お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


重大な副作用が指摘されたロキソニン。果たして安全なのか?

森本毅郎 スタンバイ!

森本毅郎・スタンバイ!ロゴ

忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」
(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)
8時からは、話題のアンテナ「日本全国8時です」
全国ネットで、日替わりゲストとともに放送。
毎週月曜日は、医学ジャーナリスト松井宏夫さんの病気と医療のお話です。

松井宏夫

今日4月4日(月)は「重大な副作用が指摘されたロキソニン。果たして安全なのか!?」

ロキソニンに出された、“重大な副作用”追記の指示!

家庭の常備薬で、痛み止めのロキソニンについて、先月22日、厚生労働省が、「重大な副作用」として「小腸・大腸の狭さく・閉塞」を追加しなさいと指示を出しました。ロキソニンは腫れや痛みをやわらげたり、熱を下げる効果があり、頭痛・生理痛・関節痛、歯の痛みなど、さまざまな痛みに対してよく使われます。また、消化器外科や整形外科などの手術をした後の鎮痛剤としてもよく処方されます。そんなロキソニンをこれまで通り使っても大丈夫なのか。

痛み物質を抑える、ロキソニン処方は“年間5千万”

ケガなどで傷ついた部分では、プロスタグランジンという痛み物質が大量に出ます。この痛み物質は「炎症、痛み、発熱」を引き起こし、異常を知らせる役目をもっています。痛み物質が脳に届くと、脳は痛みを感じると同時に、体温を上昇させます。ロキソニンは、痛み物質の中の酵素に働かけ、その働きを抑えるお薬です。
そんなロキソニンには、医療用、一般用があり、病院で処方される医療用では、年間5千万人近くの患者さんに処方されています。開発されてから、30年もの間、痛み止めの薬として、よく使われてきました。一般用でも、ドラッグストアなどで買える第一三共ヘルスケアの「ロキソニンS」は、発売開始の2011年から4年間で3600万個も販売されています。

重大な副作用を詳しくみていくと・・・

医療用・一般用で成分・含量が全く同じ、どちらにも医薬品医療機器総合機構から同様の指示が出ています。「小腸・大腸の狭さく・閉塞」と記載を追加することになったわけですが、小腸・大腸の潰瘍に伴い、狭さく・閉塞があるので、観察を十分に行い、悪心・嘔吐、腹痛、等の症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。簡単に言うと、「腸閉塞」に気をつけてください、ということです。
報告書をさらによく見ると、過去3年間で、腸閉塞などを起こした例が、6人で、そのうち5人がロキソニンとの因果関係が否定できない、と書かれています。

結局、そのまま飲んでていいの?その注意点は?

これまで飲んでいた人が飲むのを、無理にやめる必要はありません。3年間で、腸閉塞の副作用が6例となると、医療用で年間5千万人が使いますから、単純計算でも、発生頻度は、3千万分の1以下で、極めて少ない数です。そして実際に、腸閉塞になったケースは、おそらくロキソニンを繰り返し使い、小腸潰瘍や大腸潰瘍が何度も繰り返され、腸が盛り上がったり変形したりして、なってしまったのではないかとの見方が出ています。加えて、報告書のケースの腸閉塞で死亡した人はいないので直ちに命に繋がるものでもないです。

「重大な副作用」と聞くと、ビックリするのですが、医薬品分野でこの言葉が使われる場合まず、起きる確率が、高いことを示す言葉ではありません。ただ、万が一起きたとき、症状は軽くはありませんよ、という意味ももっています。「健康に重大な影響がある副作用」となる可能性もあるので、特に、処方する医療関係者はそうした副作用があることを知っておくべきですね。一方で市販の「ロキソンニンS」には、こう書いています。「3~5日間服用しても痛みなどの症状が繰り返される場合には、服用を中止し、医師の診察を受けてください」と書いてあります。長い期間、継続服用を前提としているものでない、ことを改めて知っておきましょう。市販のロキソニンSでも継続服用をしない限り、今回、重大な副作用とされた、腸閉塞はすぐ起こる可能性は低く、起きることはありません。

ロキソニンの説明書には、副作用がいっぱい書かれているが・・

ここまで、重大な副作用と指摘された腸閉塞に焦点を当てて話してきましたが、そもそも、痛み止めのロキソニンは、胃や十二指腸・大腸・小腸などの「消化菅」の粘膜がただれたりする粘膜障害をきたしやすく、もともと副作用の多い薬とも言われます。日本では常備薬としてロキソンニンも、海外では副作用の多さからあまり処方されず、手術後の痛み止めとしても使わないことも多いんです。

ロキソニンが、その働きを抑える痛み物質は、本来、粘膜のバリアーする機能も、もっています。ロキソニンによって、胃粘膜のバリアー機能もなくなってしまうので、胃酸などの作用によって、消化器系が傷ついて、潰瘍がおきてしまいます。薬の市販後調査では市販の「ロキソニンS」の市販後調査では、4年間で、副作用276例437件が報告されています。その多くは、胃での不快感やむくみ、発疹、眠気など比較的軽めの副作用の事例数は多いです。中には、重篤な副作用14例18件、死亡例も1件あり、長い期間、ロキソニンを使って、消化菅の粘膜障害を引き起こし、腎臓の病気になる人もいます。

そうしたことから副作用があることを改めて認識して使う必要がありますが、調査で出ている報告副作用は、基本的にどれも軽いもので、ほかの解熱鎮痛剤でも、起こるような内容なので、そんなに心配する必要はありません。ただ、胃薬は準備しておくといいでしょう。また、胃腸への影響が気になる人は、ロキソニンより副作用の少ない、アセトアミノフェンなどの痛み止め薬もオススメです。

 


TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」は月~金6:30-8:30放送中。
AM954kHz、FM90.5MHz。
パソコンやスマートフォンでは「 radiko 」でもお聞きいただけます!
番組へのメールは→ stand-by@tbs.co.jp