現場にアタック

2014年04月15日(火)

担当:近堂かおり

 

 

今日は、「開かずの踏切」解消に向けて、東京都と住民が揉めているというお話です。

京王線の笹塚駅から仙川駅の間には、25か所「開かずの踏切」があって、どれもピーク時は1時間に40分以上開かないということなんですが、その「開かずの踏切」を、線路を高架化することで解消しようと、東京都が計画し、既に国の認可も下りたのですが、待ったをかけている方々がいる、ということなのです。

 

まずは、京王線の沿線住民にとっては高架と地下どっちがいいのか、聞いてきました。

 

 

 

●地下の方がいいですね。美観もいいじゃない、景観も。(高架だと)圧迫感がありますよね。 

●私は地上が見えた方がいいので。(地下だと)景色と、天気が分からないのがちょっと。

●絶対に地下がいいです。(高架だと)音もするし、それから家の中が見えちゃうでしょ。うちの子供達が神奈川にいるけど、こっち来るとうるさくて「よく眠れるね」なんて言う。

●皆さん地下の方がいいでしょうけど地下の方が(工事に)時間かかるでしょ。商売するには工事が長いのはね~。夜寝る時なんかもうるさいでしょうけど生活してる分には気にならない。

●どっちかというと高架がいいんじゃないの。高架にすると下も使えるじゃないですか。高架の方が安くできるんじゃないかと思ってるんですけど。

●正直どっちでもいい。とりあえず踏切がなくなればっていうのが正直な話ですね。

 

高架化が良いという人もいれば、騒音で困るという人もいて、さまざまです。

ただ都は、地下より高架の方がコストがかからないということを重視していて、話を聞いた中でもそういうイメージを持ってる人がいました。

 

そんな中で、京王線を利用する有志が、高架化に反対して訴訟を起こそうとしています。


その理由としては、騒音の問題や、高架橋を建てるにはその土地を確保するためのお金も時間もかかるなど、いろいろあるのですが、

もう一つ大きな問題があるんです。

それは、既に高架化されている、「八幡山」の駅にありました。どういうことなのか。


「京王線地下化実現訴訟の会」の柳 慎恵さんに伺いました。

 

 

 

 

実は、八幡山の高架橋というのは50年ぐらい前にできているんですね。我々が調べたところ、高架橋の杭なんですけれども、今の耐震基準を満たしてないんですよ。杭が浅いんですね。浅いということは地震が起きた時に大変危険ですし、50年経ったものをまた使うというのは非常に耐久性が悪くなります。で、我々の地下と言っているのはどういう地下かと言うと、ずっと八幡山の高架に上からず地下に潜ったまま、ずっと掘り続けるとすごく費用的には(東京都の地下化の試算よりも)安くできるんですよ。ですから値段の面もそうですけど、耐震面も考えて、八幡山の高架は撤去し、(予算の)計算を考えるべきだと思います。

 

都がそのまま使おうとしている、八幡山の駅は、古くて危ない、というのです。

実は、柳さんたちが考えている「地下化」と、東京都が試算の上で出した「地下化」は、ちょっと違うんです。

東京都は「地下化」といっても、八幡山だけは高架のままで、八幡山の前後だけ、ジェットコースターのように上がったり下がったりする方法を考えました。

柳さんたちの地下化は、八幡山駅も壊して、全部地下を走らせる、というもの。

 

それにしても、高架化でも地下化でも八幡山は高架のまま残して大丈夫なのか・・・。

都は、「耐震基準に基づいて耐震補強は行っている」と言っていますが、

柳さん達は、八幡山の耐震補強について

「耐震補強というのは地上に出ている部分を鉄板で巻いたりするもので、杭の深さは変わらないから危険」と反論しています。

 

それでも都は既に高架の八幡山駅を作りかえるのは合理的ではないと、コストの面を考えて高架化を進めようとしているのですが、コストを重視するのにはこんな理由もありました。

東京都建設局・鉄道関連事業課長の原田和生さんのお話です。

 

 

 

鉄道の連続立体交差事業を他でもやってほしいと言ってらっしゃる、待ってくれてる場所もいくつもありますから、まず、都市計画事業として事業費が安くて、その上で同じ効果が出せる構造形式があるのであれば、そちらを選んで事業を進めていくと。それはやっぱり我々も、説明をしっかりしながら、いろんな方がいますから、質疑応答にも答えて、理解と協力を得られるように今後ともしっかり努力していかなきゃいけないと思ってます

 

開かずの踏切は京王線だけじゃないということ。たしかに。

なので、コストが少しでもかからない方法を選ぶことで、次々と開かずの踏切に着手していきたいという考えなんです。

でも騒音対策は線路に壁を作るなど、ちゃんとやるし、住民への説明はしっかりしていくし、ということなのです。

 

 

「京王線地下化実現訴訟の会」の柳さんは、このように問題を指摘しています。

 

 

 

高架と地下で、地下の方が高いと言われてましたので、その計算根拠を検証しようと思って情報開示をしたのですが、その根拠になるもの全部伏せちゃうんです。数字を全部黒く塗りつぶしたものなんです。その後情報開示に対する不服申し立てをして一部の数字が開示されて、分かったものは用地費と、用地を買収するものの面積、個々のものは分からなかった。それで2年費やしました。でも税金なんですから、もっとちゃんと分かるように、説明責任を果たすべきなんですよね。東京都の計算式もどうなってるというのを教えてほしい。どっちがいいのかというのが分かる。納得したいですよね。

駅と駅の間が何mかまで黒塗りなのはちょっと酷い・・・。

東京都の原田さんに、こうなってしまった理由を聞いたところ、

東京都の情報公開条例にのっとって一部非開示としている。用地取得の交渉や、鉄道事業者による工事契約において、適切な入札が妨げされる恐れがあるということで非開示とした」 とのことでしたが・・・。

でもきちんと情報を開示しないことには、住民の信頼は得にくいのではないかな、と思いました。

私たちの税金で、私たちの街を変えるのだから、という柳さんたちの気持ちも分かります。

ぜひ、情報を透明化することで、より良い選択ができるような形になればいいな、と思います。

 

 

 

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