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放送中

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知らぬ間に広がっていた!梅、桃、桜を食い散らかすカミキリムシの実態

森本毅郎 スタンバイ!

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忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」
(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)
7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。本日5月23日(月)はレポーター阿部真澄がとても怖い『クビアカツヤカミキリ』を取材しました。

阿部真澄

現場にアタックレポーターの阿部真澄

★中国からきた外来種“クビアカツヤカミキリ”って?

気温も上がってきて夏の果物が実をつける時期になりましたが、ある害虫が果樹園などに被害を与えて問題になっています。どんな虫か?日本大学 生物資源科学部 岩田隆太郎さん にお話を伺いました。

岩田隆太郎さん
「このクビアカツヤカミキリは、単刀直入に木をバリバリ食って木にダメージを与えて木を枯らす外来種。主に桜と梅と桃、すももがこの虫にやられるということで非常に問題になっています。この種類に関して重要な点は、クビアカツヤカミキリの場合は同じカミキリムシ、近い種類と比べても異常に持っている卵の数が多い。昆虫は普通100くらいだが、150、200というすごい数。繁殖力が強い。一番初めに発見されたのが3年くらい前だが、2年前の2010年、それよりもっと前からいたかもしれない。」
カミキリ1

↑クビアカツヤカミキリ

カミキリムシの一種で“クビアカツヤカミキリ”といいます。名前のとおり、首の部分が赤く、全体的に光沢=ツヤがある虫です。外来種で中国から入ってきたといわれていて、国内では3年前に愛知県で初めて確認されました。この幼虫が木の中に入り2、3年かけて木を食べて、弱らせたり、枯らしてしまいます。更に成虫になって外に出て行き、別の木で産卵を繰り返し、被害を拡大させるのです。環境省が自治体に注意報を出す事態になっています。

★桃園に大きな被害。徳島県の現状

クビアカツヤカミキリの被害が深刻だというのが徳島県。どんな状況か?徳島県立 農林水産総合技術支援センター 中野昭雄さんにお話を伺いました。

中野昭雄さん
「徳島県では、昨年の7月にクビアカツヤカミキリを発見しました。主には桃で発生を確認しました。桃園のうち30園地のうち17園地で発生を確認し、一番ひどい園では、20数本の桃の木のうち8割に被害。農家は原因が何かわからなくて、悶々とした日々を送っていた。去年、たまたま民家の塀にいた虫を見た住民が「見たことないカミキリムシがいる!」と県に通報したのがきっかけで発見されました。県が環境省からの情報をもとに調査をしたところ、30ある桃園中17の桃園で、桃の木が枯れていて、クビアカツヤカミキリと思われる被害がありました。被害にあった農家では、一昨年から木の調子が悪くなっていたのですが、なぜ木が枯れているのかわからず、手の打ちようがない状態だったそうです。」

★関東にも来ていた!“クビアカツヤカミキリ”

国内で初めて確認された愛知県、被害が大きい徳島県だけではなく、実は関東にも被害をもたらしていました。埼玉県・草加市くらし安全課 古内秀樹さんのお話です。

古内秀樹さん
「平成25年(3年前)の7月に小学校の児童が見つけて、その隣にある葛西用水路の川岸の桜並木2618本調べたうちの103本でクビアカツヤカミキリの発生にともなって花が咲きにくくなっていたり枯れた木があるという被害状況。それより前に別の課で立ち枯れ=寿命など別の要因で枯れたのではないかということで対応はしていたが、カミキリムシのせいで桜が枯れてしまってたということがあとでわかった」

調査をしてみると100本以上の桜の木で被害がありました。ただ、調査の前から小学生の間で「珍しい虫がいる!」と話題になっていたり、ブログで「草加にこんな虫がいました」と写真が掲載されていたということで、市が把握する数年前には上陸していたのではないかと言われています。

★何か対策はあるのか?悩める草加市の取り組みは

これほど広がってくると何か対策をしなければいけないと思いますが、どういう対策をしているのか?を伺いました。

古内秀樹さん
「カミキリムシが住み着いているであろうという木にネットをかけて成虫として出てきたときに捕殺。また枯れてしまった木については20本程度、根元から切った。残念だがそのまま残すと幼虫が成虫になって近隣市などで花見を楽しみにしている人にも被害を与える生き物なので、切らなければ対策にはならないということで伐採しています。」
カミキリ2

↑このネットを木の根元に巻いて捕まえます。

クビアカツヤカミキリが住み着いている木は、木の根元に幼虫が出すフラス(木のくずとカミキリムシの糞がまじった粉)が大量に溜まっているので判別できます。6月から7月にかけて、それを目印に、埼玉県生態保護協会やボランティアが木の根元から1メートルくらいの高さまでを覆うようにネットをかけて、成虫を捕まえて殺すそうです。そして、花をつけなくなってしまった桜の木は伐採して、被害拡大を防ぐということでした。桜の木を切るのは残念ですが、これ以上増やさない為には仕方ないそうです。というのも、このまま行くと大変なことに・・・

★花見ができなくなる!?放置すると大変なことに・・・

日本大学 生物資源科学部 岩田隆太郎さん
「放置すると日本中の桜が枯れてしまって花見という日本の年中行事がなくなるという恐れがある。産卵数が多いですから早くて2、30年、遅いと5、60年で桜の木が日本からなくなると。いよいよこれまで以外の地域でボツボツ出てきて行政の方でも尻に火がついている。音頭とるのはお役所だと思う。」

取材した徳島県、草加市もそうでしたが、自治体が把握するよりも1、2年前からクビアカツヤカミキリは上陸していて、知らない間に被害が拡大し始めているという状況です。関東周辺でも山梨県、長野県などに桃園は多いですし、成虫が出始める6月~7月にかけて自治体が情報を集めて周知する必要があるということでした。

(取材・レポート:阿部真澄)


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