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アルビノの話をしよう▼人権TODAY(2018年4月21日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8時15分頃から放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…2018年4月21日放送「アルビノの話をしよう」

担当:崎山敏也

去年、「アルビノの話をしよう」という一冊の本が出版されました。「アルビノ」とは全身のメラニン色素が生まれつき、全く、または不十分にしか作れない体質を持つ人です。生まれつき皮膚や髪、瞳の色が薄いので、紫外線の影響を受けて日焼けが普通より強く赤く焼けてしまったりします。また、弱視、ものが見えにくかったり、光をまぶしがったりします。また外見上のこととして、髪や皮膚が白いことに対する偏見、差別がまだまだあるということです。そして、当事者、家族も含め、一般にアルビノについて、どんな困難があり、支援が必要なのか、十分情報が行き渡っていない状況なのです。

崎山記者が「アルビノの話をしよう」の編著者で、アルビノの当事者、千葉県袖ヶ浦市の石井更幸さんに話を聞きました。石井さんは子供の頃、医者に「目が見えにくいのは一生治らない」と言われ、自暴自棄になって勉強を全然しなかった時期もあったそうです。検査を受けてアルビノとわかったのは20年ほど前、26歳の時です。そのとき、目の見えにくさやまぶしさを、見えやすく補助する道具がいろいろあることも知りました。また、子供の頃から黒く染めていた髪も染めずに、白いままにするようになりました。石井さんは「例えば、小さいときに補助具とかそういうのに出会っていれば、人生というか、学校のほうも、もうちょっとちゃんと勉強のほうに身も入ってたのかなあと言うのももちろんあります。あとは、社会人になってからですが、様々な目の病気になって、それは子供の頃にケアをしてこなかった、全くケアをしてこなかったという情報のなさからですよね」と情報がないことが自分の悩みにつながっていることを説明します。

石井さんは交流会や相談活動を行う中でも、当事者に正しい情報が伝わっていないことは多いと感じています。医師に「皮膚がんになり、早く死んでしまう」と言われて、真っ暗な部屋で過ごす親子の姿を目にしたこともあります。実際には、日本人の平均よりは皮膚がんになる率は少し高いが、肌の白い白人と同じぐらいの率だそうです。また、別の親が、アルビノの子供を通わせる学校に、そこまでの必要はないのに、学校全ての窓を遮光カーテンにするよう必死になって要望したという話も聞いたことがあるそうです。石井さんの妻の英美さんは保育士で、自分の勤めていた保育園にアルビノの子供を受け入れた経験から「日に弱いというだけで外に出さない、ということがあるんです。日焼け止め塗ったらほかの子たちと同じように過ごせるとかそういうことを、小さな頃から少しずつそういうケアをしていくことで、ほかのお友達からも特別視をされない。もともと目立つ存在なので、それだけでも大変なのに、それをわざわざ大人が特別にあつかうことで、さらに特別になってしまうのです」と話します。

特別扱いではなく、合理的配慮、ちょっとしたケアをするだけで日常の生活が遅れるのですが、それがまだまだ知られていないので、この本「アルビノの話をしよう」を石井さんが編著者となって、作りました。アルビノ当事者、子供の当事者の親、医師、教育現場の人の体験談や教育現場での対応の仕方、医学的な解説がわかりやすく書いてあります。それに加えて、様々な相談窓口、当事者団体の連絡先、視力の補助具、紫外線対策など、役立つ情報がいろいろ載っていて、気軽に手に取れる入門書になっています。

当事者だけでなく、広く気軽に手にとってほしいと考えている石井さんは「普通に結婚もできて、子供もいて、家庭もあって、ちょっとしたケアをするだけで、ほぼ普通の人と変わらない生活を送っているというのが現状です。アルビノに対して、そんなに専門家にはならなくてもいいけど、ほんとに、共に生きる、ということに対して、これとこれについては、若干気をつかっていただければ助かるけど、それ以外はみんなと一緒なんですよ、というのを簡単に、ほわっとでもいいからわかっていただけたらいいかなと思って」と話します。

石井さんは「アルビノの話をしよう」の「まえがき」で「私はアルビノ当事者である前に一人の人間としてどう生きるのかが大切だと思っています。アルビノは私の一部であってすべてではありません」と書いています。石井さんは「病気の関係で親が集まりに連れて行ってくれたりしたけど、結局、毎回行くと、毎回同じ人しか会わない、それではいけないなと思って、同じ広島のアルビノの当事者の方々と話して、あと、一般の方も巻き込んで、アート展を尾道でやったりとか。それは、結局、アート展ということで入ってきて、出会った人があれ?この人誰?となって。実は私たちアルビノで、って話をして、仲良くなってご飯食べに行ったりとかね」と話します。

石井さんはいま「鉄道の資料を集める」ことにもはまっていて、地元、千葉県袖ヶ浦市の郷土博物館で今年の8月に「千葉県内の鉄道の歴史の資料」の展示をします。鉄道や地理、歴史、千葉県に興味がある人、袖ヶ浦市郷土博物館に行ってみて、石井さんと楽しく話し、そしてアルビノについても話してみませんか。

「アルビノの話をしよう」(石井更幸編著)解放出版社 1,300円(税別)

石井更幸さんのFacebookのページ(https://www.facebook.com/albinism.shirokuma)