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情報収集の必要性

森本毅郎 スタンバイ!

忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)8時からは、話題のアンテナ「日本全国8時です」。全国ネットで、日替わりゲストとともに放送。毎週木曜日は、東京大学名誉教授、月尾嘉男さんの「賢くなれる雑学コラム」!

月尾嘉男

解説は東大名誉教授の月尾嘉男

4月20日(木)は「情報収集の必要性」

★情報は国家なり

かつてのドイツ帝国の宰相オットー・フォン・ビスマルクの「鉄は国家なり」という有名な言葉があります。工業社会であった19世紀を象徴する言葉ですが、現在では「情報は国家なり」という時代になっています。

情報は歴史的にも重要な資源で、情報で発展した国家は数多くあり、その一例に、1494年にローマ教皇アレクサンデル6世の承認のもと、スペインとポルトガルがトリデシリャス条約を締結しました。これは大西洋の中央を通過する子午線で世界を二分し、それより東側で新たに発見された陸地はポルトガル領、西側はスペイン領とするという内容です。15世紀のヨーロッパの人口は8000万人程度で、最大のフランスが1400万人、ドイツとイタリアが1000万人でポルトガルに至っては110万人程度の小国でした。そのような小国が、大国を差し置いて世界を2分できた秘密は、スペインとポルトガルが当時の世界全体の情報をもっとも集めていたからです。

14世紀末に成立したポルトガルのアヴィス王朝の初代のジョアン一世の3男にエンリケという王子がおり、彼が航海のための学校を作り、当時は極秘情報であった世界の地図を収集していました。この情報を背景に、未知であったアフリカ大陸の西側を探険し、南端に発見し、さらにインドまで到達したのはすべてポルトガル人だったのです。

★現在における情報とは

現在に置き換えてみると、国家や企業だけではなく、個人にも情報は重要ですが、国家や企業と違って、組織のない個人で情報を集めるのは簡単なことではありません。

しかし、個人にはインターネットの内部にウェブサイトという強力な味方が存在します。「www」という文字で表されるワールド・ウェブ・サイトという仕組は、一般の人々もインターネットを利用できるようになった時代の1991年に、イギリスのティム・バーナーズリーという科学者が発明し、その年の8月に最初のウェブサイトが誕生しました。大変に便利なため、10年後の2001年には2900万、20年後の2011年には3億4600万になり、2016年には10億を突破し、現在も増加しています。

しかし、10億も存在する中から、自分が必要とする情報が掲載されているウェブサイトを発見するのは至難の技でしたが、1996年にスタンフォード大学の大学院生であったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンがキーワードを入力して検索できるグーグルという技術を開発し、簡単に発見できる社会が実現しました。現在、グーグルの利用回数は年間2兆回になっていますから、1日平均で55億回も利用されていることになります。

★インターネットの力

多くの方々が日常的に使っておられると思いますが、こんなことを知ることもできますという例を御紹介したいと思います。

まず交通手段の現状を知ることは大変に便利になっています。道路の混雑状況は「日本道路交通情報センター」のウェブサイトを利用すれば、高速道路だけではなく、各県の主要都市については一般道路の混雑状況もリアルタイムで見ることが出来ます。

さらに雪が降っているときには、現場がどうなっているかを見ることの出来るインターネット回線に接続されているライブカメラもあり、全国の高速道路の現在の様子を見ることもできますし、世界の観光地の現在の光景も見ることができます。

飛行機については、民間の商用航空便だけですが、世界中の現在飛んでいる飛行機の位置を時々刻々表示する「フライトトラッカー」や「プレーンファインダー」というウェブサイトがあります。画面一杯に飛行機のマークが表示され、時々刻々と移動しており、そのどれかをクリックすると、飛行機会社、便名、出発地と到着地、飛行高度、飛行速度などが表示されます。常時、1万から1万2000機が飛んでおり、世界全体を眺めると壮観です。

船については「シップファインダー」というウェブサイトを見ると、これも一定規模以上の客船や貨物船だけですが、世界の水の上に浮んでいる船が航行中のものも停泊中のものも含めて2万隻以上が表示されています。どれかをクリックすると、その船の名前、種類、トン数、大きさ、国籍、速度、目的地などとともに、これまで航行してきた経路も見ることができます。

★携帯電話とインターネットの関係

そして、携帯電話とインターネットも大事な関係です。携帯電話を買おうとする場合、どこの会社にするかは料金で判断する場合が普通ですが、通じる範囲が重要になる場合もあります。実際、山奥にヘリコプターが墜落して、多くのマスメディアの記者が駆けつけたとき、ある会社の携帯電話は通じなかったため、記事を遅れないということがあったそうです。そこで携帯電話各社は通じる範囲を表示した地図をウェブサイトに掲載していますが、「オープンシグナル」というウェブサイトを御覧いただくと、世界中の携帯電話会社の通話可能範囲を確かめることができますので、自分の移動範囲を考慮して電話会社を選ぶことができます。

携帯電話用のアプリケーションを使えば、付近のワイファイサービスのある場所や携帯電話の基地局の位置を知ることも可能です。

インターネットならではの情報は、リアルタイムで変化する情報です。世界全体の人口、国別の人口、自動車、自転車、コンピューターなどの生産台数、原油の生産量、森林の焼失面積などが時々刻々変化する様子を表示するウェブサイトもありますし、今日一日に発行された新聞の部数、今日1日で送られたeメールの数、今日1日に書かれたブログの数、今日1日のグーグルでの検索数など、知ることのできる情報は数多くあります。

かつては政府や企業が努力をして集めていた情報が、簡単に入手できる時代です。ぜひ、その能力を活用していただければと思います。

 

月尾嘉男の日本全国8時です(リンクは放送後1週間のみ有効ですhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170420080000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)