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東京喰種にも影響を与えた「幽☆遊☆白書」が起こした革命

TALK ABOUT

 

「幽遊白書だけは、北海道の実家から持ってきて、今の家の本棚にも並んでるくらい好きです」

幽遊白書の話ができるというので、少々気合いが入り過ぎている工藤さん。思わず筆も進んで(iPadの)・・・

 

 

1990年~1994年に連載されていた冨樫義博さんの漫画。生まれる前だ!という方も、工藤くんの熱を、是非感じていただきたい。

 

工藤:幽遊白書。全19巻なんですよ!少なくないですか?1990~1994年。たった4年の連載だけど、「ドラゴンボール」や「ONE PIECE」と遜色ない人気を誇ってるのは、ちょっと、レベルが違う気がするんです、僕はね。

工藤:東京喰種の石田スイ先生も、冨樫さんにすごく大きな影響を受けているということで。スピンオフみたいな感じで、ヒソカっていうHUNTER×HUNTERのキャラクターの過去を描いていたり、つながりがあります。東京喰種がすごく好きだなっていう方は、冨樫さんの作品は絶対好きだと思います!

 

 

工藤:主人公は中学2年生。ヤンキーですね。浦飯幽助(うらめしゆうすけ)というんですが、ボールを追って車にひかれそうになっていた子供を守るために交通事故にあって死んじゃうんです。1巻の2コマ目。始まってすぐ、主人公が2コマ目で死ぬって。

ただ、ヤンキーが子供を助けるなんて「予定外の死」だったということで、生き返るチャンスをもらうんです。で、幽霊になった幽助が、他の幽霊を助けたり、人助けをしたりして、徳を集めていくような感じで進んでいく。バトルっぽくなってくるのは5巻以降。

最終的にはバトルがメインになってくる。ただ、バトルといっても、ただのバトルじゃないんです。今でこそ普通になったけど、当時どれだけ革命的だったかを話していきたいと思います。

◆女性ファンを虜にした2大キャラクター

工藤:男の子はみんなジャンプが好きですけど、幽遊白書から女の子のファンも増えましたよね。何で増えたかというと、めちゃくちゃ魅力的でカッコいいキャラクターがいたんです。蔵馬(くらま)と飛影(ひえい)。どちらも妖怪なんですけど、見た目は人間。蔵馬は女性的で中性的な見た目で植物を武器にする文化系な感じ。頭もよくて、理詰めで勝つタイプのキャラクター。僕は蔵馬が一番好きです。

飛影っていうのは、背が小さくて黒髪で不愛想。ツンデレの基礎と言ってもいいです。厳しいこと言ってるんだけど本当は優しい。

 

(蔵馬、飛影、幽助、桑原)

工藤:HUNTER×HUNTERを知ってる方に言いたいんですけど、幽遊白書とHUNTER×HUNTER。例えば、蔵馬はクラピカの位置。飛影はキルアです。桑原(くわばら)がレオリオ。幽助がゴン。この主人公4人というテーマ性。性格も全員違って、武器も違って、それぞれに魅力があって選べる。みんなただ強いだけじゃない。

 

工藤:あとは、必殺技の名前がやたら難しいっていう、中二病みたいな感じなんですけど、「邪王炎殺黒龍波」って漢字だらけだったり。ちなみに僕が一番好きなのは、死々若丸の「爆吐髑触葬(ばくとどくしょくそう)」。必殺技も独特な感じでね。幽遊白書とジョジョは、普通のバトル漫画からは逸脱した感じがあると思います。

◆新しいバトル漫画のパイオニア。力勝負からの脱却

工藤:90年代はバトル漫画だらけ。強さのインフレが起きるんです。ボスを倒すと、さらに強いヤツが出てくる。そのためにまた強くなる。そうじゃない方向のバトル漫画。例えば、戸愚呂というキャラクターがいて、戸愚呂は力勝負だったんですけど、その勝負が終わった後に次の展開で、全く暴力の通用しない相手が現れます。

タブーといって、言ってはいけない言葉を設定して、それを口にしたら、魂が奪われる。暴力は、そのテリトリー内では使えない設定。例えば「あつい」と言っちゃいけない設定。飛影は「あついって言ったから何なんだよ」みたいな。それですぐに魂を奪われちゃって、即死!桑原も、飲み物で「あー、ついでに氷も入れといてくれ」って。「あー、つい」もダメ。すごく頭脳を使う戦いで、蔵馬が唯一理詰めで勝つ。それを見てて、すごいなと思ってたんです。

◆敵=悪の概念を変えた。

工藤:勧善懲悪じゃない。東京喰種もそうだけど、主人公に相対する敵が悪い奴ではないという構図。例えば、仙水という敵が登場するんですけど、もともとは幽助と同じく、妖怪とか悪い奴を倒す職業だったんだけど、ある時に、逆に人間が、妖怪に悪いことをしたり、痛めつけたりするシーンを見てしまって、「人間が悪」という考えになっちゃったわけです。

どっちもの見方があるから、簡単に測れない。それが、全キャラクターに描かれているのがポイントな気がします。

戦う目的も、みんなちゃんとある。戸愚呂も、結構残酷なこと言ってるんだけど、本当は自分を倒してくれるヤツを待ってたみたいな、裏テーマみたいなものがあって、敵に感情移入できるんです。それもなかなか珍しいタイプの漫画!

 

工藤:あとは、セリフ。

1つ1つが、重みのあるやつが多い。すごく影響を受けたヒトコトは、蔵馬が言った「切り札は先に見せるな。見せるなら、さらに奥の手を持て」という。シーンも相まってめちゃくちゃかっこいいんです。HUNTER×HUNTERでも同じようなセリフを言ってるんですけど。

樹っていう仙水の相方みたいなヤツが言っていたセリフで衝撃を受けたのは、仙水を倒したあとの樹のセリフ「俺たちは飽きたんだ。お前らはまた別の敵を見つけて戦い続けるがいい」。これ、どういうことかというと、強さのインフレを暗に否定しているわけです。読者からすると、また次に強い敵が現れて倒しに行くのを求めているっていうのを、敵側がブチ折ってるんです。っていうのは、あ、もうそういうスタンスじゃなくなってきたんだなって、当時思ったんです。

あとはね、もう1つ、戸愚呂・弟のセリフ「お前、もしかしてまだ自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね」。これ意味があって、主人公は死なないと思いません?普通、漫画見てたら。幽助は主人公だから、敵に負けるはずがない、っていう認識で漫画を読んでたら、戸愚呂がこう言うわけです。あれ?もしかして、主人公負けちゃうのかな?って感覚になる。そういう風に、読者の心情を汲み取った上でのパンチラインがすごい多かったんです。

 

一番好きだったというエンディングテーマ「♪さよならbyebye/馬渡松子」を流しながらスタッフと談笑。

 

工藤:え?まだしゃべろうと思ったらスタッフに「もうそろそろ締めてくれ」って言われたので、終わろうと思います(笑)。今年はアニメ化25周年記念ということで、7月にブルーレイ出るそうなので、みなさん見てみて下さい!

 

カルチャーコーナーも、毎回熱がこもっています!次回もお楽しみに。