日本全国8時です

2007年02月13日(火)

ケータイ小説

きょうの荒川さんは、最近はやりの「ケータイ小説」について。

去年のベストセラー・ノンフィクション部門は、トップ10に
ケータイ小説を書籍化したものが4点も入った。
売り上げでみれば、職業作家の作品より人気が高い。

携帯の画面に表示できるのは、100字くらい。
一文がとても短く、会話、独白、「・・・・」などが多い。ストーリーもワンパターン。
文学作品というものからは遠いが、普段書物を読まない若者や学生たちの
心にぴたりはまった。
ほとんどの人は、毎日携帯をつかう。
その時間が、通信だけではなく「創作」のひとときになるなら、
おもしろいし、意味もある

携帯でベストセラーになった人も、作家になろうという人はほとんどいない。
自分の書いたものが、読者を得るというところで
おおきな満足感、達成感がある。そこまでの世界。

★昔フランスで生まれた「コント」(小話)というジャンルがあった。
 短編小説よりさらに短く、エスプリのきいたもの。

たとえば「にんじん」で知られる
19世紀の作家ルナールの名作『博物誌』(1896)は70のコント集。

  • 「蝶」 →「二つ折りにしたこの恋文は、花の宛名をさがしている」
  • 「蛍」 →「いったい、どうしたんだろう。もう夜の9時なのに、あの家では、まだあかりがついている」
  • 「蛇」は、たった一行 →「長すぎる。」

ウィット、ユーモア、ペーソス、エロティシズムなど、
さまざまなニュアンスをとおしての人生の批評を含むもの。
日本では1890年北海道生れの作家岡田三郎が、フランスから大正12年帰国。
日本に初めて「コント」を紹介、実作。「20行小説」「30行小説」などはやらせた。
代表作は「誰が一番馬鹿か」(昭和5年)。

ほかに岸田国士、中河与一、川端康成(掌編小説)、
そこから星新一のショートショートに発展した。

つまり、短いものにも、名作はいっぱいある。
コント的なものと、ケータイ小説のちがいは、
文章がうまい・へた、文学作品かどうかということではない。

ケータイ小説には、もっぱら「自分」のことだけが、書き流される世界。
ケータイ小説が進化するには、ただ「・・・」にするのではなく、
しっかり言葉で埋める努力を払うこと。会話に逃げないこと。
身の回りではなく、少し遠いところ、他者の世界にも思いをめぐらすことが条件か。

でも、既製の作家たちが、あわてているのはたしか。
素材優先のだらだらした長編が多いなか、短い文の表現力をやしなう。
ケータイをつかうことで、文が簡潔になる傾向は、いいこと。

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2007年02月06日(火)

友だちの、友だち。

今日の荒川さんは、「友だちの友だち」について。
ひとり人を挟んだ人間関係のお話でした。

※こんな状況、ありませんか?
【AとBは親しい、気が合う。でもAは、Bの友人Cとは、そりが合わない】

 Bは、自分がAとCと親しいから、当然、三者みなが気が合うというふうに
 思いがちだが、いつもそうとは限らない。

※尾崎紅葉、明治29年の名作「多情多恨」(岩波文庫)では
 そうしたシチュエーションが登場します。

※文壇でもよくあるそうで。

 たとえば...【Aは、B(自分)の作品を高く評価する。
      ところが、Bが、あまり買わないCの作品を、Aが高く評価した】とき。

 Bは「同じにされてはこまる。Aは、ものがわからないのではないか」そう思う。

※だが「うまくいかない」ことから、学ぶことも。

 【Aは、自分(B)とも、自分が嫌いなCとも親しい】ということから、
  Aのなかにある人間性の幅といったものを、あらためて考える。
  人物に対する再確認の意識が生まれる。

※横光利一と川端康成との生涯を通した友情は、菊池寛のひとことから始まった。
 大正10年、小石川の菊池寛宅にて、川端(当時22)、横光(23)が会う。
 横光が先に帰ると、菊池寛は「あれはえらい男だ。友達になれ」と川端に言った。

 (中央公論社「日本の文学」37横光利一集より)

※いまは、嫌いな人とは最初から会わないことを心がける時代。
 これはとてももったいないこと、なのかもしれません。

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2007年01月30日(火)

悪文から学ぶ

きょうご紹介したのは、
中村明さんの『悪文』(ちくま学芸文庫・1月刊)。

名文について語る本は多いのですが、これは珍しく「悪文」について語る本。
悪い見本から名文への道が開けてくることも、あるようです。

荒川さん曰く、悪文を回避するポイントは。

1・欲張らず、センテンスをふやす。
2・時間をかけて書くと、あやしい箇所が見えてくるもの。

とのこと。

でもけっして文法の正しさだけに惑わされず、文の流れも大切に、とも。

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2007年01月23日(火)

漢字のドラマ

きょうは、漢字の意味についての話。
ひとつの漢字が、一般的なイメージの意味にとどまらない進化をしてきた事実に、
漢和辞典を読んでいると気づくことがあるそうです。


★漢字は、もとのままではいられない「生き物」。

ひとつの意味で使い切ると、そのうちに意味が逆流。そこにドラマがある。

※「ぜひ、生命感あふれた漢字を見つけてみてください」とのことでした。

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2007年01月16日(火)

小学生の国語辞典

教育が国会の大きなトピックとなる最中、荒川さんがきょう扱ったのは、

●小学生の国語辞典『例解学習国語辞典』(小学館・初版1965年。現在2001年の7版)。

   いまあらためて読むと、おもしろい、と。

※冒頭に編者・金田一京助さんのことば、
 「国語はわたしたち日本人のたからです。たいせつな国語をいかに正しく学ぶか。
   その手始めは小学校の国語学習です。この辞典をいつもそばに置いてください」

●荒川さんが少年時代、
 これで文学に出会ったという事典が『学習必携小事典』。

 これは文庫サイズ・288頁、新興出版社・啓文館の発行。当時で定価80円。
 いまは発行されていない。

 ※英語、数学、国語、国文法、地理、歴史、歴史、理科(二巻)、人名など九巻。
 ※手元には小学生のときに買った『国語』『地理』『理科(物理・化学編)』が
                                   まだ残っているそうです。

 一冊、実物を見せてもらったのですが、書き込みがびっしり。
 荒川少年の熱い思いがこめられていました。
 あの小さなサイズに、多彩で深い内容。いまにこそほしいような小事典です。

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