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この時期多い「咳」/その咳、何の咳?

森本毅郎 スタンバイ!

この時期、身の周りでも咳をしている人、いませんか?咳は、日常的によく出る症状ですが、これは体内に異物が入った、いわばサインです。その原因は、軽い風邪から、重いガンまで、様々・・・その咳は何の咳なのか?4月17日(月)の松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★咳が出るのはどうして?

そもそも、なんで咳が出るのか?咳は、空気が通る道、気道に異物がある場合に起こります。気道は、鼻・のど・気管支・肺までのことを指します。まず咳は、その原因が、病気なのか、そうでないのか、で分けられます。異物がのどに引っかかったときや、刺激性のガスやたばこの煙を吸った時など。病気が原因でないときにも、咳は、乾いた咳で、突然、むせるように起こります。ただ、この場合も、ひどいようでしたら、耳鼻咽喉科へ、行きましょう。

★風邪や急性気管支炎の咳

病気が、原因の咳は、幅広くあるので、その見分け方の主なものをみていきます。病気で咳が出る、その原因で一般的に多いのは、やっぱり「風邪」です。そして、風邪の延長線上にある「急性気管支炎」です。気管支炎は、一時的な急性のものと、ずっと続く慢性のものに分けられますが、風邪やインフルエンザ、はしかなど、感染症の合併症として出てきます。見分け方として風邪が原因の場合、咳は、コンコンといった表現の、乾いた咳になります。風邪を引き起こすウイルスは、インフルエンザなど200種類以上あります。せきは1週間から2週間で、多くの場合、十分に栄養をとり安静にしていれば治まります。

★少し注意が必要な湿った咳

たんを伴う、湿った咳の場合は、少し注意が必要になってきます。湿った咳が出る場合は、気管支の中で、炎症が進んで、たんなどが出ている状況です。ずっと続くと「慢性気管支炎」が疑われます。こうした咳が2年以上続くか、それが毎年冬になると3か月以上続く場合です。慢性気管支炎のうちの、15%ほどの人には、血が混じる例がみられます。原因は、おもに喫煙や仕事上などで刺激性のガスを吸うことなどですが、こちらは、内科でみてもらう必要があります。

★気管支ぜんそくでも湿った咳

たんを伴い湿った咳で、咳にゼーゼーと音がでる場合、「気管支ぜんそく」が疑われます。その音は、密閉度の高い部屋の窓を閉めようとするときにする、風邪の音と同じ原理です。本来太い気管支の中で炎症が起きて気道が狭くなっている状況です。原因は、主にアレルギーで、室内のホコリに含まれるダニやカビ。そして、今の時期だと、花粉も原因になります。また最近では、大気汚染によるぜんそくも、問題になっています。対策は、アレルギーの原因を特定し、遠ざけることですが、内科に相談しましょう。

★辛い咳、肺炎

咳でも、辛いのが、肺炎の咳です。肺炎の原因は、細菌やウイルスで、特定できるものでも、肺炎球菌や、黄色ブドウ球菌、マイコプラズマなど、いくつもあります。最も多い肺炎球菌による肺炎の場合、咳は、とにかく激しい、乾いた咳です。それに伴って、呼吸は早く浅くなり、ときにはうめき声が出ることもあります。寒気と、38度から40度の高熱が出て、夜間は錯乱状態になります。また、咳と同時に、胸の痛みもあります。その辛い症状で、体力の衰弱を招き、死亡原因にもなるので、病状に合わせて、抗生物質などで徹底的に治療をしていく必要がります。

★最も怖い肺がんの咳

さらに、咳という症状で、最も怖がられているのが、やはり「肺がん」です。「肺がん」は、乾いた咳で風邪だろうと思い込みやすいですが、咳の続く期間に注意です。かぜなどの感染症が原因であれば、咳の出始めから2週間経てばその後改善していきます。肺がんの場合は、2週間、3週間と時間が経って、悪化していきます。大体の人は、1か月を過ぎて咳が続くと、変だなと気づき始めます。実は私の先輩でも、そういう人がいます。もともと咳が出ていたのですが、タバコを吸うからと思っていました。ある時、たんに血が混じっているのに気付きました。最初はそれも仕事が忙しかったので、気に留めない様にしたのだそうです。しばらくなかったのですが、数カ月後にまた血が混じっていました。それでやっと検査を受け、肺がんとわかり、しかもがんのステージが進んでいました。その人は、今は、治療でだいぶ元気になりましたが、もっと早くに検査を受けるべきです。2週間以上せきが続くと、肺がんを疑い内科へ行きましょう。

★長引くのは「肺結核」も一緒

ちなみに戦後激減しましたが、今でも発病する人がいる「肺結核」も、咳は長引きます。肺結核の場合、咳が出るときには、病気はかなり重くなっています。「肺結核」は、BCGワクチンでの予防をした上で、微熱や食欲不振、体重減少といった症状で気づきたいところです。

★副鼻腔炎の咳

意外なことが原因で、咳が出ている可能性もあります。空気の通り道といえば、気管支・肺を思い浮かべますが、実は、それ以外にもあります。一つが、鼻で、「副鼻腔炎」が原因で起きる咳です。細菌感染やアレルギーなどによって、鼻の奥に広がる副鼻腔の粘膜が腫れます。すると新鮮な空気の出入りができなくなり、細菌が繁殖し炎症を起します。これが、副鼻腔炎、いわゆる、ちくのう症です。この病気の場合は、咳の他には、鼻水、鼻づまり、頭痛といった症状が出ています。

★逆流性食道炎の咳

意外なこととしてもう一つ、「逆流性食道炎」が原因で起きる咳もあります。逆流性食道炎は、強い酸の胃液が食道に上がって、胸やけを起こす症状です。胃液が食道に上がって、気管支にも影響を及ぼし、炎症を起こします。咳が出るのも、夜間や空腹時で、逆流性食道炎の胸やけなどの症状に伴って、起きているのが特徴になります。

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170417080000

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