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「ライブドキュメンタリー『Homecoming』公開記念〜ビヨンセを聴けば生活が踊る!」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム

「ライブドキュメンタリー『Homecoming』公開記念〜ビヨンセを聴けば生活が踊る!」

ライブドキュメンタリー『Homecoming』公開記念〜ビヨンセを聴けば生活が踊る!http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190419123558

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

【ジェーン・スー】
『生活は踊る』初の番組本『生活が踊る歌〜TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」音楽コラム傑作選』が好評発売中です! ようやく二刷りが店頭に並び始めたそうですね。

生活が踊る歌 -TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』音楽コラム傑作選-

【高橋芳朗】
一部オンライン書店などで品切れを起こしていたんですけど、本日より増刷分が出回っております!

【ジェーン・スー】
みんな買って! 増刷分もどんどん枯らしちゃって!

【高橋芳朗】
枯らしちゃって!

【ジェーン・スー】
なんとか三刷り行きたいよね。メールも来ております。ラジオネーム「あっと驚くタメゴロー」さん。「ほとんど毎日聴かせていただいております。前から気になっていたんですが、番組でかかっているセンスのいいソウルナンバーはどなたの選曲ですか? スーさんにしてはもう少し年齢の上の方の選曲に思えますが?」と。

【高橋芳朗】
完全にプロファイリングされちゃってますね(笑)。僕です!

【ジェーン・スー】
あっと驚くタメゴローさん、選曲はこの人、高橋芳朗さんでございます。では、今週も音楽コラムよろしくお願いします!

【高橋芳朗】
「スーチェラ」、始めてみましょうか!

【ジェーン・スー】
行くわよ!

【高橋芳朗】
本日のテーマはこちら! 「ライブドキュメンタリー『Homecoming』公開記念〜ビヨンセを聴けば生活が踊る!」。いま欧米のポップミュージックシーンはこの話題で持ちきりです。今週17日、R&BシンガーのビヨンセがNetflixで映画『Homecoming』を公開しました。これは昨年の4月、アメリカの野外音楽フェスティバル「コーチェラ」、いまやアメリカ最大規模のポップカルチャーイベントと言っていいと思いますが、そのコーチェラでヘッドライナーを務めたビヨンセのパフォーマンスと舞台裏を追った長編ドキュメンタリーになります。ビヨンセは1999年から始まったコーチェラの歴史上初の黒人女性ヘッドライナーとしてステージに上がって、総勢100名以上におよぶダンサーやマーチングバンドと共に圧巻のパフォーマンスを繰り広げました。

【ジェーン・スー】
ホント圧巻! この時代、ビヨンセと同時代に生きていて本当に良かった!

【高橋芳朗】
このビヨンセのパフォーマンスを海外メディアは「アメリカ文化のターニングポイント」「歴史的偉業」などと大絶賛。そんな伝説のステージがついに映像化されたということで非常に大きな話題を集めているわけです。このコーチェラのビヨンセがなぜ「アメリカ文化のターニングポイント」だとか「歴史的偉業」だとかと言われているのかというと、基本的に白人の観客が多くを占めるロック主体のフェスティバルコンサートであるコーチェラにおいて、彼女は黒人文化の集大成といえるような緻密で完璧なステージを披露してオーディエンスを圧倒してみせたんです。もう圧倒したというより「ねじ伏せた」という感じでしたけどね。

【ジェーン・スー】
「私たちの文化を持っていくことが大事なんだ」って言っていましたよね。「自分の頭に乗せる花冠よりも大事」って。

【高橋芳朗】
ビヨンセがコーチェラのステージに立つ2ヶ月ほど前にはマーベル初の黒人ヒーローの活躍を描いた映画『ブラックパンサー』が全米公開されてハリウッドの常識を覆す大ヒットを収めていますが、コーチェラのビヨンセはこの『ブラックパンサー』と同等のカルチャーインパクトを与えたと言っていいのではないかと。まさにアメリカのポップカルチャーがアップデートされた数ヶ月だったわけです。

【ジェーン・スー】
うん。本当にそう思いました。

【高橋芳朗】
アメリカではここ数年の人種差別撤廃を求める運動「Black Lives Matter」を経て、黒人文化の素晴らしさを讃える「Black Excellence」という言葉が広まっていますが、映画『ブラックパンサー』とコーチェラのビヨンセはそんな「Black Excellence」の象徴と言っていいでしょうね。では、ビヨンセはこのドキュメンタリー映画に合わせてコーチェラのライブ音源を収録したライブアルバム『Homecoming』をサプライズリリースしているので、まずはそこから一曲紹介しましょう。これはコーチェラのライブの実質的なオープニング曲ですね。2003年のヒット曲「Crazy in Love」です。

M1 Crazy in Love (Homecoming Live) / Beyonce

Crazy In Love (Homecoming Live) [Explicit]

【高橋芳朗】
『Homecoming』が公開された日はスーさんも大興奮でしたね。

【ジェーン・スー】
もう全部の穴から汁が出ました。

【高橋芳朗】
フフフフフ。スーさんはこの映画をどのようにご覧になりましたか?

【ジェーン・スー】
やっぱり私は女じゃないですか。女として生きているとどうしても「女らしくしなきゃ」とか、どこかで遠慮したりとか人からどう思われるかとか、そういうことにすごく影響を受けている自分がいるんです。「かっこ悪いなー」なんて思いながら。だけど女だからといってなにかを我慢したり自信を持てなくなったり、誰かのせいにしたりしなくていいんだって。「自分自身が自分自身であることに誇りを持つ。そのためだったらどんな努力も厭わずにがんばろう」ってビヨンセは一瞬だけでも思わせてくれるんです。実際にそれができるかどうかはまた別の話なんですけどね。なんたってこの人、誰よりも努力しているんですよ。彼女は人の上に立つこと、人の前に出ることに対しての役割を120%背負っていて。「黒人に生まれたこと」と「女に生まれたこと」、このふたつによってなかなか人生の主人公になれない人たちが世の中にたくさんいるなかで、ビヨンセはそんな人々に光を当ててくれるんです。「ああ、自分が自分に生まれてよかった!」って思わせてくれるような文化的背景だったり、歌詞だったり。「嫌なときは嫌だって言っていい。なぜ私たちは尊大な態度をとってはいけないんだ?」というプレゼンスをぜんぶ舞台に持ち上げてくれるから、見ているだけで「ああ、女に生まれてよかった!」って思えてきちゃうぐらいの力があるんですよね。

【高橋芳朗】
ビヨンセはもともとデスティニーズ・チャイルドというR&Bグループメンバーだったんだけど、その20年前からずっと一貫して女性を鼓舞するような曲を歌い続けてきましたからね。

【ジェーン・スー】
ビヨンセのスタイルはすごくスマートで、最初のうちは馴染むことや好かれることをすごく意識していたと思うんですよ。心のなかでは「いつか必ず言ってやる!」という思いがずっとあったと思うんだけど。でも、彼女がいまの地位を築いてからは言いたいことを言いまくってる。「私はフェミニストです!」というところから始まって。もうちょっと手前でそういうことを言っていたら排除されていた可能性があったと思うんですよ。いま私がビヨンセに肩書をつけるとしたら「最も権力の正しい使い方をしている女」。彼女はすごく正しい権力の使い方をしてると思います。

【高橋芳朗】
ビヨンセの夫のラッパーのジェイ・Zはビジネスマンとしても活躍するヒップホップ界のドンといえるような存在なんだけど、ビヨンセは彼と結婚したあとに「Upgrade U」なんて曲を出してるぐらいだもんね。「私があなたをアップグレードさせてあげる」って。

【ジェーン・スー】
決して自尊心を失わないんですよね。なんかいろいろと難しいことを言ってきたけど、単純にビヨンセを見ているだけでものすごいエネルギーとパワーに満たされて元気になれることはまちがいない。特に女性、昨日の相談者さんなんかにもぜひこのライブを見てほしいな。

【高橋芳朗】
このステージを実現させるまでの努力がまたすごいんですよね。ビヨンセ、実は2017年の時点でコーチェラのヘッドライナーのオファーを受けているんですよ。でもそのときは双子の出産を控えていたから断念したという。このコーチェラのステージに至るまでにはそういう経緯があるんです。

【ジェーン・スー】
出産直後、98キロあった体重をすごいスピードで絞っていって。だって「この段階で億いってるな!」って感じのリハーサルを8ヶ月ぐらいやってるんだよね。彼女は誰よりも動いて、痩せたらうれしくなってジェイ・Zに電話で報告したりして。もうとにかくビヨンセの魅力がすべて詰まっていますよね。

【高橋芳朗】
本当に元気もらえるよね。番組スタッフのみんなにも勧めたんですけど、よくビヨンセのことを知らないようなスタッフも感心していました。じゃあスーさん、ここでスーさんおすすめのビヨンセの曲を紹介してもらえますか?

【ジェーン・スー】
ビヨンセに『4』というタイトルのアルバムがあるんですよ。「4」は彼女にとって重要な数字、運のいい数字らしいんだけど、その『4』に収録されている「Love On Top」です。これは「あなたは私の愛を最優先にしてくれた」という歌で、このラブソングをコーチェラの最後にファンに向けて歌うという。ライブバージョンをかけるとネタバレになっちゃうからスタジオバージョンで聴いてもらいましょう。

M2 Love On Top / Beyonce

Love On Top

【高橋芳朗】
わたくし、先日TBSアナウンサーの熊崎風斗くんの結婚パーティーの選曲を手掛けたんですけど、ケーキカットのBGMとしてこの曲を選びました。

【ジェーン・スー】
ああー、いいですね!

【高橋芳朗】
では、最後は再びコーチェラのライブから一曲。これは夫のラッパー、ジェイ・Zをゲストに迎えた2006年のヒット曲です。個人的にはこれがこのライブのベストパフォーマンスになるかな?

M3 Deja Vu feat. Jay-Z (Homecoming Live) / Beyonce

Deja Vu (Homecoming Live)

【高橋芳朗】
かっこいいねー!

【ジェーン・スー】
最高ですね!

【高橋芳朗】
というわけで本日はビヨンセのライブドキュメンタリー『Homecoming』を紹介いたしました。この10連休のあいだにでもぜひ見てほしいですね。

【ジェーン・スー】
頼む! 騙されたと思って見てくれ!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

4/15(月)

(11:04) Woman / John Lennon
(11:25) Arrow Through Me / Wings
(11:36) Love Comes to Everyone / George Harrison
(12:13) Last Train to London / Electric Light Orchestra
(12:23) Second Nature / Utopia
(12:53) じゃじゃ馬娘 / 大貫妙子

4/16(火)

(11:06) Road to Nowhere / Talking Heads
(11:28) Graceland / Paul Simon
(12:14) You and I Part II / Fleetwood Mac
(12:26) The Lazarus Heart / Sting
(12:51) 朝色のため息 / 高橋幸宏

4/17(水)

(11:04) Clean Up Woman / Betty Wright
(11:24) Express Yourself / Charles Wright & The Watts 103rd Street Rhythm Band
(11:36) Groove Me / King Floyd
(12:13) I’ll Take You There / The Staple Singers
(12:24) Mr. Big Stuff / Jean Knight
(12:50) ラヴ・スコール / サンドラ・ホーン

4/18(木)

(11:04) The 59th Street Bridge Song (Feelin’ Groovy) / Simon & Garfunkel
(11:20) You Baby 103rd Street Rhythm Band / The Mama’s and The Papa’s
(11:36) It’s Not Time Now / The Lovin’ Spoonful
(12:13) I Know That You’ll Be There / The Turtles
(12:51) Tomorrow’s Gonna Be Another Day / The Monkees

4/19(金)

(11:07) Shining Star / Earth Wind & Fire
(11:23) Dazz / Brick
(11:36) Free Yourself, Be Yourself / Brothers Johnson
(12:12) Girl, I Think the World About You / Commodores