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65歳以上の健康管理~「フレイル」って何?その対策は?

森本毅郎 スタンバイ!

健康な状態で長生きする、いわゆる「ピンピンコロリ」が理想という人は多いかと思います。そのために、日本老年医学会などが、注意すべきだ、と訴えているのが「フレイル」というものです。特に65歳以上の方の、健康管理に関わるものです。フレイルとその対策について。12月4日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★フレイルとは?

「フレイル」とは「Frailty(フレイルティ)」の日本語訳で「虚弱」という意味です。と言っても、病気の名前ではありません。病気のリスクが高い状態です。少し、わかりにくいかもしれませんが・・・病気ではないけど、病気のリスクが高いという意味では「メタボ」と同じような用語です。

メタボは、内臓に脂肪がたまり、高血圧や高血糖などの症状が一度に複数出る状態です。これを放っておくと、心筋梗塞や脳卒中など、死に直結しやすい病気のリスクが高まります。そのため、メタボにならないように、というのが最近の健康運動のあり方です。

一方、フレイルは、加齢に伴って、心身の活力が低下し、弱っている状態で、 放っておくと要介護状態になるリスクがあるとされます。そこで、フレイルにならないように、と日本老齢医学会などが訴えているわけです。名前自体は新しいものですが、フレイルの人は、国内推定450万人とも言われています。そして、この「フレイル」を、特に意識をしてほしいのは、65歳以上の人です。

★65歳以上はフレイル意識

要介護になるかどうかの危険性が、実はメタボよりも、フレイルの方が関係が深いんです。東京都健康長寿医療センターの研究チームがおよそ1500人を対象にした調査結果が、今月13日に発表した調査結果からも、その傾向が示されています。フレイルの人は、そうでない人に比べると、65歳から75歳で「3.4倍」。75歳以上で「1.7倍」、要介護などとなる危険性は高い、という結果が出ました。一方メタボは、そうでない人と比較しても、要介護との関係性は特にみられませんでした。つまり、要介護にならないため、という観点では、65歳以上の人は、メタボ対策よりもフレイル対策に意識を切り替えた方が良いと思います。

★健康長寿新ガイドライン

フレイルの基準にそって、簡単なチェックができます。次の5つの項目で、3つ以上該当すれば、「フレイル」の疑いありです。

  1. 1年で4~5キロ減った
  2. 筋力・握力が低下した
  3. 疲れやすくなった。
  4. 歩くのが遅くなった。
  5. 外出が平均1日1回未満。

それぞれ、詳しいガイドラインでは、具体的な数値などが決められてはいますが、概ね、3つ以上あてはまったという方は、フレイルを少し意識してみてほしいです。

そんなチェック項目を意識してほしいと同時に、どんなフレイル対策があるのか?詳しくは、今年6月発表の「健康長寿新ガイドライン」にまとめられています。その中には、ぜひ対策として、実践してほしい「健康長寿のための12か条」があります。さらにその中で、最も重要ですべての基礎となる4つを挙げてみます。

★①「食生活」

健康長寿新ガイドラインでは、10の食品群を摂りましょうとアドバイスしています。具体的には、野菜だけでなく、肉や魚などでタンパク質を摂ることを意識してください。色どり豊かな食事をすると、自然と栄養バランスの良い食になります。孤独な食事、孤食も問題です。家族と一緒に住んでいるにもかかわらず、1人で食事をしている高齢者は、家族と一緒に食事をする人と比べ、死亡リスクが、1.5倍、高まることが東京医科歯科大などの研究でわかっています。

★②「お口の健康」

歯を抜けたままにせず、定期的に歯科検診を意識してください。噛み合わせが悪くなると、残った歯への負担が増えます。すると、噛む力がさらに低下し、転倒や認知症のリスクが増えます。そのリスクは、1.9倍高くなるとう厚労省研究班の調査もあります。

★③「体力・身体活動」

2リットルのペットボトル1~2本は持ち運べるかどうかを、意識してみてください。ここで1つ、足の筋力を確認するテストをご紹介したいです。「指輪わっかテスト」というもので、まず両手の親指と人差し指で輪をつくります。利き足ではない方のふくらはぎの一番太い部分を力を入れず軽く囲んでみる。囲めなければ、筋肉は大丈夫。しかし、十分に囲めて、隙間ができると・・・筋肉は衰えています。

★④「社会参加」

意識してほしいのは、1日1回以上の外出です。楽しさや、やりがいを感じる付き合いや活動があるかどうか、確認してみてください。ただ、そこに無理やストレスがあると、逆に健康効果は弱まりますので、自分のペースを守って、社会参加する意識を。たとえ、外に出ていなくても、「そういえば今日は外に1歩も出ていないな~」と意識することから初めても良いかもしれません。フレイルは、本人の自覚も大事ですが、家族などの周囲の気づきも重要です。食生活/お口の健康/体力/社会参加を促すように、応援してあげてください。

★自治体も乗り出すフレイル

今では、こうしたフレイル対策に積極的に乗り出す、自治体も増えようとしています。例えば、関東にはなりますが、東京の大田区では、フレイル対策として、体操教室などが頻繁に開かれています。千葉県柏市では、毎月市内の数か所かで、フレイルチェックを実施しています。ご自身の自治体で、そんな案内が出ているかどうか、問い合わせてみるのもよいでしょう。

★東京都健康長寿医療センター研究所「健康長寿のための12か条」

  1. 「食生活」 いろいろ食べて、やせと栄養不足を防ごう!
  2. 「お口の健康」 口の健康を守り、かむ力を維持しよう!
  3. 「体力・身体活動」 筋力+歩行力で、生活体力をキープしよう!
  4. 「社会参加」 外出・交流・活動で、人やまちとつながろう!
  5. 「こころ(心理) 」めざそうウェル・ビーイング。百寿者の心に学ぼう!
  6. 「事故予防」 年を重ねるほど増える、家庭内事故を防ごう!
  7. 「健康食品やサプリメント」 正しい利用の目安を知ろう!
  8. 「地域力 」広げよう地域の輪。地域力でみんな元気に!
  9. 「フレイル」 「栄養・体力・社会参加」3本の矢で、フレイルを防ごう!
  10. 「認知症」 よく食べ、よく歩き、よくしゃべり、認知症を防ごう!
  11. 「生活習慣病」 高齢期の持病を適切にコントロールする知識を持とう!
  12. 「介護・終末期」 事前の備えで、最期まで自分らしく暮らそう!

 

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20171204080000

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