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「滑らせ」て介護の腰痛予防を

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・介護の現場で役に立つ「滑らせる移乗・移動の技術」について取材しました。

 

介護の現場に共通する悩みとは・・・?

 

介護をする人にとって、腰痛は悩みのタネ。一説では7割以上の方が腰痛持ち。
仕事を離れるきっかけにもなっているといいます。

 

今回紹介するのは「すべらせて動く移動・移乗介護」の技術。

介護を受ける相手をベッドから車いすに移すときなどに、持ち上げるのではなく、横に滑らせて動かす技術です。上下に動かすのは重力に逆らう力が必要ですが、前後左右に滑らせるのなら、摩擦を減らせばラクになる・・・というものです。介護はする側もされる側も負担が大きいため、少しでも軽減して時短にもなると一部で評判になっているそうです。

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今月都内で開かれた「すべらせて動く移動・移乗介護技術」の講習会は一般財団法人 医療経済研究・社会保健福祉協会によるもので、介護福祉士としての経験豊富な纐纈恵美子さんが講師をつとめました。

纐纈さん

介護の現場は腰痛に悩む人が多い。力の強い男性は抱えられるがそれはダメ。相手は人で、モノではないのでアセスメント(同意)や安全管理も含めて、より効果的な技術が必要。自分の力だけでなく、相手の力や体重移動を上手に利用することが重要です。介護はお互いがストレスですからね。

「滑らせる」介護を体験!

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講習会ではまず、ベッドに寝ている左半身まひの方を車いすに滑らせて乗せる方法を練習しました。

具体的にはベッドの背もたれを起こして、背中とベッドの間に枕を入れてクッションにし、左足を右足の上に組ませて、お尻を軸に時計回りに90度回転。相手がベッドの縁に座った状態になったら、今度はその姿勢のままお尻を横に「滑らせて」手すりを外した車いすに座らせる、というもの。2人1組で練習しました。

纐纈さん

持ち上げないで押す!メスだけど押す(笑)。みなさん持ち上げる癖があるけど、自分の体重とともに上手く押せば相手は移動してくれる。マットや道具は人と違って「痛い」って言わないからどんどん利用しましょう。

「滑らせる」ための道具とは?

鳥山:この滑らせる方法には、道具を使います。シャカシャカした素材のスライディングシートと、折りたたみ式の「まないた」のようなスライディングボード。講習会ではモリトー社製の製品を使いましたが、各社から販売されています。

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このシートやボードをお尻の下に敷いてベッドの上を滑らせる

株式会社モリトー:内田龍児さん
以前から介護の現場ではゴミ袋を使って滑らせることはあったが印象が悪く専用の道具が普及し始めている。モリトーでは2005年から発売しており、最新型は更に滑りや耐久性をよくしています。

介護用品の先進国、デンマークなど北欧やアメリカ、カナダではベッドから動かすときに「リフト」を多く使います。ただ日本は部屋が狭いことや、「介護は人の手でやるもの」という意識が強く、現場に負担がかかっているのが実情だそうです。

受講者の声
全然、力が要らなくて楽。コツさえ覚えれば実用的です。「ひゅっ」という感じ。時短にもなって楽ですね。最初は半信半疑なところはあったが、やってみるとうまくできた。だいぶ楽に介護できるなと感じました。

この日は、利用者のもとへ訪れる訪問介護や、高齢者施設などで働く介護従事者12名が参加(男性2名、女性10名)。

「滑らせる」技術の普及を

纐纈さん

自分の体をどううまく使うかが大事。それと支持面積は広く。格闘技と同じですよね。相手は人ですから。介護の現場の人が技術を覚えて家族に教えて普及すれば、そんなに外のサービスに頼らなくても自分でできるかもしれない。この技術をずっと教えていきたいですね。ただ、慣れないと滑りすぎるので注意が必要です。

(担当:鳥山 穣)