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放送中

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訪問美容の現状について~「訪問美容 と和」~

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・『訪問美容』についてです。

『訪問美容』

今回は、「訪問美容」についてです。
訪問美容とは、高齢なため美容室へ通えなくなった人や、病気や怪我などで長期に渡って髪を切ることが出来ない人へ、美容師が訪問して美容室で提供していることと同じサービスを行うことです。以前からこういったサービスはありますが、今回取材したのは2011年に1人で訪問美容を始め、現在は巣鴨にお店を構えている「訪問美容 と和」というお店です。

▲「訪問美容 と和」の皆さん(左が小池さん)

▲「訪問美容 と和」の皆さん(左が小池さん)


代表の小池由貴子さんの話です。

小池由貴子さん
28歳の時に美容師として働いている時に足が動かなくなって、そこから車椅子の生活が始まったんですが、自分1人でお手洗いにも行けないし、お風呂にも入れないし、外にも行けないっていう中で引きこもる生活になって。その時に美容室で一緒に働いていた後輩が家に遊びに来てくれて前髪を切ってくれたんです。仕上がった姿を鏡で見たら元の姿に戻れたなって気持ちになって、それまで美容師として働いていて、病気になったからこそ出来ることだなって思って訪問美容を始めることにしました。

自分の経験があったからこそ訪問美容の必要性を感じたわけです。務めていた美容室を辞めて始めた訪問美容ですが、最初はわからないことが多くて大変だったそうです。例えば認知症の方だと、訪問した時に髪を切ることを忘れていたり、呼吸器や点滴を付けている方にどのように美容を提供したら良いのかなどです。自身の苦労もあって「と和」ではスタッフ全員が介護職員初任者研修修了(旧ヘルパー2級)、または介護福祉士の資格を持っています。

▲訪問に必要な道具

▲訪問に必要な道具


訪問美容をやっているという店の中には、介護施設限定という所も多く、広い洗面所がありヘルパーの方もいるなど状況が整っているので資格が必要ないことも。個人宅への訪問美容がしたかったと鹿児島の美容室から「と和」へやってきたスタイリストの上村奈津美さんです。

上村奈津美さん
大人を介助するってなると1人じゃ足りない時があって、その時にサッと自分たちが少し手を貸してあげることで介助することが出来た場面もありました。私たちがヘルパーの資格を勉強して持ってます、知識もありますって話をすると、何もない人よりは安心するっていうのでホッとされる方が多いですね。
▲上村さんが訪問した時の様子

▲上村さんが訪問した時の様子

もう1人、去年「と和」に来たスタイリストの玉本雅子さんです。

玉本雅子さん
美容師の資格と介護福祉士の資格が取れる学科に行ってました。きっかけとしては自分の祖母の髪の毛を切った時にすごく喜んでくれて。高齢者ももちろんなんですが、子育てママさんたち、色んな人にっていうのを私は考えていなかったと思い、訪問美容の今の現場を検索して「と和」に辿り着きました。

訪問美容の現状ですが、私も高齢の方が利用する割合が多いと思っていましたが、60歳以上と以下に分けると割合は半々だそうです。若い人だと子育て中のお母さんや人前で騒いでしまうお子さんなどが利用しています。そこで気になるのが料金です。出張料金が追加でかかりそうですが、「訪問美容 と和」では料金が同じなんです。カットは5000円でカラーリングやパーマも出来ます。訪問出来る範囲は公共の交通機関を使って巣鴨から1時間くらいの場所までです。(駅から遠くてタクシーを使う場合のみ、その分の交通費が追加でかかります。)
代表の小池さんは「美容師としての技術を提供して笑顔になって帰ってもうらのは訪問もお店も同じ。でも訪問美容をやっているからこそ感じられることがあるんです。」と話します。

小池由貴子さん
伺うたびにお客様の様子が変わっていくのが嬉しいところで、始めて行った時は「私なんてキレイになれないから適当に切って!」と言われて、仕上がった姿を鏡で見ると「キレイになったわ。」なんて少し心が変わってきて、2回目になると「次はパーマかけてみようかしら。」って話になって3回目パーマをかけました。今度は「外へ出掛けてみようかな。」って外出するきっかけになったりするんです。行くたびに表情が変わってきたりとか、もっと違うスタイルにチャレンジしたいという気持ちが出てくるとやってて良かったなって思いますね。

▲バリアフリーの店内

▲バリアフリーの店内


巣鴨にあるお店の中は、全てバリアフリーです。シャンプー台も椅子を取り外せるので車椅子でも利用出来ます。個室があるのでウィッグのカットも出来ますし、お子さんが小さい場合も一緒に来られます。小池さんは「訪問美容の認知度はまだまだ低い。もちろん介護をしている中で1番大切なのは体のケアです。訪問美容は順位としては低いけど、容姿を整えることは気持ちの上でとても大切だと思う。もっとたくさんの人に知ってもらいたいです。」とも話していました。
広く知られるようになって、もっと気軽に訪問美容を利用出来る環境が整っていくと良いですね。

訪問美容「と和」のホームページ

(担当:楠葉絵美)