現場にアタック

2014年10月14日(火)

担当:近堂かおり

 

今日は、「フロッピーディスク」のお話です。

最近耳にしたニュースで、東芝で元々フロッピーディスクが作られていた工場が今は野菜工場になっていて、今月下旬には作られた野菜が初出荷されるそうなんです。

もはや、リストラされた過去のもの・・・と思っていたフロッピーですが、

実は、未だにリストラせず、現役で使っているところがありました。

 

京都で西陣織を作っている、「岱﨑織物株式会社」の社長、山﨑 清一郎さんのお話です。

 

 

例えば帯の場合、花の柄を起こすのに、そのフロッピーで出せるようになってる。昔は紋紙で、花だったら花の柄を出すという感じだったが、莫大な紙の枚数が要る、1万枚~千枚、それを機械にぶらさげて、それを上にあげるだけでも、機械につけるだけでも重たい。それをフロッピーを使うことによって、ボタン1つでできる。フロッピー化したら、管理もしやすい。紋紙は保管倉庫が要る。今だったら箱にボンボンと何枚も入るんだから。

 

 

 

西陣織の昔からの製法は、「紋紙」という穴の開いた型紙を縦につなげて、機械の上から垂らして織るというものですが、柄の大きさや色の多さによっては1万枚にもなり、それを機械の上にあげるのは大変な作業でした。

フロッピーにその紋紙のデザインをデータ化して入れると1枚機械に差し込むだけで済みます。

ですが、フロッピーは、2011年には日本でもう作られなくなってしまいました

それなのに、機械は現役。このままで大丈夫?と心配になってしまいます。

そこはさすがに対策がとられていて、新しい機械も既に作られています。

その機械の普及に努めている、京都市産業技術研究所の名所高一さんに聞きました。

 

 

西陣織を織るのに、縦糸を上げ下げするコントローラー全体を変えるやり方と、コントローラー部にフロッピードライブが内臓されている、フロッピードライブだけを変えるやり方。USBなりSDカードが使えるようになる。容量が高いのでいろんな柄が1枚に入れられるというメリットもあるし、パソコンで紋紙データが保存できるようになる。フロッピーの時代は、データはパソコンに入れられない、直接。フロッピーで保存しなきゃいけなかった。昔のパソコン使えたら直接見られるけど、中古でしか手に入らないので、データが飛んでしまうとデータのバックアップを取ってない限りまた1から作り直しになる。

 

 


西陣織を織るコントローラーについている、フロッピーを読み込める機械を部品交換して、USBやSDカードが読み込めるようにするということです。

西陣織に機械が取り入れられたのは20~30年前のことで、その当時はフロッピー全盛期でしたが、今はUSBやSDカードが主流ですし、容量も桁違い、またデータが読み込めなくなるリスクも考えると、新しい機械に変えたほうがよさそう。

ですが、実際には、まだ乗り換えた方はほとんどいらっしゃらないようなんです。

なぜなのか。再び、名所さんのお話です。

 

 

西陣は中小企業が多い、費用対効果の問題で、同じものを織るためにそれを買って、設備投資していただけない。安いものだったら5万くらい、高いものだったら何百万とするが、安いのでも操作がちょっと変わるので、西陣の織り手さんは比較的高齢な方が多く、60、50代でも若い、70代で織っている方もたくさんいる。高齢な方ほど新しい機械になかなか対応してもらえない。慣れるのに時間がかかる、敷居が高くなってくる、パソコンとかは。講習会は開いていて、いずれフロッピーは使えなくなる時代は来るので、そうならないうちに次の手を打ってくださいと、脱フロッピー目指される方がいいと思うけど、なかなかそれが難しいのが現状。

 

 

新しい機械の使い方を覚えるのは、お年寄りだと特に苦労が大きそうですよね。

携帯電話でいうと、せっかくガラケーを覚えたのに今度はスマホ、みたいな感じでしょうか(笑)?

 

ところが「岱﨑織物」の山﨑社長に聞くと、確かに織り手は高齢の方ばかりだからしんどいけど、会社にいる営業担当などの若手に使い方を教えてもらうこともできるし、また設備投資の資金にしても、最初にフロッピーの機械を導入した時は何百万円という投資が必要だったから、それに比べると5万円はそう高くはないよ、とおっしゃっていて、新しい機械に変えることはできるはできるそうなんです。

それなのに、西陣織の業界全体がなかなか新しい機械を導入できない事情を、山崎さんはこう話しています。

 

 

まだ先SDカードに変わるまでに年数かかると思う。古いのが出てきたとか、中古、辞めたところのフロッピーが出てくるとか、他業種の人がお分けします、あげますとか。その間にみんな高齢化して、この機械やめたら商売やめようという人もいる。そんだけ織物の需要もないから。最盛期の3割、4割になってるからね。1人2人若いのがいて知識あったら、機械入れても。何十年も続くのだったら。後継者がいないところはもうやめようかってなってくる。そういう声が聞こえるね

 

 

 

今ある機械を少しでも長く使えるように、フロッピーを買えるうちに何千枚と買い込んだ方もいるそうですが、それが無くなったら廃業となると、さみしいですね・・・。

 

一覧へ戻る

ページトップへ