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「ビヨンセ」が2016年を象徴するアーティストと言われる理由

ジェーン・スー 生活は踊る

様々な媒体で今年の洋楽ベストソングが発表されています。ジャスティン・ビーバー、リアーナ、ブルーノマーズなどが「ヒット曲」を世に送り出していますが、そんな中、多くのメディアで今年ナンバー1に選ばれているのが「ビヨンセ」。なぜ彼女は今年、ここまで評価されているのか?自身も「ビヨンセ」を今年を象徴するアーティストにあげた音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんが解説!

生活は踊る161216

【高橋芳朗】
わたくし高橋芳朗が選ぶ2016年のベストソングは……ビヨンセの『Formation』です!

【ジェーン・スー】
おーっ!

【高橋芳朗】
ビヨンセは来年2月に開催されるグラミー賞で最多の9部門でノミネートされているんですけど、この『Formation』も最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞の主要2部門にノミネートされています。実はこの曲、2016年最もグーグル検索された曲でもあるんですよ。

【ジェーン・スー】
この曲が?それは知らなかった!

【高橋芳朗】
他にも『Time』誌や『Rolling Stone』誌でもベストソングに選ばれています。

【ジェーン・スー】
いろんな意味で物議を醸して、なおかつ、いろんな人の意識を目覚めさせた曲ですね。

【高橋芳朗】
まさに。具体的な内容としては、人種差別を糾弾する曲であり、女性と黒人の自覚や誇り、連帯を促す曲でもある。要は『Formation』とはどんな曲かというと、ビヨンセが戦うフォーメーションに入ったこと、ビヨンセが戦闘態勢に入ったことを告げる曲なんですね。今年2月のNFLスーパーボウルのハーフタイムショウでビヨンセがこの曲を披露したとき、彼女と大勢の女性ダンサーは黒ずくめの衣装をまとってパフォーマンスを行ないましたが、あれは60~70年代に急進的な黒人解放運動を展開した政治組織「ブラック・パンサー党」のオマージュなんです。つまり、あれはビヨンセが差別やヘイトクライムに断固戦っていくという姿勢をアメリカ国民に示したということですね。

【ジェーン・スー】
はい。

【高橋芳朗】
で、このスーパーボウルのパフォーマンスでビヨンセは保守系のメディアや政治家からめちゃくちゃ叩かれたんです。スーパーボウルのような国民的イベントであんな政治的パフォーマンスを行なうなんてけしからん!と。2年前に日本でもサザンオールスターズの桑田佳祐さんが紅白歌合戦でチョビヒゲをつけて『ピースとハイライト』を歌ったら保守系の人たちから猛抗議を受けたことがありましたけど、状況的にはあれに似ているかもしれませんね。もちろん、ビヨンセはもっともっと過激なことをやったわけですが。

【ジェーン・スー】
うんうん。

【高橋芳朗】
でも、スーパーボウルのハーフタイムショウであんなパフォーマンスしたらどういう事態になるのか、そんなことはビヨンセだって重々承知していたと思うんですよ。ただ、それでも、ビヨンセが国民的一大イベントで敢えてああやって戦う態度を示さなくちゃいけないほど、いまのアメリカの差別やヘイトクライムは深刻なんだということなんだと思います。スーパーボウルの一件を受けて、老舗コメディ番組の『サタデーナイトライブ』で「ビヨンセが黒人になっちゃった!」って白人がパニックになるコントをやっていましたけど、それもそういうことですよね。もうビヨンセがみんなのポップスターではいられなくなってしまったんですよ。自分のアイデンティティーと向き合わざるを得なくなったというか。

【ジェーン・スー】
はい。

【高橋芳朗】
そんなわけで、混迷を深めるアメリカを象徴する曲として、あと、今年のポップミュージックの方向性を決定づけた曲として、このビヨンセの『Formation』をベストソングとして選んでみました。では聴いてください。ビヨンセで『Formation』です。

M1 Formation / Beyonce

高橋芳朗: はい。ビヨンセで『Formation』を聴いていただいております。そういえば、ビヨンセはスーパーボウル開催日の前の日にこの『Formation』をインターネット上でリリースしたんですよね。本来ああいうスーパーボウルのハーフタイムショウみたいな場では「みなさんおなじみのあの曲」をやるのが慣例になっているわけじゃないですか。そこを彼女は前日にネットで発表したプロテストソングをいきなりぶっこんできたわけですからね。うん、やっぱりこれは2016年どころかポップ音楽史に残る大事件であり名場面だったんじゃないかと思います。

(番組では他にもSiaの「The Greatest feat. Kendrick Lamar」、Kaytranada の 「Lite Spots」を紹介しました。)

※書き起こし byみやーん(文字起こし職人)

高橋芳朗のミュージックプレゼント 「2016年の裏表ベストソング」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20161216112320

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

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当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア(稀にかかる邦楽はディレクター選曲)。最新1週間のリストは以下です。

12/12(月)

(11:04) I.G.Y. / Donald Fagen
(11:43) I Can’t Go for That / Daryl Hall & John Oates
(12:14) Him / Rupert Holmes
(12:22) Eye in the Sky / The Alan Parsons Project
(12:51) Miss Sun / Boz Scaggs

12/13(火)

(11:04) Long Train Runnin’ / The Doobie Brothers
(11:43) Love The One You’re With / The Isley Brothers
(12:14) Saturday in the Park / Chicago
(12:51) If You Really Love Me / Stevie Wonder

12/14(水)

(11:04) It’s Too Late / Carole King
(11:43) Every Night / Paul McCartney
(12:16) Make it With You / Bread

12/15(木)

(11:02) My Sharona / The Knack
(11:17)  New York Groove / Ace Frehley
(12:16) Dance The Night Away / Van Halen
(12:51) Dream Police / Cheap Trick

12/16(金)

(11:02) Good Times / Chic
(12:13) I Wanna Be Your Lover / Prince
(12:23) Love You Inside Out / Bee Gees