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液晶技術でお酒を冷やす!?目の付けどころが・・・

森本毅郎 スタンバイ!

最近、あまり明るい話題が目立たない日本の家電メーカーですが・・・ここにきて、ちょっとびっくりするような動きが出てきているんです。4月20日(木)は、レポーター中矢邦子がTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

★マイナス2℃で保冷できるバッグを開発!

その動きについて、シャープの内海夕香さんのお話です。

シャープ 内海夕香さん
日本酒を氷点下で楽しむための『保冷バッグ』を開発しました。冷凍庫で保冷バッグの中身を凍らせて、冷やした日本酒をこのバッグに入れるんです。保冷バッグの中身は、マイナスの温度になる『蓄冷材』で、その蓄冷材が日本酒を冷やすという機能を持っています。だいたい30分くらいでマイナス2℃になります。

  完全な異業種への参入なんですが、ネットで個人から資金を集める「クラウドファンディング」で先月から発売しているんです。

和服の単衣をまとわせているようなデザイン。

和服の単衣をまとわせているようなデザイン。

日本酒のビンを包んでいるのが蓄冷材で、それをウエットスーツのようなやわらかい素材で包み込んでいます。

★液晶テレビの技術を応用!

どうしてシャープが電気を使わない商品を作ったのか、その理由を内海さんにききました。

シャープ 内海夕香さん
蓄冷材料の開発は『液晶材料』の技術を応用しています。液晶テレビやカーナビだと、スキー場に行くとマイナス10℃以下になりますが、そんな場合でも液晶は凍ってはいけません。凍ってしまうと液晶テレビが表示できなくなりますので、凍る温度を制御するために、温度を制御するという技術を使っています。同じ考え方で、今回の蓄冷材もいろんな化学物質をつかって温度を制御するという・・・そんな発想で液晶の技術を応用しています。

この温度を制御する技術を利用して、今回の保冷バッグの特徴である「マイナス2℃」で凍り続けるようになっているんです。

★味の三重奏を体感できるマイナス2℃

そこで、もうひとつ疑問に思ったのが、なぜ日本酒を『マイナス2℃』で冷やすのか?このことについて、この保冷バッグに合わせて日本酒をつくった、石井酒造の石井誠さんに話をきいてみました。

石井酒造 石井誠さん
今までは、お酒は冷やすというよりは『温めて楽しむ』ことが多くありました。冷たくすればするほど味わいは感じにくくなるので、どちらかという常温からさらに温めて味の変化を楽しむのがいままでの慣例でした。ですが、夏場にもっと日本酒を飲んでもらいたいというのがあったので、そこを破って今までにない提案で、冷たい味を楽しむ提案をしています。日本酒においては、『夏の1本は冬の10本に匹敵する』という格言があるくらい夏場は非常に日本酒の需要が乏しくなるんです。そんな夏場の需要を喚起するために、新しい日本酒の楽しみ方というのを考えました。

最近、輸入ワインや色んなお酒が増えて、日本酒の消費量は減少気味なんです。ですので、なんとか盛り返そうと、石井さんは新しい飲み方を探したところ、マイナス2℃なら今までとは違った味わいが広がることを発見したんだそうです。口の中で、3段階に味が変化するんですが・・・まずは、冷たいキリッとした味わい・次に甘い香り・最後にお米本来の上品な甘みを楽しむことが出来ます。

常温とマイナス2℃で飲み比べをしましたが・・・全然違いました!

常温とマイナス2℃で飲み比べをしましたが・・・全然違いました!

このマイナス2℃を日常生活でどうつくるのか悩んでいたところ、ネットを経由して、シャープと出会ったということでした。

★ギャップに驚く街の人たち

実は、こうした家電メーカーの異業種参入は他にもあります。まさにいま、経営再建の最中にある「東芝」では、来月から、「つけ爪」を作るサービスをスタートします。独自の画像認識の技術を使って、それぞれの爪のデータをとりこみ、つけ爪をつくるというものです。

それでは、こうしたメーカーの異業種参入について街の人はどう思っているんでしょうか?実際に保冷バッグを持って、きいてきました。

●「やっぱりシャープさんもいろいろあって苦しいと思うので、色々やっていくのは良いと思います。本業のテレビも売れないと聞いたから・・・」
●「(実はこの保冷バッグシャープが作ったんです)ええ?!そんなワケあるんですか?シャープどうなっちゃってるの?って感じ・・・電化製品のイメージがあるんで、なんで日本酒に手だしたんかわかりません・・・」
●「(実はシャープなんです)そうなんすか?迷走しているような気はしますけどね。新しい道を開くのはいいですけど、イメージなかったんで、びっくりです。」

街は、「家電の王道で進んでほしい」「そうは言っていられない事情もあるだろう」などの複雑な反応でした。

★新たな挑戦での成功例が業界活性のカギとなる?

実は、こうした複雑な心境はシャープの内部でもあったんです。いったいどういうことなのか?その状況をシャープの内海さんにききました。

シャープ 内海夕香さん
だいたい、家電って行き渡っていると思うんです。だから、モノだけではなく、わくわくする体験の提案として始めたのが日本酒プロジェクトなんです。ただ、あまりにも異分野なのでなかなかビジネスにしにくいんですよね。新規事業となると、初めから大きな売り上げが見込まれることがないのである程度の規模が大きくないと本格的な事業化が難しい・・・そこを乗り越えるため、スモールスタートでも『クラウドファンディング』を選びました。

アイデアを素早く実現していくという環境がモノづくりには必要ですが、企業が大きくなり過ぎると難しいかもしれませんね・・・。

中矢邦子

中矢邦子が「現場にアタック」でリポートしました!

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)