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猛暑には梅を召し上がれ! タカラジェンヌから元祖「カリカリ梅」の6代目社長に 遠山昌子さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
7月28日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」ではカリカリ梅の元祖、「赤城フーズ株式会社」(群馬県前橋市)の6代目社長・遠山昌子さんをお迎えしました。

様々なカリカリ梅

今ではコンビニや駅の売店などでよくみるカリカリ梅を日本で最初に商品化したのがこの赤城フーズなんです。記録的な暑さが続いている今年はカリカリ梅がとても売れているそうです。遠山さんをご紹介する前にまずはこの会社の歴史から―。

工場の前には大きな漬け樽

赤城フーズは1893年(明治26年)、前橋で漬物・佃煮・煮豆の製造小売店「小田原屋」として創業。群馬ではいちばん古い漬物店だそうです(当時は漬物は各家庭で作るものであって、買うものではなかったのです)。1935年(昭和10年)に「赤城漬(あかぎづけ)」という名の福神漬を発売したところ大ヒット。お客さんには会社名より「赤城漬さん」という愛称のほうがよく知られるようになり、創業70年(1963年)を機に「赤城漬物工業株式会社」に改称。さらに創業100周年(1993年)に「赤城フーズ」と変更し現在に至ります。かつては漬物が中心でしたが、今は梅の加工品がメイン。そうなるきっかけが、遠山さんの祖父で4代目社長の松永秀雄さんが開発したカリカリ梅でした。その誕生は偶然の発見からでした。

元祖カリカリ梅

1969年、群馬では梅が大不作。梅の液漬け(天日干しせずに液漬けにしたやわらかい梅製品)を作っていた会社はどこも大変な危機に直面しました。遠山さんの祖父・秀雄さんは群馬県と近隣県の農家に足を運んで、自家用に作っていた液漬け梅をかき集め、なんとか窮地を脱しました。その調達した梅の中に硬いままのものが3樽あり、これでは商品にならないということで1年間倉庫で寝かせてやわらかくなるのを待つことにしました。ところが翌年の春になってもまだ硬いままだったのです。これを見逃さなかったのが4代目。「昔よく食べた塩漬けしたばかりの半漬けの梅に似ている。これを商品にしたら面白い」ということで、商品化への取り組みが始まりました。その硬い梅を提供してくれた長野の農家のおばさんを探し当てて聞いたところ、稲わらを燃やした灰を水に溶いてアク水を作り、そこにもぎ取ったばかりの梅をいったん浸して1週間ほど置いてから液漬けにしていたのです。アク水のカルシウムと梅のペクチンが化学反応して果肉を硬いままに保つことを突き止め、1971年、ついに日本で最初にカリカリ梅を工業的に生産することに成功。大量に集めた中でたまたま3樽の梅だけが硬いままだった偶然と、それを見逃さなかった4代目のひらめきによって、大ヒット商品が誕生したのです。

そしてこの大ヒットをきっかけに、前橋市ではほかの梅加工会社も5月から6月にかけてカリカリ梅が製造するようになったそうです。ちなみに当時作られたカリカリ梅の試作第1号は、今でも遠山さんの父で5代目社長の恒夫さんの自宅の神棚に飾られていて、30年以上経ってもカリカリとした感触を保っているそうです!

遠山昌子さん

さてここから今回のゲスト、遠山昌子さんのお話。遠山さんはカリカリ梅の誕生から8年後の1979年生まれ。今年(2018年)2月、父の跡を継いで6代目の社長に就任しました。小さい頃は宝塚歌劇団に憧れ、宝塚音楽学校を受験すること4回。落ちても落ちても持ち前の根性で努力を重ね、高校時代は前橋から東京まで毎日往復5時間かけてレッスンに通い、受験資格のラストチャンスとなった18歳のときに24倍の難関を突破して合格。2000年に宝塚に入団。宙組(そらぐみ)の男役で「遥海(はるみ)おおら」という芸名でした。決して器用なタイプではなく、音楽学校時代最期の試験では同期43人中、32番という成績でしたが、歌劇団に入ってからは休日返上で猛レッスンを続け、徐々に役が付くようになっていきました。

スタジオ風景

舞台で活躍するようになった遠山さんは、宝塚で長いキャリアを積んで将来は組長になりたいと考えるようになりました。ところがそんなとき、カリカリ梅を開発した祖父の持病が悪化。祖父は跡取りを心配していました。会社では父が孤軍奮闘。当初、6代目を継ぐと言っていた遠山さんの2人の兄は家業とは別の道に進み、おとなしい性格の妹は経営者になるタイプではありません。迷った末、2005年、25歳で宝塚を退団。父を助け、将来は跡を継ぐ決意で赤城フーズに入社しました。

タカラジェンヌから突然、転身して群馬に戻ってきた〝6代目見習い〟に対し、会社の人たちは冷ややかだったそうです。でも努力と根性は筋金入りの遠山さんは、知識も経験もなかったので通信制の大学で経営学を学びました。結婚と出産・子育ても重なって大変でしたが、その姿を見た従業員たちから認められるようになりました。宝塚の先輩や仲間たちも応援してくれて、なんと退団後からずっと宝塚の大劇場の売店にカリカリ梅を置いてくれているそうです。

カリカリ梅を試食中

遠山さんは新商品の開発に力を入れ、2009年には熱中症対策に塩分を高めにした「熱中カリカリ梅」を作って大ヒット。「夏場には梅がいい」という新定番を作ることに成功しました。誕生から40年近くが過ぎて商品としては成熟しきったカリカリ梅に、新たな波を起こしたのです。2015年にはご自身の経歴を存分に生かした新商品「梅ジェンヌ」も発売。そして宙組創設20周年を迎えた今年(2018年)から、東京宝塚劇場でもカリカリ梅が置かれています。ほかの梅加工会社も夏場に新商品を続々と投入するようになり、業界も活気づいてきました。

カリカリ梅を試食中

遠山さんがいま声を大にして言いたいのは「群馬の梅をもっと知ってほしい!」ということ。実は群馬県は、和歌山に次いで全国2位の梅の産地。だから梅の加工業者も多いのです。でも群馬と聞いて梅を思い浮かべる人は、あまりいないのが現状。群馬でもその事実を知らない人は結構多いそうです。そこで遠山さんは、群馬県内の同業者と手を組んで、群馬の梅ブランドを向上させようと頑張っています。創業125年の老舗を背負った若き6代目・遠山さんは、これまで先祖代々受けてきた大きな恩に感謝しながら、これからさらに50年先、100年先の人たちへ「恩送り」したいと語っていました。

遠山昌子さんのご感想

遠山昌子さん

初めは生放送ということで大変、緊張しました。宝塚時代も生の舞台を経験していますけど、あちらは1ヵ月間みっちり稽古をしてから舞台に上がりますから。今日のようにいきなり生放送というのはなかなかないですからね。でも久米さんと堀井さんの話を引き出す話術のおかげで、とても楽しかったです。

堀井さんにはカリカリ梅をとてもいい音で召し上がっていただきましたし、久米さんには群馬の梅の認知度もぐっと上がったとおっしゃっていただいたので、よかったと思います。ありがとうございました。

「今週のスポットライト」ゲスト:遠山昌子さん(「赤城フーズ」6代目社長・元タカラジェンヌ)を聴く

次回のゲストは、参議院議員・山本太郎さん

8月4日、スペシャルウィークの「今週のスポットライト」には、参議院議員の山本太郎さん(自由党・共同代表)をお迎えします。国会では「カジノ法案」の採決を急ぐ政権に対して、西日本豪雨の災害対応を優先するよう訴えた山本さんの発言が注目を集めました。「安倍一強」といわれるなかで野党としてどのように対峙してきたのか、たっぷりお聞きします。

2018年8月4日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180804140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)