現場にアタック

2012年10月22日(月)

担当:白井京子

 

「国立総合児童センターこどもの城」が、2年半後に閉館されることが決定しました。

「こどもの城」は、渋谷や表参道の間という好立地にあり、

屋内アスレチックやプール、造形スタジオなど、こどもの遊び場がたくさんあります。

また「青山劇場」「青山円形劇場」という2つの劇場も併設されています。

岡本太郎さんの「こどもの樹」というモニュメントもあります。

そのこどもの城がどうしてなくなってしまうのか?

こどもの城、事業本部長の佐野真一さんのお話です。

 

 

閉館は私たちも大変残念。決定したのは国。

閉館の理由として国が今挙げているのは、ひとつは老朽化。

それから、日本の子供の健全育成の状況が、昔よりは良くなったから、

国立児童センターとしての役割はそろそろ終わったんじゃないだろうか。

大きな理由としてはこの2つを挙げている。

 

 

厚生労働省によると、こどもの城は建てられてから27年経ちますが、

改修工事のために120億円がかかるそうです。

そこで、そんなに古くなっているのか?実際こどもの城に行って見てきました。

まず驚いたのは、今まさに外壁の工事が行われている最中だったんです。

さらに、レストランも7月に改装したばかりだといいます。

国会議員の指摘では、毎年の修繕費用として3~5億円使っている

ということなので、大規模改修で120億というけれど、

毎年でならせば今の負担とそれほど変わらないのでは?

それでも国が、2年半後にこどもの城を閉館すると決めたのはなぜか。

ジャーナリストの猪熊弘子さんにうかがいました。

 

 

 

社会保障と税の一体改革。その中のひとつに、「子ども・子育て支援法」

という新しい法律ができた。それは消費税と一緒に2年半後に実施される。

閉館が2年半後というのはそれと一緒になるということ。

「子ども・子育て支援法」ができたことで、今こどもの城の運営の補助金に

なっている根拠が「児童手当法」という法律で決められているが、

国に、児童館を運営するような補助金がもうおりなくなるという風に、

法律を書き換えられてしまった。

財源を要は自治体に下ろすと言っているが、子育ての格差が

地域でますます広がることになるんじゃないかという心配はある

 

 

これまでは児童手当法というものがあって、全国の児童館のレベルアップのために、

国のモデル事業として「こどもの城」に予算が下りていた。

実際こどもの城は、遊びのプログラムを開発して広めたり、

育児支援をされている方の研修の場としても使われています。

ところが今度の「子ども・子育て支援法」は、全国の児童館のレベルアップは

今後は各自治体でやってください、という考えで、

国の事業としてこどもの城に落としていたお金を各自治体に分ける。

つまり、こどもの城にお金が入らなくなっちゃったんです。

もちろん東京都にも分配されるわけですが、そのお金を、すべて

この「こどもの城」の維持にあてるわけにもいきませんよね。。。

「こどもの城」としては、維持費の存続が難しいと判断し、

泣く泣くこどもの城の閉館を決断することになりました。

 

この閉館に、実際にこどもの城に来ていたお母さんはどう思っているのか?

 

☆大反対です。親子の教室が一歳代にあってそこに週一回来ていた。

幼稚園の時は毎日通ったし、今は新体操に通ってるので、

ショックを受けた。娘もショックで。

☆所都内では遊べる場所がない。これ以上いい施設、いいものって提供できるのか。

考えられない。反対。

☆理由が、民間の施設で代わりになるものがでてきて十分役目を

果たされたということだが、料金も高い。民間の施設の場合は。

☆地域に揃ったって言いますけど、代わりの施設があるっていうことを

どこから発想したのか。ぜひ、存在価値がいかにあるのか確認していただきたい。

 

 

いろんな方に話を聞きましたが、「こどもの城がなくなっても大丈夫」

というお母さんは一人もいませんでした。

それに、利用者も決して減っていないそうで、

昨年度はその前の年より5万人増えて、85万人が利用しています。

そんな中、こどもの城の閉館に反対する人たちが動き始めました。

「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願う有志の会」

呼びかけ人の一人で、NPO法人恩方キッズの会長、野村芳樹さんのお話です。

 

 

 

学童保育でNPOの運営やっているが、ここに指導員の人たちを

研修に来させて、いろんなプログラムをもって帰ったりということやっていて、

この問題についてはすごく怒ってます。有志の会で、

署名用紙をダウンロードできるようになっている。目標は10万人署名を集める。

特に、国が一回決めたことを覆すというのは並大抵のことじゃないと

思いますから、10万人の線は譲れないという風に思ってます。

 

 

署名活動を初めておよそ1週間で、インターネット署名では既に

2千人以上の賛同者が集まっています。28日の日曜日には、

こどもの城の前でも署名活動を行うということです。さらに、

自治体も動き出しました。こどもの城がある渋谷区の区議会は17日、

「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の閉館の見直しを求める意見書」を

全会一致で採択しました。

 

厚生労働省に聞いてみましたが、何を聞いても

「プレスリリースに書いてある通りです」との一点張り。

とにかく老朽化が問題で、120億円は出せないということ。

「署名活動も始まっていますよ」と言ったら、

「そうですか。署名が届いてから考えます」と言っていました。

署名が届いた時には、きちんと耳を傾けてほしいですね。

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