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歩道橋に「命名権」・・・曲がり角。

森本毅郎 スタンバイ!

このところニュースを見ていると『雪辱』という文字が踊っています。

  • 侍ジャパンの稲葉新監督は北京五輪の雪辱を!。
  • 世界水泳では瀬戸大也選手が400メートル個人メドレーの三連覇を逃し銅メダルで、雪辱を!
  • 甲子園の地方大会・西東京大会では東海大菅生が早実に、ついに雪辱を果たした!など

そんな中で、私が気になった『雪辱』が『雪辱なるか、相模原市』という見出し。これは・・・??「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!8月1日(火)は、レポーター近堂かおりが『歩道橋に「命名権」・・・、曲がり角。』をテーマに取材しました!


実はこの『雪辱なるか、相模原市』という見出し、命名権・ネーミングライツをめぐる『雪辱』なのですが、一体どうしたのか?神奈川県の相模原市役所・道路計画課の杉本直樹さんにお聞きしました。

★歩道橋の命名権申し込みナシ、の雪辱です!

杉本直樹さん
「実は昨年度から『土木施設のネーミングライツ』の導入しておりまして、1ヵ所先行して行ったんですけど、1件も申し込みがなかったということです。昨年度募集したのが、国道129号にかかる歩道橋なんですけど、かなり交通量が多いところだったんですけど、結果として1件も申し込みがありませんでした。今年度、別の場所をまた募集させていただいて、そこで応募があるかどうかということで”雪辱なるか?”というところです。」

ネーミングライツというと野球場やサッカー場でおなじみですが、相模原市では、これから道路とかトンネル、橋といった土木施設にも命名権を広げていき、新しい財源として、土木施設の維持管理費にあてようということを去年から始めました。その第1弾として募集したのが国道129号にかかる歩道橋だったのですが、応募はゼロ。そして今年、雪辱を誓って別の歩道橋で、再チャレンジ!ということだったのです。

★見事、雪辱を果たしました!!

結果を先に言っちゃいますと、6月から1ヵ月間募集した結果、1件応募があった!!見事、雪辱を果たしたわけですが、去年と今年で歩道橋の場所をどう見直したのか?再び、相模原市の杉本さんのお話です。

杉本直樹さん
「今年度募集したのは小田急相模原駅のすぐそばに位置している県道51号の歩道橋ですので、前回より手ごたえを感じていたということはあります。昨年度の場所は工業団地というか、「対企業」の企業が多かったので、なかなか宣伝効果というところで申し込みがなかったというような失敗を踏まえて、今回かなり周辺に商業施設や歩行者の方もいらっしゃるような場所ということで選定しております。」

やはり、一般の人がたくさん通る場所のほうが、広告代わりにネーミングライツを買うには良かったようです。ちなみに、最終決定はまだこれから。『月額2万5千円以上』と『歩道橋周辺の美化清掃活動などの地域貢献』が条件となっていました。

今後、選定委員会を開いて、認められれば9月には契約を交わす見通しです。ただ、相模原市としては今回、手ごたえを感じていたものの応募は1件ということで、今後、ネーミングライツの事業をどう進めるか、課題も残ります。

★歩道橋の命名権、買いました!

企業が手を上げにくいのは、大きなスタジアムと違って、歩道橋の命名権は、契約するメリットが実際どのくらい受けられるかが見えにくいから。すでに歩道橋のネーミングライツを導入したところはどうなのか。2年前からこの事業を始めたさいたま市で、実際に契約を結んだ企業に話を聞いてみました。

歩道橋の命名権契約を結んだ企業
「大宮駅東口からちょっと目立つところの歩道橋で、いい場所でしたので、さいたま市の財政に社会貢献できればと。手応えはどうですかね。それが直接、仕事に結びつくかというとそれはないと思いますけど、たまに『名前、見たよ』という話をされる方もいますので、この会社ってどこなの?と思っていただければ、宣伝にはなるのかなと思いますけどね。」

基本的には、広告効果よりも社会貢献。確かに、ほかの地域にも聞いてみましたが『自治体の財源に貢献するという意味で応募したので、宣伝効果はそれほど期待していない』と同様の話をする企業もありました。自治体は、ほとんどコストをかけずに収入をあげられるネーミングライツをさらに広げようしても、企業側とは温度差があるのかも・・・。

★歩道橋の命名権の今後は・・・?

実はネーミングライツの売れ残りが全国各地で続出している。先ほどの相模原市のように苦労している自治体はたくさんあるといいます。果たして、歩道橋のネーミングライツは今後どうなるのか?専門家にお聞きしました。国内外の命名権事情に詳しい、鳴門教育大学・准教授の畠山輝雄さんのお話。

畠山輝雄さん
「歩道橋に関しては、私のいる徳島県でもやられていますし、関西でも大阪市の歩道橋などは、テレビで取り上げられていたんですけど、そこでも結構、買い手が見つからないというのが多くて、実際そんなにスポンサーはついていないですね、ほとんどのところで。そもそも地図とかネットのヤフー地図、グーグル地図といったところに施設の名称が出るのがネーミングライツの強みであるので、地図に歩道橋のネーミングライツが出るわけではないのでなかなか厳しいですね。ただ、数としては全国的にまだ増加の一途はたどっているんですね、小規模施設にちょこちょこ入れながら。でも大きい収入が取れるものはほとんど残っていないので、そういうところがこれから課題だと思います。」

こうしたことの背景には、知名度のある大型スポーツ施設のネーミングライツは、すでに数年前にほぼ『一巡』してしまって、今は小粒で地味な施設ばかりになっているということがある。その結果、自治体と企業の思惑がミスマッチ。そんな中、注目を集めているのが、ミスマッチの解消策。対象とする施設とか金額など、その内容についても企業側から幅広く募る「提案型」のネーミングライツ。自治体側が考えていなかった意外な施設に手が上がることになるそうで、そういった「提案型」は、最初に紹介をした相模原市でも行われているそうです。

また、今後は例えば自治体の議会で議題に乗せるなどして、もっと地域住民の合意をつくって、認知度をあげる必要がある、というお話も畠山先生からはありました。認知度が高まれば、契約料も高くなるかもしれない…。

自治体にとって、財源の「打ち出の小づち」のように思われたネーミングライツですが、今「曲がり角」を迎えているようで、今までのやり方を見直すときが来ているのかもしれませんね。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。