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声をあげるHIV陽性者たち▼人権TODAY(2019年6月22日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。今回のテーマは・・・声をあげるHIV陽性者たち

担当:崎山敏也

5月25日、HIV(エイズウイルス)やエイズに関する支援や予防啓発活動に取り組むNPO法人「ぷれいす東京」の2018年度の活動報告会が東京・高田馬場で開かれました。前半は2018年度の活動報告、そして後半は「声をあげる陽性者たち」というテーマのトークコーナーが設けられていました。

ぷれいす東京の活動報告会

トークコーナーには3人の方が登壇したんですが、共通するのは、裁判、司法の場で声をあげたということ。例えば、今年2月、全国で一斉に、「結婚の自由を全ての人に」を合言葉に、いわゆる「同性婚訴訟」が始まった。原告の一人、佐藤郁夫さんは「ぷれいす東京」のスタッフ。パートナーは顔出しNG、名前もニックネームなのは、実家の家族や会社に自分が同性愛者であることを話していないからですが、そういう状況だと、例えば、パートナーが急に病気になった場合、医師が佐藤さんではなく家族にまず連絡しようとするだろうし、死に目に会えるのか、葬式に出席できるだろうか、とか、マンションはパートナーの名義なので、そのあとも住めるだろうか、とか、様々な不安から、訴訟に加わったと、理由を説明しました。

トークコーナーの様子

そして、ゲイであることだけでなく、HIV陽性も公表したことについて、佐藤さんは「HIV/エイズに対しても、すごい偏見があるんですね、今でも。例えば受診拒否をされるとか、会社をクビになるとか、恋人が離れていくとか、家族に排除される、ですね。そういうことがあるので、そういう社会であってはいけないだろうということをHIVが怖いと思う人も世の中一杯いるので、HIVを持っていても、こうやって生きていて、幸せになれるんですよ、ということもメッセージとして伝えたいな、ということがありました」と話しました。

そして、登壇した一人、台湾人のGさんは、オーバーステイの状態でパートナーの日本人男性と長年暮らしてきたんですが、日本人と外国人の異性カップルと同じように、同性カップルにも在留資格を認めてほしいと争っていました。3月に国が「在留特別許可」を認め、事実上勝訴しています。オーバーステイの状態では、受けたほうがよいHIVの治療を受けられず、やせほそり、歩くのも困難な状態になって、10数年前に「ぷれいす東京」に医療や生活の相談をしたことから、最終的には訴訟につながったそうです。

3月の記者会見で、Gさん(右)と日本人パートナー

Gさんは訴訟を起こした頃の心境やこれからについて「僕自身、裁判するまでずっと20数年間、隠れて生きてたんですね。裁判につれて、自分も前向き、例えばシンポジウムとか、SNSとか積極的に参加したりとか、積極的に支援者と話したりとか。僕自身の性格も少しずつ変わってきました。在留特別許可という手続きを経て、早速、住民票だったり、国民保険証とか、マイナンバー。僕も普通の日本人と同じように、普通に生活していけるんじゃないかと。それが最大の変化というか。この変化を大事にしつつ、生活していこうと思います」と話しました。

トークコーナーでは、このほか、RUSHという薬物のあり方をめぐる訴訟の原告の方も登壇していました。

3人の話を最後にまとめる形で、「LGBT支援法律家ネットワーク」メンバーで、Gさんの代理人や、同性婚訴訟の弁護団の一員でもある、山下敏雅弁護士がコメントしました。前半は、電話相談や、自宅や病院を訪問しての生活支援、交流会、HIV/エイズの啓発イベントなど、日常の活動について報告があり、その活動実績だけでなく、例えば、ボランティアの男性が、電話相談を担当した体験について現場のリアルな声として、語ったりしました。

山下弁護士は、その話などを受けて、「人権を守るのは弁護士だけができることじゃない、裁判所だけでやるものじゃなくって日常生活でお互いができることですし、毎年ここに来て思うのは「ぷれいす東京」がやっている活動は人権を守ることそのものじゃないですか。どんな人でも大切な存在として扱って、先ほど、ずっとお話を聞いているだけですけどって、ボランティアの方、おっしゃってましたけど、どんな人でも大切な存在として扱って、ひとりぼっちじゃないとその時に確信できるわけですね、ご本人として。安心した毎日を過ごして、幸せな人生を送っていけるという。それを法律の立場でお手伝いさせていただいているのが弁護士だし、それぞれの領域の方々とかいろんなボランティアの人たちと一年に一回ここで話を聞けるのはすごくうれしい」と話しました。

NPO法人「ぷれいす東京」https://ptokyo.org/

ぷれいす東京の活動報告会