな、岩崎さんの活躍のきっかけを作った迫田時雄さん。9月には都内で、国内のみならず世界中の障害者ピアニストを集めたコンサートを開き、こちらに花奈絵さんも出演するのですが、花奈絵さん以外にも、たくさんの魅力的なピアニストが参加するという事です。
- ピアニスト・迫田時雄さん
- 指が4本ずつしかない、聴覚にも障害がある。それでいて指の扱い方は天才的なメキシコの青年。生まれた時から目が不自由ですけれども、素晴らしい記憶力で立派な演奏をする。それから発達障害ですけども、人様とのコミュニケーションは難しいんですけれども、自作で、自分の発想でどんどん素晴らしい曲を作曲して演奏する人。ぜひ皆さんにご紹介したい人ばっかりです。
視覚障害、聴覚障害、発達障害など…出演者全員が、何らかのハンデを抱えるピアニストですが、「障害も健常も超えた素晴らしいピアニストたちをご紹介できる」と
迫田さんは話していました。
指一本の演奏を通じて伝えたいこと
- 岩崎花奈絵さん
- やっぱり、こんな体なので、普通だったらピアノやるって思わないじゃないですか。けど、やりたいことがあれば何とかできるんだよっていうのを知ってもらえたら嬉しいです。
花奈絵さんは、ハンデはあるけれども、行動力のあるとても素敵な女性だと、取材を通じて感じました。
(担当:中村友美)
『第4回 ニューヨーク国際障がい者ピアノコンペティション 受賞者コンサート」
開催日:2019年9月10日(火)
開場:17:00 第一部 17:30 第二部 19:00
場所:国立オリンピック記念・青少年総合センター カルチャー棟大ホール
チケット(全席指定):A席 5000円 B席 3000円
申し込み方法:メール tohshin0201@gmail.com (件名に「チケット申し込み」と記入して頂き、本文に住所、氏名、電話番号、席別チケット枚数、合計金額を記載)
お電話での申し込みは、080-5050-5431(月曜~金曜 10:00~17:00)