お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


老後はやりがいも生きがいもいらない!? / デビット・ゾペティさん×久米宏

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
5月7日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」は日本語で文章を書くスイス人小説家、デビット・ゾペティさんをお迎えしました。

デビット・ゾペティさん

母はアメリカ人、父はイタリア系スイス人でドイツ語圏の出身、そしてご自身はスイスのフランス語圏で生まれ育ったので、物心ついた頃からフランス語、英語、ドイツ語、イタリア語の4ヵ国語を話していたそうです。そして高校3年の時にジュネーブの古本屋で『独学で日本語を学ぶ』という本を偶然見つけたのが運命の出会い。その本で独学を始めてすっかり日本語が面白くなり、ジュネーブ大学の日本語学科に進学。ところが授業に満足がいかず、中退して、ついにひとりではるか日本へ。一年間の受験勉強の甲斐あって1988年、同志社大学国文学科に編入。谷崎潤一郎、芥川龍之介、川端康成、泉鏡花、堀辰雄、永井荷風など日本の近現代文学をむさぼるように読んでいるうちに、いつか自分も日本語で小説を書いてみたいと思うようになったそうです。

スタジオ風景

同志社大学卒業後は、テレビ朝日に初の外国人社員として入社。1993年から「ニュースステーション」を担当。特集枠の記者として出演もして、久米さんと5年間、共演しました。一方その間、数年かけて日本語で書いた小説『いちげんさん』が1996年のすばる文学賞を受賞。翌年、芥川賞の候補にもなって一躍注目され、1998年にテレビ朝日を退職しました。

今月出版の『旅立ちの季節』は、定年を迎えた64歳の元海上保安庁・男やもめの主人公の「終活」がテーマ。まだ54歳のゾペティさんですが、いつ小説が書けなくなるかもしれないという不安を覚えたのが、人生のエンディングをどう迎えるかその準備を考える動機になったと言います。そして、日本人は几帳面で計画的なのに自分の老後のことは意外と考えていない人が多いと感じたことが、もう一つの動機。

久米さんは「計画的に、生きがいを持って生きるのもいいけれど、実は毎日生きるだけでも大変なことなんだから、そんなに生きがいとかやりがいを考えなくてもいいのでは?」。それに対してゾペティさんは「それは久米さんが今、生きがいをもって輝ける場を持っているからだと思います」。みなさんはどんなふうにお思いになったでしょうか。

実は久米さんとゾペティさんがこんなふうに会って話をするのは、ゾペティさんがテレビ朝日を退職して以来なんだそうです。当時ゾペティさんは、もうこれで久米さんに会えることはないだろうと思ったそうです。独立して作家活動に専念したんですが、作品が途中でまとまらなかったり、書き上げても出版社に認めてもらえなかったり、そこからの道は決して平坦ではなかったそうです。そのまま本当に会えずじまいでもおかしくない状況ですが、以前番組に来ていただいた(2015年6月27日)政治学者・岡田憲治さんから「昔、久米さんと一緒に出ていたゾペティさんが今、東京で足もみのリフレクソロジーの治療院を開いていますよ」という話をお聞きしたことがきっかけで、18年ぶりの再会となりました。ゾペティさん、本当に感激していました。

1996年と2016年の直筆サイン

スタジオには久米さんが自宅から持ってきた『いちげんさん』の単行本。そこにはすばる文学賞を受賞した20年前のゾペティさんのサインが。放送後、その横に20年後のサインと感謝の言葉が書き加えられました。

デビット・ゾペティさんのご感想

デビット・ゾペティさん

とにかく久米さんと18年ぶりにお会いできてすごく感動して、すごく楽しく会話ができて、とても嬉しい気持ちです。

「ニュースステーション」に出ていた頃はいつも緊張して、しゃべる時間も数分しかありませんでしたけど、今日は30分もお話しさせていただいて、本当にありがとうございました。

ゾペティさんからのお土産
ゾペティさんからのお土産