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高齢者と障がい者の交流が生まれる、大泉学園のシェアハウス▼人権TODAY(2019年1月26日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…『高齢者と障がい者の交流が生まれる、大泉学園のシェアハウス』

障がい者が働く作業所が併設されたシェアハウス

2018年5月、練馬区の大泉学園に誕生したシェアハウス「ウイズタイムハウス」。なかなか画期的なシェアハウスなのですが、早速どんな建物なのか。一般社団法人ウイズタイムハウスの代表理事・加藤木桜子さんに聞きました。

「ウイズタイムハウス」代表理事・加藤木桜子さん
高齢の方や、障害のある方や、ご家族で障害のある方と親御さんだとか、ちょっと福祉的なサポートが必要な人を想定して作ったシェアハウスなんですが、1階の部屋を、他の法人に貸してまして、そこで地域に暮らしてる障害のある方が通ってきて働く「就労継続支援B型」という作業所をやっています。

建物は2階建てで、8世帯分の部屋があり、お風呂、トイレ、台所は共用。そして1階部分に、障がいのある方が働く作業所が併設されています。

作業所「ウイズタイム」

「ウイズタイムハウス」誕生のきっかけは、東日本大震災による原発事故で、福島県の楢葉町から都内の公営住宅に避難した80代のご両親をもつ、兼俊亮(あきら)さんからの相談です。2018年3月をもってご両親に対する住宅支援が打ち切られ、退去しなければならなくなり、兼俊さんは、介護を必要としている高齢のご両親を見守りながら住める場所がないかと、社会福祉士の加藤木さんに相談したところ、「ご両親をシェアハウスに住まわせて、亮さんには障がい者のための作業所をやってみないか」という提案を受けました。兼俊さんは作業所の代表として障がいのある方達の仕事をみながら、ほぼ毎日、ご両親の様子も見られるので安心しているということです。

作業所で働く障がい者や、住民同士の助け合い

そして、ご両親を見守るのは、息子の亮さんだけでありません。兼俊さんのお母様、84歳の兼俊ヨシ子さんのお話です。

「ウイズタイムハウス」の住民・兼俊ヨシ子さん
障がい者が「ヨシ子さんお昼持ってきました」と言ってここへ持ってきて、わたしの分も作って安く食べさせてもらうもんだから、助かってます。(シェアハウスの住民は)今はお部屋にもう1人しかいないけど、一緒にご飯食べたり、ちょっと私が困ったことあったら手伝ってもらったり。電子レンジも向こうからこっちへ持ってくるのはね、重たかったの。そっち半分持ってって言ってね。若いから一人でぐっと、置いてくれて。そういうことがいいとこかな

まず、作業所で働く障がい者の方達はウイズタイムハウスのお風呂やトイレなど共有スペースの掃除、それからお昼ご飯を作ってそれぞれのお部屋に届けるということを仕事の一環として行っているので、それが見守りの役割を果たしています。

共用のお風呂。ゆったりした作りになっています。

またシェアハウスの住民同士で月に1度は一緒にご飯を食べるなど交流も多いので、顔見知りになって、困ったときに助けを求められる関係性が出来ているということなんです。

障がい者と高齢者のコミュニケーションが生まれる

一方、障がいのある方達にとっても、この「ウイズタイムハウス」で働くことで良い効果が生まれているようです。作業所「ウイズタイム」の代表、兼俊亮さんのお話です。

作業所「ウイズタイム」代表・兼俊亮さん
本当に利用者さんはいろんな方がいて、なかなか他人とのコミュニケーションが難しい方もいらっしゃったりするんですけど、私たち職員に対する態度よりも礼儀正しく「お待ちどうさまでした。ゆっくり召し上がってください」みたいなことまで言ってくれるというか。私たちの前ではちょっと見れなかったような、丁寧な態度みたいなものも、見れてよかったなぁと思います。

作業所では精神の障害のある方などが働いていて、私もお会いしたのですが皆さんとてもやさしく受け入れてくれました。作業所の人気商品、チョコレートのカカオの殻向き作業を教えてくれたり。また、伺った日は作業所がカフェ営業を行っていて、メニューについて丁寧に教えてくれました。
普段シェアハウスでいろんな人と交流しているので、初対面の人に対する接客にも慣れているのかなと感じました。

高齢者は高齢者、障がい者は障がい者ではなく…

高齢者も障がい者も一緒に過ごせる「ウイズタイムハウス」。改めて、そのメリットについて「ウイズタイムハウス」事務局の加藤木貢児さんに聞きました。

「ウイズタイムハウス」事務局・加藤木貢児さん
高齢者は高齢者、障がい者は障がい者だけで暮らしてると、どうしても支援する側と支援される側というような感じで分かれてしまうんですけど、それが、例えば高齢の方と障害がある方が一緒に住んでると、私でも何かできることがあるんじゃないかな、という風に自然と感じて頂いて、お互いに少しお世話するとか、そういう気持ちが自然に生まれるんじゃないかなという風にすごい感じられる所があるので、それはメリットかなと思っています。

 「ウイズタイムハウス」では、ご高齢の住民の方も、おやつの干し柿や、お雑煮の作り方を教えるなど、いろんな役割を与えられています。ただ支援されるだけではなく、それぞれができる範囲で助けあう。それが、多様な人が交流できるシェアハウスのいいところだと感じました。

(担当:中村友美)