お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


8月6日(日)9種類4000頭の蚕に会える!『シルク博物館「かいこ教室」』(にち10おでかけリサーチ)

安住紳一郎の日曜天国

TBSラジオキャスターの久保絵理紗です。

久保絵理紗
TBSラジオキャスター。食べるも嗅ぐもクサいモノが好き。どこでも踊ります。趣味ダンスとも言う。

放送を聴いてから出かけても間に合う!
オススメのスポットから生中継している「にち10 おでかけリサーチ」

▲シルク博物館

▲シルク博物館


きょうは、横浜大桟橋のたもとにあるシルク博物館で、毎年夏休みのこの時期に開催される「かいこ教室」をご紹介しました。「シルク博物館」は、横浜港の開港100周年を記念して、58年前に横浜港の目の前に建てられました。「横浜」と「シルク」、どのようなゆかりがあるのかといいますと、横浜港が開港された当時は、海外へ輸出されるもののほとんどが「生糸」だったんです。

ここでは、生きた蚕を手に取って観察したり、繭から生糸を取る体験や、機織り体験ができます。蚕を飼育する学校もありますが、蚕を見るのは「ここが初めて!」というお子さんも多いようです。今日の教室に参加していたお子さんも“はじめての蚕”に目を輝かせていました。詳しいお話を飼育を担当される石鍋由美子さんにお話を伺いました。

▲飼育担当の石鍋由美子さんと

▲飼育を担当される石鍋由美子さんと

●お蚕さんは“家畜”である?

蚕は、成長段階を「齢」で数えます。卵からかえった「1齢」と呼ばれる状態から、約25日間かけて4回脱皮をし、最終的に「5齢」になります。今日の中継でご紹介したのは繭になる直前の「5齢」のお蚕さん。蚕は「1齢」から「5齢」までの25日間で約30倍の大きさまで急速に成長するので、常設コーナーでは、常に2種類の成長段階の蚕が生態展示されています。

4回脱皮を終えた蚕は、あとは繭を作るだけ。繭をつくるための“自分の部屋”を決めたら、2~3日、糸を吐き続きて繭玉が完成します。ご存知の通り、この繭玉から美しいシルク糸が取れます。生まれて1ヶ月でお金を生み出すことから、天から授けられた虫「天の虫」=「蚕」となったようです。そんな恵みを与えてくれる蚕は、家畜と一緒「匹」ではなく「頭」で数えるんです!

●まるで“雨が降る音”?!

そして、蚕は食欲旺盛です。今日も朝から休むことなく桑の葉をムシャムシャと食べ続けていました。この桑の葉を食べる音は“雨の降る音”に似ているといわれていて、観察コーナーでは、蚕に顔を近づけて耳を澄ましている子もいました。
放送をお聴きいただいた方は、どう感じられましたでしょうか。雨がシトシト地面を打ち付けるような音なんです、耳元で聴く生音はまた少し違います。雨の日に部屋でボ~っとしていると聴こえてくる、シトシトと小雨の音というんでしょうか。優しい音で、気持ちがいいです。

●音だけではない!愛らしい食事シーン

そんな蚕が桑の葉を食べる姿というと、まるでハムスターがひまわりの種を両手で持っているように、桑の葉を大事そうに前足で挟んで食べて、とても憎めない可愛らしい姿なんです。実は、元々虫が大の苦手なので、見ることさえも恐れていましたが、気が付くとペットのように愛おしさすら感じていました。

そして、勇気を出して、もたせていただきました!小さな吸盤が手に張り付いているようなくすぐったさがあるものの、虫を触っているときの独特の恐怖心は不思議とおきませんでした。肌に触れてみたら赤ちゃんのほっぺのようなふわふわな感触で、表面は白樺の皮のようにきめ細やかなサラサラな皮膚でした。見た目も白樺みたいですよね。
あんなに苦手だった虫、蚕をこんなにも愛おしく感じてしまうのは、蚕を20年以上飼育を担当されている石鍋さんの愛情深いお話を伺ったからだと確信しています。

▲勇気を出して、お蚕さんを手に・・・

▲勇気を出して、お蚕さんを手に・・・

●一生で一度きりのおしっこ?!

蚕は25日間の幼虫期間を経て、最後に繭を作ります。「まぶし」と呼ばれる桝目で区切られた部屋に入り、繭作りをはじめます。蚕は上に上に向かう傾向があり、なかなか“マイホーム”を決めず歩き回るので、「まぶし」の上部に蚕が集まってしまいます。蚕の重さでクルリと回るように、「まぶし」は回転するように造られています。

部屋を決めたら、宙に浮くための足場をつくります。これもシルクになる「生糸」です。足場が組みあがったら、繭が汚れないように、「一生で一度きりのおしっこ」を出しきります。これが驚く量で、「まぶし」の下にはご立派な大きなシミができていました。桑の葉のほかは、水すら何も摂取しないので、おしっこはすべて桑の葉の水分なんだとか。

▲蚕が繭を作る部屋「まぶし」。(左)下に落ちている大きなシミが蚕のおしっこ。

▲蚕が繭を作る部屋「まぶし」。(左)下に落ちている大きなシミが蚕のおしっこ。

●繭は全長1300m!

蚕が2~3日かけて吐く糸は全長1300mほど。一本の糸で繋がっているんです。肉眼では見えるか見えないかくらいの非常に細い糸ですが、さすがシルク!一本だけでも艶があるので、光に翳すとキラリと光るので、確かめることができます。繭玉から取り出した生糸から、シルクを織り上げる絹糸にするには、仕上げたい絹糸の太さにあわせた複数の蚕から同時に糸をくります。「かいこ教室」では、取り上げた糸からランプシェードをつくります。

▲繭の表面には複数の糸が。これを手繰っていくと1本になります。

▲繭の表面には複数の糸が。これを手繰っていくと1本になります。


▲かいこ教室の様子

▲かいこ教室の様子

●今しか見れない9種類4000頭!

▲8種類の蚕。表面にかかっているのは桑の葉。

▲8種類の蚕。表面にかかっているのは桑の葉。


今年の「かいこ教室」では、常設展示をしている「錦秋鐘和(きんしゅうしょうわ)」のほか、8種類の珍しい蚕を展示しています。全部で9種類、4000頭の蚕が集まっているので、なかなかの迫力です。皇居で育てられている「小石丸(こいしまる)」をはじめ、足が黄色い「黄浮(きうき)」や、メスが黒、オスが白という「限性黒色蚕(げんせいこくしょくさん)」油のようにからだの色が半透明に透けている「白卵油(はくらんあぶら)」など、見たことも聞いたこともない蚕が大集合しています。
▲8種類の蚕。(上中央)からだが黄味がかった「黄浮」(中央左)のけぞる「白卵油」(中央右)限性黒色蚕のメス

▲(上中央)黄味がかった「黄浮」(中央左)半透明で透けている「白卵油」(中央右)限性黒色蚕のメス

放送ではご紹介しませんでしたが、実は番外編がもう1種類いるんです。野生の蚕「天蚕(てんさん)」といって、どんぐりの木やウバメガシの木があるところに生息しているもので、今「かいこ教室」では研究のために生態観察されています。互いに危害を加えることが一切ない養蚕とは違って、喧嘩することもある野生は見た目も毛深く、まったく蚕っぽさはありませんが、糸を吐いて繭を作るのは一緒です。普段は木の高いところに生息していて、なかなか見つけることができない野生の蚕を見るチャンスです。

▲野生の蚕「天蚕」。どこにいるか見つかりますか・・・?

▲野生の蚕「天蚕」。どこにいるか見つかりますか・・・?


去年に引き続き、今年も「かいこ教室」の期間中、珍しい蚕の人気投票が行われています。初代チャンピョンは白黒シマシマの蚕が1位だったようですが、今年は野生の「天蚕」が暫定1位です。あなたの1位は見つかりましたか?