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浅草の老舗すき焼き屋が・・・「霜降りやめます」宣言?

森本毅郎 スタンバイ!

★すき焼き屋が「霜降りやめます!」宣言

最近、浅草にある創業130年を超えた老舗すき焼き屋が、ちょっと大胆な宣言をして話題になっています。一体何を宣言したのか?2月16日、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」の「現場にアタック」で取材リポートしました。まずは、すき焼き「ちんや」6代目店主 住吉史彦さんのお話です。

住吉史彦さん
「最近、「霜降りの行きすぎ」が取り上げられるようになってきましたので、今回、1月から「適サシ肉宣言」ということで、適度なサシのついた肉だけを使っていきますよと発表した。等級で言いますと、4等級=赤身がバランスよく入っている(割合で言うと脂が30%くらい)が、「ちんや」のすき焼きの割下に合っておいしい。脂が多くてもたれちゃうと良くない、食べた食後とか翌日にもたれちゃうのは避けたいと思いますね。」
しもふり2

店の看板には「適サシ宣言」の文字が!

実は、肉業界でも話題に上がるのが、「最近の霜降り肉は霜降りすぎて胃がもたれるよね。」という話。しかし、おいしい肉=脂たっぷりの霜降り肉というイメージが一人歩きしています。そこで「ちんや」の住吉さんは、これまでずっと使ってきた最高級ランク「A5」の霜降り肉をやめて、「A4」ランクの「適度なサシ(脂が30%位)の赤身の肉」=「適サシ肉」と名乗って、今後お店に出していく方針を発表しました。すでにお店にも「適サシ宣言」の看板もたてて、メニューも変更しています。この、「適サシ肉」の脂30%で赤身主体というバランスは、単なるイメチェンではなく、本当においしい理由があると言うことなんです。

住吉史彦さん
「5等級(A5ランク)の中でも脂がすごい多いお肉があると思いますが、基本的には味はあまりしない。「旨味」はあくまでも肉の赤身から出てくるもの。「赤身」は「たんぱく質」で、「たんぱく質」が分解されて「アミノ酸」になって、おもには「グルタミン酸」これが「旨味」。旨味は赤身からしかこない、なおかつ、溶けのいい「脂」がありますから、「脂」が旨味をくるむ。「割下」に入っている醤油や砂糖、肉からきた旨味等の全部を脂がコーティングしてマイルドにし、それが口に入る。これがおいしい理由。」

「霜降りの脂の旨味がいい!」という声もよく聞きますが、実は脂肪自体に味はほとんどなく、肉の旨味は赤身で決まります。実際に「適サシ肉」のすき焼きを食べたのですが、違いは歴然!色も赤身が強くて、柔らかいけれどお肉らしい食べてごたえがある!噛めば噛むほど肉の旨味がでてきて本当においしかったです。

しもふり3

適サシ肉のすき焼き(2人前)

★街で実態調査!「お肉は霜降り派?赤身派?」

しかし、肉業界では「霜降りは行き過ぎ!」と言う声があっても、いつからか世の中では「脂が多い霜降り肉」=おいしい!のイメージが定着してしまっています。では、街の人はどんなお肉が好きなのか?実態調査をしてみました。

脂大好き!霜降り肉派

●「21歳です。(どんなお肉が好き?)霜降りが好き。この前霜降りのステーキ食べたら3噛みぐらいでなくなる肉だった。おいしい!霜降り!」
●「26歳です。霜降りが好きです。とろける感じがおいしい!脂の旨味があると思う。脂好きです!」
●「20代です。霜降り派!なんか、あー太りそうって思いながら食べてますね・・・」

さっぱり!もたれない赤身肉派

●「30代です。赤身です。霜降りはもう脂っこいのはだめ!何でもそう、お刺身も赤身がいいです。」
●「40代です(どんなお肉が好き?)庶民の肉がすき。(霜降り肉は?)あんまり好きじゃない。脂ものはあんまり、お腹についちゃうから・・」
●「60代。どっちかって言ったら、赤身まじりがいいですね。霜があまり入ってないほうがいいかもしれない。脂っぽくて、たくさん食べられない。脂身が多すぎると胃がもたれちゃって、しゃぶしゃぶでも2、3枚で飽きちゃう。」

今回の街角調査の結果、20代=霜降り派、それ以上の年代=赤身派が多いことがわかりました。また、全体で見ると、3割が「霜降り派」7割が「赤身派」と、かなり赤身派が優勢でした。ちなみに、今回霜降り肉をやめて「適サシ肉」に方針転換をしたすき焼き「ちんや」でも、初めはお客さんが減るのでは・・・と恐れていたようですが、実際はそういう変化はなく、「適サシ肉」は美味しい!と受け入れられているようです。

★霜降肉のブームは日本から海外へ!?

「ちんや」の取り組みや街の人の声からも、今、時代は「霜降り肉」より「赤身肉」となっていそうですが、、、そうなると、霜降り肉はこれから先、行き場がなくなるのか?すると、需要が高くなっている場所がありました。JETRO=日本貿易振興機構 中島潔さんのお話です。

中島潔さん
「欧米は赤身肉を食べる文化で、日本産和牛のような霜降りは、日本独特のものだと思います。それを海外にも売り込んでいこうということで、EUで、霜降り・日本産和牛をPRするセミナーと試食会を行いました。実際「少量ならいいけど、やっぱりたくさん量があると少しきついですね」という反応もありましたので、いわゆるステーキとかで出すのではなく、「フィンガーフード」という少量でもインパクトがある「フォアグラ」のような食材というイメージのプロモーションをしました。そういう意味では、むこうの方も脂ののったお肉もおいしいんだなということで、今まで知らなかった牛肉のおいしさを感じ始めて、EUとロシアでもそういう需要が増えてきているというのはあると思います。」

EUへの牛肉の輸出は2014年から解禁し、それをきっかけに日本独特の「霜降り肉」PRイベントを開催しました。すると、「たくさんはきついけど少量ならうまい」という反応!最初は「フィンガーフード」という、まさに爪くらいのちょろっとした肉をメイン料理の添え物として乗せたり、はさんだりしてプロモーションをしました。すると徐々に人気が出てきて、日本からEUへの牛肉の輸出量は初年度の2014年は50トン程度が、翌年2015年には倍増したのです。さらに、ロシアなどでも人気が出てきていて、いま海外で霜降り肉が認知されはじめようとしているそうです。

阿部真澄

取材・リポートは阿部真澄でした