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アベノミクスの「本当の姿」をデータで明らかにした明石順平さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
12月16日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、話題の新書『アベノミクスによろしく』の著者、弁護士の明石順平さんをお迎えしました。

「アベノミクスによろしく」

明石さんは1984年、和歌山県生まれ、栃木県育ち。労働事件や消費者被害事件を主に担当している弁護士で、ブラック企業被害対策弁護団のメンバーとしても活動しています。

明石順平さん

明石さんは2016年5月、本業のかたわら自分のブログにアベノミクスの問題点を書き始めました。するとブログの閲覧数が爆発的に増え、そのブログに大幅加筆した新書『アベノミクスによろしく』を2017年10月に出版し、注目を集めています。

経済の専門家ではない明石さんがアベノミクスについて書くようになったのは、去年(2016年)野党が「実質賃金が落ちた」と盛んに言っていたので、本当にそうなのか確かめてみようと、公表されている関連データをダウンロードして調べてみたのがきっかけでした。アベノミクスが始まって「GDPが伸びた」、「株価が上がった」、「雇用が改善した」と言われますが、はたしてそれは本当なのか? 経済の専門家ではない明石さんは、政府などが公表している様々なデータを丹念に集め、それをグラフにしてみました。すると一目瞭然、アベノミクスの本当の姿が見えてきたのです。

スタジオ風景

アベノミクスは異次元の金融緩和、財政政策、規制緩和の「3本の矢」を柱とする政策です。中でも目玉になるのが第1の矢、金融緩和。日銀が国債をたくさん買い入れることによって、物価が上がりそうという予想が生まれ、銀行からの貸し出しが増え、市中にたくさんお金が出回って、景気が良くなるというもの。また、物価が上がりそうという予想が生まれると、物価が上がる前にあれこれ買っておこうとして消費が伸び、景気が良くなるというもの。つまり物価が上がれば景気が良くなる、消費が伸びるという考えです。

ところが実際は、そのように期待された効果が出ていませんでした。なぜ金融効果は効果が出ないのでしょう? 明石さんは「結局、物価が上がれば消費が伸びるという前提が間違っていたんです。お金がたくさん出回っても、それを借りたいという需要がなかったということです」と言います。

そして実質賃金は大幅に落ちました。日銀の金融緩和によって円安になると、輸入にお金がかかるようになり、物価が上がりました。円安によって物価がおよそ3%上がりました。そこに消費税増税が重なり、物価は5%ほど上がりました。ところが賃金はほとんど上がらなかったので、実質的に賃金は大きく下がったのです。

物価が上がって景気が良くなれば実質賃金も上がるというのがアベノミクスのねらいだったのですが、賃金は上がらず、物価だけ上がってしまったんです。それであれこれ買えなくなって、消費が冷えてしまったということです。

明石順平さん

「アベノミクスの失敗は非常に単純なんです」(明石さん)。

また、アベノミクスでGDPが伸びているという話についても、明石さんはデータを集めて調べてみました。するとアベノミクスは民主党政権の3分の1ほどしか実質GDPを伸ばせていないことも分かりました。

さらに、GDPの「かさ上げ疑惑」。実は2016年12月、内閣府はGDPの算定方法をが改定しています。GDPの国際的な算出基準「2008SNA」への対応が日本は遅れていたので、改定したというのです。それはいいのですが、問題は「2008SNA」とは全く関係ない「その他」という項目がかなり変更されたというところ。算出基準を変えたことによって、アベノミクス以降のGDPは大きくかさ上げされ、アベノミクス以前は小さくなりました。基準改定前のGDPは、1997年度が最高で520兆円、2015年度は500兆円。アベノミクス時代の方がおよそ20兆円も低くなっていました。ところが算出基準の変更後は、1997年度と2015年度のGDPはほぼ同じくらいになっているのです。さらに、2016年度のGDPは“目でたく”史上最高になりました。明石さんは、このほかにもアベノミクスの成果としてよく挙げられる「雇用が改善した」「株価が上がった」ということについても、データを集めて本の中で検証しています。明石さんは、自分は経済の門外漢だからこそ客観的なデータを集めて検証することができたと思うと言います。

明石さんは、アベノミクスの大きな柱である異次元の金融緩和をどう終わらせるのかを懸念しています。

スタジオ風景

「日銀も出口戦略が見つからないでいるのではないでしょうか。日銀が国債を買いすぎているから、もし手を引いたら国債が暴落するかもしれないと思っているかもしれません。だから出口戦略を語ることすらなかなかできない。2018年4月で日銀・黒田総裁の任期が終わりますけど、次に総裁になる方も今の政策変えられないのでは。アベノミクスは失敗しているといえますが、むしろこれからの方が恐ろしいことが待っていると思います」(明石さん)

「ちっとも『アベノミクスによろしく』じゃない(笑)」(久米)

明石順平さんのご感想

明石順平さん

あっという間に時間が過ぎました。

やっぱり『ニュースステーション』を見ていた世代としては、憧れの人と話ができて本当に楽しかったです。アベノミクスの失敗という楽しくない暗い話題を、久米さんと楽しく話すことができました。

私の本を深く読み込んでいらっしゃって、付箋もたくさんついていました。ありがたいですね。

2017年12月16日(土)放送「今週のスポットライト」、ゲスト:明石順平さんhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20171216140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

次回のゲストは、「増田煉瓦」代表・増田晋一さん

12月23日の「今週のスポットライト」には、ビザ窯の国内トップメーカー「増田煉瓦(れんが)」の代表・増田晋一さんをお迎えします。群馬・前橋市で1917年(大正6年)に創業して以来、100年の歴史を持つレンガの会社の4代目です。

2017年12月23日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20171223140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)