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流通大手がシニアの御用聞きに参入?その意味は?

森本毅郎 スタンバイ!

高齢化社会を背景に、流通大手のイオンが、シニア向け店舗展開に力を入れています。イオンでは、団塊世代を中心にその世代の人たちを、G.G世代=グランド・ジェネレーション世代と呼んでいるのですが、その世代向けの店舗作りを、2013年に東京・葛西店でスタート。さらに最近でも、新たな店舗に広げていて、注目を集めています。そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日1月10日(水)は、レポーター近堂かおりが『流通大手がシニアの御用聞きに参入?その意味は?』をテーマに取材しました!

★G.Gストアってどんなお店?

まずは、シニア向けの店舗とは、どういうものなのか・・・。イオンリテール株式会社、G.Gストア推進チームマネージャーの澤井哲雄さんにお話を伺いました。

澤井哲雄さん
「グランドゼネレーションのGGストアと呼んでいる所は現状13店舗あるんですけどね、駅前立地の30年とか35年経ったお店。とりあえず2013年葛西店でスタートして、昨年の11月検見川浜がオープンして、そこでは”暮らしのパートナー”というのを始めまして電球交換とか不用品の処分とか、要は高齢の方が、部屋の中の色んな作業で困るところを承って、お宅に伺ってやるというサービスを新たに初めています。現状回りきれないくらい要望をいただいましてね。」

イオンはこれまで、シニア世代を意識したGGストアを13店舗で展開。イオンというと、郊外にある大きなイオンモール、がすぐに思い浮かびますが、そういったファミリー層や若い世代に人気のモールなどとは、少し違った店づくりをしています。たとえば、各店舗で異なりますが、催事場などのスペースで朝のラジオ体操やカルチャスクール、ゆっくりできるカフェなどを設けたり、自治体と連携した健康相談を行ったり、などなど・・・体と心の健康を意識した、店舗展開をしています。

というのも、澤井さんによれば、GG世代は4つの不安がある、と考えられているそうです。

4つの不安とは、『時間消費の不安』『身体の不安』『経済の不安』『孤独・介護の不安』。そうした不安を解決するサービスを展開していこうということなのです。中でも去年11月23日オープンの千葉県の検見川浜店は新しく”暮らしのパートナー”という、いわゆる”御用聞きサービス”を始めたところ、これが大変好評で当面予約はいっぱい。回りきれないほどの要望が集まっている、というのです。

★家の中の困りごと、ありますか?

そんなにいっぱいニーズがあるのか!?と思い、私たちも街でシニア世代に聞いてみたところ、続々と出てきました。

●「やっぱり高いところのものはだめですよね。正月に使うためのもので、まだ自分で下せましたけど、上げるのは息子に頼みました。怖いです脚立がね。力仕事がだめ。みんな集まるのに2階からテーブルを降ろすとかも、息子呼んでやってもらいましたね。」
●「なんでも自分でこなさなきゃと思ってやってます。くるくる回る椅子あれに乗ってでもやってんですから。あの機械はダメ。テレビの操作がどっかなったとかそれは息子がいないとできない。普通の画面を見るだけはできる。」
●「蛍光灯とか5本あるでしょ、切れたら3本になるくらいまであきらめてそのまま。息子が来た時に頼んでまとめて替える。」
●「自分で取り換える時は、テーブルの上に乗って椅子載せてやるから怖いの。だから命がけ。一回業者さんに頼んだら1個取り換えるのに5千円だった、出張代。」

やはり、脚立や椅子を使う、高い場所での作業は怖いという声は多かった。テーブルを運ぶなどの力仕事、家電関連の故障・・・いろいろ出てきました。確かに、ニーズはたくさんありますね!

★御用聞きの難しさとは・・・。

ただニーズは確かにある、それは分かりました。でも、サービスとして成り立つには、独特の難しさもあるそうなのです。イオンよりも早く2010年頃、御用聞きのサービスを始めた株式会社御用聞き 代表の古市盛久さんは、始めたころの大変さをこう話します。

古市盛久さん
「私達は行政・医療・介護色んな人たちがやるべきだけどやれない領域をやっているんですけど無料で買い物代行をやったけど、一番最初は、振り込め詐欺みたいでやめてほしいというクレームの電話が最初。やっぱり家の中には誰が来るのかわからない不安と、家に来てもらう気恥ずしさ。あとはやっぱり悪質な事故もちらほらあるんですね。怖くて頼めないというのはある。そういった意味では、大手が参入したってことは頼んでいいんだな。気軽に頼みやすい世界を作るためには大手参入はうれしい。」

行政や民間企業などの、医療サービスと介護サービスの狭間にニーズがたくさんある、と語る古市さんですが、その難しさと格闘しながらやってきた。当初は社会福祉で始めた事業なので、無料で買い物代行などを提案したところ、逆にクレームが来てしまったため、お金を介在させることで、安心感・頼みやすさを作ってきたという経緯がある。基本的に作業は家の中で行うものが多く、家の中に入るためなによりも信頼関係が必要なのですね。

信頼を裏切る悪質な事例もあり(荷物を処分するはずが処分せずに50万円とられた、など)、怖くて頼めないように思われることも。しかし、『5分100円』~で御用聞きをしていて、『ペットボトルの蓋をあけてほしい』という依頼もあるそうです。

3年前に倍増、去年はさらにその倍増。今月も、月間の問い合わせ200件ほどで、異例の件数。今ではすっかり軌道に乗り、むしろ働き手の数が足りない程の盛況ぶりですが、将来的には、御用聞きという言葉を”コンビニ”のような一般名詞にしたいと話していらっしゃいました。そのためには、イオンのような大手の参入は、嬉しいということです。

★全国に400店のイオングループならではの戦略!

ちなみに、そんな期待を背負った流通大手イオン。全国に400店のイオンは、今後を見据えた戦略でもある、とイオンリテールの澤井さんはおっしゃいます。

澤井哲雄さん
「お客のニーズがどんどん変わっているんでね我々も変わらないと。大きいが良い時代じゃない。検見川浜には周りに5店舗ある。大型のモール・若い人向けそれぞれの特徴を生かす必要がある。いままでは全国一律だったかけど、それでは今の時代通じない。とにかく地元と密着して、リアル店舗は、違う店にしないといけない。特にGGストアというタイトルのお店では、こちらが動いていくのが大事かなと。もちろん会社としては、AI
とかデジタルに対応しないといけない。デジタルの部分とリアル店舗、それと両立させるのが比べると強みかなと、アマゾンさんと対抗。」

例えば検見川浜では、近くにイオンのお店が5店舗ある!!普通に考えると、イオン同士でお客さんを取り合う、ということになりかねません。・・・そこで棲み分けをする必要がある。年代別の構成などを元に、シニアが多い地域ではそこで求められるサービスを増やすなど、差別化をしていくという戦略なのです。2025年、団塊の世代が75歳以上になる時には、GGストア100店舗を目指すそうです。これから新しいスタイルがますます増えていくのでしょう。それだけニーズが変わってきている、ということなのかもしれませんね。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが
「現場にアタック」で取材リポートしました。