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50ヵ国旅した夫婦の店「旅の食堂 ととら亭」

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
5月6日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、東京・中野区野方にある「旅の食堂 ととら亭」のご主人・久保えーじさんをお迎えしました。妻・智子さんと2人でこれまでに世界の国々、50ヵ国以上を旅して、その旅先で出会ったおいしい料理を忠実に再現した“旅のメニュー”を提供しています。

久保えーじさん

久保さんは1963年、神奈川県横浜市生まれ。20歳から30歳ぐらいまでは仕事を転々としながらお金が貯まるとキャンプ道具をオートバイに積んで国内を旅して回っていました。33歳の時、北海道・礼文島への旅がきっかけで智子さんと知り合います。実は智子さんも国内各地を一人でめぐっていた大の旅好きだったのです。すぐに意気投合した2人は、世界中をバックパックで旅をするようになりました。

スタジオ風景

その後、久保さんはITベンチャーや商業施設運営会社に勤め、智子さんは料理人を目指してフランス料理店とドイツ料理店で修業。ようやく普通の暮らし(?)に戻るのかと思いきや、世界をめぐる旅は終わるどころか拍車がかかり、訪ねた国の数は20、30と増え続けました。2人とも組織に所属して一生勤めるという発想がない、根っからのバックパッカーなんですね。

そして、久保さんが40代半ば、智子さんが30代の頃になって、そろそろ2人で独立して何かを始めようといろいろ考えた結果、2010年、東京・中野区野方に16席の小さなレストラン「旅の食堂 ととら亭」をオープンしたのです。旅が好きで、食べることが好きな2人が、世界各地で出会って感激した料理を、“旅のメニュー”として忠実に再現して、限りなくオリジナルに近いまま提供するお店。それも、ほかのレストランやレシピ本ではほとんどお目にかからないような、その国その土地ならではの家庭料理を出す。しかも、3ヵ月ごとに3~4品ずつ、どんどん新しい料理に入れ替える。インドネシア料理を出したかと思えば次はポーランド料理、はたまた南米、中東…。

スタジオ風景

そんなむちゃくちゃなお店を始めた2人は、1年に何度か長期休店して海外料理取材旅行を敢行。パックツアーでは絶対行かないような路地裏の店に潜入し、胃腸薬片手に現地のうまいものを探して、食べる、食べる…。もちろんそう簡単には感激するような料理に出会うことはありません。趣味としては最大級の楽しみだったものが、仕事にしたとたん苦行に近い状況に。でも、そんな中でとびきりうまい料理に出会えた瞬間は、逆転満塁ホームランを打ったときのような感激があるのだそうです。

韓国のマンドゥ

そんな久保さん夫婦が追いかけているのが、世界のギョーザ。きっかけは、2007年にトルコを旅行したときのこと。現地で「マントゥ」と呼ばれているギョーザのような料理に出会った2人は、以前、韓国で食べた「マンドゥ」を思い出しました。遠く離れたトルコと韓国に、調理法も名前も同じような料理があるのか? そこからギョーザのルーツ探しが大きなテーマになりました。

アゼルバイジャンのギューザ

ギョーザは中国や日本だけでなく、広大なユーラシア大陸の各地で、さまざまな姿・形・味・名前に変化して食べられているのです。世界をめぐってみると、マントゥとよく似た名前はほかにもたくさんあるそうです。実は日本の「まんじゅう」も、マントゥの流れをくんでいるのではないかと久保さんは考えています。その一方で、中国や日本の「ギョーザ」に似た名前はかなり少数派。でも、はるか離れたアゼルバイジャンでは「ギューザ」と呼ばれているそうです。また、日本のギョーザは調理方法もごく例外的で、世界には焼いて食べるギョーザはほとんどないそうです。

世界まるごとギョーザの旅

久保さんは、ギョーザは「示準(しじゅん)料理」だと言います。それは地質学でいうところの「示準化石」のようなもので、世界各地の地域の食を比較するのにギョーザはとてもいい指標になるのです。世界のギョーザからは、文化や民族、歴史や宗教、そして遠く離れた国と国のつながりが見えてきます。そして、近代国家の国境なんて机上で紙に引いた線でしかないことも。「ギョーザは民族や国境、宗教のカベを軽々と超えていることを実感します」と久保さん。今後も数年先まで旅の予定が埋まっているそうです。放送では詳しくお聞きする時間が足りませんでしたが、もし世界のギョーザに興味を持たれたら、ととら亭のホームページをのぞいてみてはいかがでしょうか。

旅の食堂 ととら亭

旅の食堂ととら亭ホームページ

スタジオ風景

久保えーじさんのご感想

久保えーじさん

こういうところに出たのは初めてで、感覚的にはこれも旅の延長のような感じがしています。TBS前の地下鉄・赤坂駅を出たときの感じも、外国の空港を出て外に出たときの感覚に近いですし、ラジオってこんなふうになってるのかと眺めるのも、知らない国に来たときと変わらないんですよね。実はととら亭を作るときも同じで、それまで接点がなかった業者の方たちと話をするのも、僕の感覚では、外国で宿を探すときと変わらないんです。それがずっと続いちゃって、自分の中でなかなか旅が終わらないんですよ(笑)。

今日この場にいてお話をしている背景には、久米さんやスタッフの方や表には出てこないたくさんの人たちがいらっしゃるのでしょうから、とてもありがたいことだと思います。

2016年5月6日(土)放送「今週のスポットライト」ゲスト:久保えーじさんhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170506140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)