お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


2月25日(日)新宿区中井・落合が染物一色に染まる「染の小道」(にち10おでかけリサーチ)

安住紳一郎の日曜天国

TBSラジオキャスターの久保絵理紗です。

久保絵理紗
TBSラジオキャスター。食べるも嗅ぐもクサいモノが好き。どこでも踊ります。雨女が年々ひどくなっています。

放送を聴いてから出かけても間に合う!
オススメのスポットから生中継している「にち10 おでかけリサーチ」


新宿区中井や、お隣の落合界隈は「染物」が盛んなことをご存知でしたか?
今日は高田馬場駅から西武新宿線で2駅隣の「中井駅」周辺でおこなわれるイベント「染の小道」を紹介しました。中井や落合界隈は、染色工房が集まる染物が盛んな街で、京都や金沢と肩を並べる「染の三大産地」のひとつなんです。

最盛期には、このエリアだけで300軒もの工房があり、京都を凌ぐ生産量を誇りました。工房は今でも70軒以上!詳しいお話を、150年続く染物屋「富田染工芸」社長で伝統工芸士の富田篤さんに伺いました。

▲富田染工芸 代表取締役 で伝統工芸士の富田篤さんと

中井駅前には西武新宿線と並行して「妙正寺川」という神田川の支流が流れています。イベント期間中は、「川のギャラリー」と名付けて、妙正寺川におよそ150枚の色とりどりの反物が、川の流れに沿って飾られます。鯉のぼりのように風に靡いて、川の上にもうひとつ“染物の川”が流れているようで、とても美しい!

▲妙正寺川に飾られる「川のギャラリー」

これは、当時の情景を呼び起こそうと、地元の商店街や学生さんが協力して実現されたものなんだそうです。朝から地元の方が中心となって学生さんたちと反物を設置されている姿をお見かけしました。旗を揚げるのと同じ原理で、紐に通した反物を吊るし上げる作業を300mに渡り、全25スパン。大変な作業です。

▲3日間のイベント期間中、毎晩取り込んで、毎朝設置!設営作業まで繊細です。

当時の情景とは?
富田さんにお聞きすると、「染物は、染料や糊を落とすために大量の水を必要とするので、染物屋は川沿いに集まるんです。そして、反物を川に流して洗っていたので、その情景をモチーフに地元の皆さんが協力してこの風景を蘇らせてくれました。」と懐かしそうにお話くださいました。

元々は、神田や浅草などもっと下流のエリアで盛んだったものが、明治以降、綺麗な水を求めて上流に川を遡り、中井や落合の上流エリアに染色工房や関連企業が集まるようになったそうです。昔も今も、染物屋と川は切り離せない関係なんだと、熱く語ってくださいました。

▲珍しい光景を収めようと山手通りの上からシャッターを狙う人も

この辺りで作られる反物は、江戸小紋、東京染小紋、東京手書き友禅など、いくつかありますが、今日の放送でご紹介した「江戸小紋」は、遠目で見ると一見無地に見えるほど細かい柄で、シンプルでモダンな染物。いい意味で、とても地味です。江戸時代の武士の礼服「裃」にあしらわれるために生まれた技法なんだそうです。

▲「江戸小紋」遠くで見ると一見無地ですが…


▲近くで見ると、何度も何度も型染めされた繊細な柄が。

「染の小道」では、「川のギャラリー」のほかに、「道のギャラリー」もあるんです。イベント期間中、商店街の電気屋さんやクリーニング店、パチンコ屋さんにも暖簾が下げられていて、街が染物一色になります。

作家さんや、美術大学の学生さんの作品が飾られるんですが、お店と作家さんの組み合わせは毎年抽選で決まります。どの作品も、お店の商品や外壁の色に合わせてデザインされていて、暖簾を探しながら街歩きするのがとても楽しくなります。気に入った作品があった場合、ものによっては買い取りも可能です。

▲お寿司屋さんに、ラーメンチェーン店。スーパーの作品は妙に馴染んでいてこれまた素敵。


▲まだまだあります!

また、その中でひときわ地味で目立っているものを先輩が発見…!もしやと思い作品札を覗き込んでみると、やはり「富田染工芸」!富田篤さんの「江戸小紋」でした!マップを開かずに見つけられると通になった気分で嬉しいものです。

▲ひときわ地味で目立っていたのは、やはり富田さんちの「江戸小紋」!

このイベントでは、染物の染色体験もできます。絞り染めや、型染めなど様々な技法を体験することができるなかで、千人染めという気になるものを発見!これは、来場者1000人で染めるというもので、好きな絵柄を選んで型紙で染めるというもの。これを、蒸して糊付けして、完成させるため、「川のギャラリー」でのお披露目は来年までオアズケ。

▲千人染め。完成してお目にかかれるのは、また来年。

これを楽しみに翌年、自分の染めた絵柄を探しに来る方も多いんだとか。今年で10年目の開催になりますが、毎年来てしまうリピーターが続出しているのも合点がいきます。
街なかには、日本人だけでなく海外の方でも着物姿の方が。訪れる度に染物の虜になりそうです。