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国会議員は信頼できる職業か

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月尾嘉男

今日5月12日(木)は「国会議員は信頼できる職業か?」
就職活動の日程が毎年変わり、今年はエントリーが5月一杯となり、いよいよ6月から試験や面接が始まります。すでにどのような職業に就職するか決めている方が大半かと思いますが、これからという方のために興味深い調査結果をご紹介したいと思います。

どの職業がどの程度信頼できるか

一般社団法人の中央調査社が2015年9月に実施した「議員、官僚、大企業、警察などの信頼感」という調査の結果が最近発表されました。20歳以上の男女1200人に個別面接をして聞き取り調査をしたものですが、「国会議員」「官僚」「裁判官」「マスコミ報道機関」「大企業」「銀行」「医療機関」「警察」「自衛隊」「教師」という10の職業分野について、人々が、どの程度、信頼できると考えているかを調べた結果です。1点から5点で評価をしてもらい、平均点を出しています。

信頼感が高い方から、1位は自衛隊(3.6)、2位が医療関係(3.5)、3位が銀行(3.4)と続きます。

一方、信頼感が低い方では、8位がマスコミ・報道機関(2.7)、9位が官僚(2.5)、最下位(10位)は国会議員(2.4)です(想像どおりでしょうか?)

 

「信頼できない」マスコミ、官僚、国会議員

「信頼できる」と「大変信頼できる」を合計した比率は、自衛隊は56.1%、医療機関は53.4%、銀行が44.7%である一方、マスコミ報道機関は14.4%、官僚は12.2%、国会議員に至っては8.5%で大差です。その反対に「信頼できない」と「ほとんど信頼できない」を合計した比率は、マスコミ・報道機関が37.6%、官僚は43.3%、国会議員は48.8%で、調査対象の人のほぼ半分が国会議員を信頼できないと思っているという結果です。

 

国会議員に信頼回復望む! 7割近く

もう一つ「信頼されるように努力してほしい」という調査項目があり、これは国会議員への注文が圧倒的に多く66.1%。2番目以下は一気に下がり、官僚が7.3%、警察が6.3%、マスコミ報道機関が5.7%。国会議員の言動への不信感がいかに大きいかを示しています。

過去16年間で8回実施された調査結果の経過を調べてみると、国会議員への信頼回復の要望は2000年の45%からほぼ増大一方で、66%まで到達してしまったという結果です。自分たちで選んだ国会議員を信頼できないというのも残念なことですが、頻繁に発覚する国会議員にからむ問題を考えれば当然という結果です。

 

政治家への無関心が広がる

このような結果が「残念」であること以上に問題なのは、地域や国のために努力したいと考える若い人々が国会議員や地方議員に関心を示さないことだと思います。実際、いくつかの職業についての希望の調査結果を調べてみると、それを明確に反映しています。まず「13歳のハローワーク」というインターネットサイトに、この4月の1ヵ月間にアクセスしてきた人数の統計によると、医療関係は「2位(臨床心理士)、13位(医療秘書)、15位(医師)、16位(看護師)」など上位に登場しますし、教育関係も「24位(小学校教師)、33位(中学校・高校教師)」に登場していますが、政治関係は100位までに出てきません。

第一生命保険が3歳から小学校6年生までの児童1100人について、1989年から毎年行なっている「大人になったらなりたいもの」という調査の去年の結果では、男子が「3位に警察官、6位に医者、8位に学者や博士」が入っていて、女子では「3位に看護師、4位に医者、5位に教師」が入っています。これらの職業は1998年の初回の調査から、順位は上下するものの、10位以内に不動の地位を占めています。

これは選挙権のない子供には政治家という職業が想像できないという理由があるかも知れませんが、明治以来、あこがれの職業は「末は博士か大臣か」でした。1963年には、作家になった菊池寛と友人で政治家になった綾部健太郎を主人公にした「末は博士か大臣か」という映画まで制作されていますから、少なくとも昭和30年代までは研究者も政治家も若者が目指すべき職業であったことが分かりますが、現在では、研究者への関心は高いのですが、政治家は職業としては関心をもたれない状態になっています。

 

なぜ政治家への関心が薄れたか・・

それは政治家が悪役として登場するドラマが多いことや、一部の政治家の不祥事がマスメディアで大きく取り上げられることなどの背景があると思いますが、やはり政党にとって多数を確保することが重要な目標になっているため、識見のある人よりも芸能人やスポーツ選手など知名度のある人を候補者としてきた戦略の問題だと思います。

制度が違うので、単純に比較はできませんが、アメリカでは日本の大臣に相当する長官の指名には何日間も公聴会が開かれて、徹底して資質を糾すのに対し、日本では総理大臣が任命するだけで、国民には開かれていません。これは一例ですが、政治家の言動を開かれた状態にすることが、優秀な人材が政治に向う状況を創り出すのに必要だと思います。


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