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椿彩奈さんが語る「ゲームと彼氏問題」と「過度なユーザーフレンドリー問題」

ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ

椿彩菜さん完全版トーク後編はこちらから↓↓

■ゲームと恋愛の両立ができない!

「マイゲーム・マイライフ」のゲストは前回に引き続き椿彩奈さん。今回も非常に面白い回でした。面白すぎて、放送後記に載せる内容の取捨選択に悩みに悩み……、その結果、今回の放送後記、めちゃくちゃ長いです。椿さんご出演の2回だけで、放送後記を10回分は書けるんじゃないか、というくらいの取れ高。中身がぎっしり詰まったトークの中でも、厳選して2テーマお届けします。「ゲームをやりすぎて婚期が遅れている問題」と「最近のゲーム、ユーザーの声が大きくなりすぎてないか問題」の2つです。

まずは「椿さんの婚期問題」から。


宇多丸「僕はこれを共有できる、これくらいの熱量でゲームに理解がある人がいいと思いますよ、やっぱり」

椿「どうなんでしょう! ゲームやらない人でも全然いいんですけどね!」

宇多丸「だって、ゲーム時間がこれだけ長いと、そこが一致してないと、会えませんよ、だって!」

椿「……その中で一応、時間は作ります。ただし! 最新作の発売とかぶるときだけはちょっとカンベン願いたい」

宇多丸「あぁ~、これ僕の知人で、モンハンの新作が出るから俺たち別れよう、って」

椿「あ! ある!! 私もある!!!」

宇多丸「あはははは! あるんですか!?」

椿「でも! 努力はしました! ごめんちょっと“仕事”で忙しくて~。※仕事(モンハン)」

宇多丸「仕事とはつまり、モンハン(笑)」

椿「努力はしたんですよ。彼が寝たあとにお布団かぶって中でDSでやるとか(笑)。デートとかしてても、(早く帰ってあの新作やりたいなぁ……)みたいになっちゃいます」

宇多丸「だから、一緒にやれる人なら全然問題ないじゃないですか?」

椿「いや私ね、ゲーマーと付き合ったこともたくさんあるんですよ! でもね、それはそれでよくない側面もある」


宇多丸「ほうほう、それは?」

椿「ええと、私のほうが(ゲームが)上手いことも多々ある。そうすると、怒る男もいる」

宇多丸「ああ~」

椿「たまに接待プレイをしなきゃいけないときもあるし、ゲームのこだわりで喧嘩することもある」

宇多丸「なるほど、好きなもの同士だから逆にね、ぶつかっちゃうのもありますよね」

また、中にはこんな人もいたのだとか。


椿「一日中、彼氏のコンボ練習に付き合って、ひたすら一日私レバーを横に入れて、ガードだけひたすらしてた日とかありましたよ!?」

宇多丸「あっははははは!」

椿「私は一日彼のためにひたすらガードだけをしていたっていう」

宇多丸「どんだけ本気の人なんですか!(笑) だだの武道訓練じゃないですか!」

椿「でもたぶん、彼も嬉しかったんですよ。ゲームに理解のある彼女ができたっていうのが嬉しくて」

そんなこんなでなかなかうまくいかないという椿さんですが、最後にこう一言。

「オンラインゲームでわりと満たされたやっているのも、いいんだか悪いんだか。私のドラクエ10のキャラクターすごくかわいくて。(種族は)エルフちゃんなんですけど、結構通りすがりに『かわいいね』とか言われるんですよ。私オンラインではモテてますけど? みたいな(笑)」

え、待って。私のドラクエ10のキャラクターもエルフで、それはそれは服や髪型にもこだわってかわいらしく作っているのですが、毎日欠かさずログインする中で一度も「かわいいね」なんて言われたことありませんよ!? この差はどういうことなの……。と思ったのですが、私、現実世界でもゲームの世界でも人と関わりたくなさすぎて、ドラクエ10ではいつも人がいない空いているサーバーを使っているんですよね。だからなのかもしません。

■今はユーザーの声が大きくなりすぎている

また、椿さんはゲームの未来に関して、大事なことも言っていました。これは全力で同意してしまいましたので、ぜひとも紹介しておきたいトピックです。

椿「個人的には、プレイヤーの声があんまり大きくなりすぎないでほしいなって思っています」

宇多丸「お、これはどういうことですか?」


椿「最近はプレイヤーの声が大きすぎるなってちょっと思うんですよ」

宇多丸「プレイヤーの声が大きいというのは、反映されすぎる?」

椿「反映されすぎる。もっとメーカーさんは、どっしり自信持ってやってほしいなって思うんです」

宇多丸「ユーザーフレンドリーになりすぎちゃって、こういう要素がウケるというのを研究しすぎちゃって、それこそ昔いろいろなゲームで椿さんが味わったような、『こんなゲームが』あるのか!』という驚きはちょっと減ってるんですよね」

椿「そうですね。そこらへんだったらまだ軽いほうなんですけど、例えばこのシナリオが嫌だから変えろとか、これ全部タダでやらせろとか、そういうのちょっと最近意見がありすぎて」


宇多丸「ああー、単なるワガママみたいなレベルのが」

椿「メーカーさんとかも、もちろん(ユーザーの声を)大事にする気持ちは分かるんですけど、そういうのがちょっと大事にされすぎてて。昔、ゲームセンターでどんなクソゲーでも50円払ったらね、飲み込まれたわけですよ! 買ったゲームはやり続けなきゃいけない!」

宇多丸「昔のゲームは容赦ないですもんね」

椿「そう! 1万いくらで買ったゲームもクソゲーだったことあるじゃないですか!」

宇多丸「あと、死ぬのとかの容赦なさ? 触れただけで死ぬとか普通じゃないですか」

椿「そういう理不尽さとも向き合わなきゃいけない中ね、全部こうタダでやらせろとか。ダメダメ、と。私はどんなゲームでも、最低限の課金くらいはしろよと思うタイプなので、あまりプレイヤーの声が大きくなりすぎず、ほどよい距離感で面白いゲームが出たら、私は嬉しいなと、恩返しできたらなと」

宇多丸「おっしゃることはあらゆる表現物に言えることですよね。ユーザーに対して自動販売機みたいに、押したらこれが出るみたいなことになりすぎてしまうと、どんどんそのジャンルはおかしなことになってっちゃって。音楽もそうですし、番組作りもそうですし。でも、ユーザ-の声も大事。このバランスがね」

椿「難しいんですよねぇ。例えば昔のドラクエ2だって、あれだけ難しかったから人の心に残る。あと、悪役とかも、ものすごく悪い言葉を言ったり、悪行を働いたりしたから、魅力的なシナリオになるじゃないですか。最近だと、この悪役、ワルすぎるからちょっと優しくしろ、とかがあって。なんかそれってもったいないんじゃないかなって」

そう! そうなんですよ! 私が関わる読み物コンテンツ周りでも同じことが起こっているように感じます。ユーザーとの適切な距離感って、やはりメーカーへのハガキだけが意見の出しどころだった昭和~平成初期の時代が、一番よかったのではないでしょうか。手で書くハガキですから、きちんと考えて、どうしても伝えたい意見だけが、作った人の元に届いていたと思うんです、当時は。
みんな、作ったものを叩かれたくありません。傷つきます。作ったものの向こうには、生きていて、感情があり、ものを考える、生身の人間がいますから。ユーザーが喜ぶ声がほしい。怒りの感想は見たくない。そうなると、どんどん「こういうのがウケる」という方向だけに特化していき、実験的だったり、新しい発見があったり、という作品は作られなくなっていきます。なにげなくインターネット上に書くその悪口、それが積もり積もって大きな声となり、コンテンツ業界の未来や可能性を、狭く狭くしていってやしないだろうか、と私は思うのです。それって、ユーザーとして楽しいですか?

ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ

■今回のピックアップ・フレーズ

(その1:ゲーマーとしての義務)
椿「(ゲーム中に)ピンポンとか来るのも、ちょっと宅急便ケアしてないのはプレミ! みたいな」

宇多丸「プレミ?」

椿「プレーミス。それもゲーム下手なうちのひとつ、みたいな。もう、迷惑かけることはすべて事前に切っておく! 電話含め。宅配含め。トイレだけは仕方ない。それ以外はケアしておくのがゲーマーとしてのつとめ。(食事も)ハンバーガーとか(片手で食べやすいもの)をマッチングしている時間内とかに……、あれ? 引いてます?」

宇多丸「いやいや! いや! 大変だなぁって」

(その2:ゲームはいつでもどこでも)
椿「タクシーとか乗っていても、同時進行になっちゃいますね。SwitchとかVitaとかを二台くらいやりながら」

宇多丸「え!? タクシー! 移動中でも同時ですか?」

椿「できちゃうんですよねぇ。できちゃうのがいけない」

宇多丸「すごい。本当、やり手ビジネスマンですよね(笑)」

椿「私これ、仕事に活かしてたらすごい儲けてたんじゃないかなって」

宇多丸「だからデイトレーダー型ですよ! それだけ同時進行できるんだったら」

椿「スマホでデザリングしながらオンラインで繋いで、とか」

宇多丸「これがビジネスに活かせてたらどれだけ巨万の富を築けていたか!」

文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)

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