現場にアタック

2012年05月03日(木)

担当:岡島知世


ペット葬儀に関するお話です。
先月、大手スーパーのイオンも日本最大のペット葬儀社と提携参入しました。
今年も、ペット葬儀業者の多くは、過去最高の受注状況となっていて、
今、ペット葬儀ビジネスが増え続けています。
しかし、一方でトラブルも相次ぎ多いのが現状。
一体どんな被害があるのか、国民生活センター 加藤玲子さんのお話。


    ペットに関する相談は年々増加傾向。
    ペット葬儀に関するトラブルは・・・
    ・犬の火葬をしてもらったところ、受け取った骨の中に他の犬の首輪が入っていた。
    ・自宅近くで火葬ができて、棺にも入れてくれるので依頼。
     しかし、当日、火葬場が変更、棺にも入れずに火葬が始まってしまった。
    という相談です。


火葬場をめぐるトラブルもあり、「匂い」や「煙」、大気汚染の心配といった声も。
というのも、ペット葬儀業は現在、国の法規制が整備されていません。
いわゆる「無法地帯」で誰でも参入できるため悪徳業者が相次ぐというのです。
しかも、どこでも火葬場を設けられるので、「近隣トラブルおかまいなし」という企業も。

そこで、こうした実態を受けて、ようやく国が動き始めました。
民主党が今年2月から「動物愛護対策ワーキングチーム」を立ち上げ、
実際にそこに参加している人にどういった話がされているのか伺いました。
動物霊園・火葬埋葬法の制定をめざす会 代表の坂川逸海さんのお話。


    民主党のワーキングチームでの話し合いは、動物愛護管理法の改正がメイン。
    その中で、ペット葬儀社を盛り込むにはどのような規制のかけ方があるか提案した。
    主に「登録制」、ペット葬儀社も許可制の導入を中心に話をさせていただいた。


誰でも簡単に開業できないように、ペット火葬に関する規定を作ったり、
登録条件として開業後の厳しい取締りなどを設けて、
行政の管理下で徹底的に悪徳業者をなくしていこう
ということ。
ただ、悪徳業者の被害が多い自治体ではすでに独自で条例を定めている所もありますが、
そうではなく、国として全国共通で厳しくやろうという話なんです。

ところが! ・・・はじめてみたら、なかなか思うように進まない問題がありました。
この法律化に強く「反対」を示す自治体が多かったのです。
どうして反対なのか、某自治体・職員の声です。


    まぁ、反対ですね。
    いや逆に・・・あんまり、作ってほしいと思っている自治体の方が少ないかも。
    ペットに関しては特に固定火葬炉、そして移動火葬車で、
    近隣から苦情があるといった問題があると思う。
    そういったものに基準を定めるということで、色々な分野で規制が入ることになる。
    自治体職員としては正直、自治体の仕事量も相当ありますので、
    これ以上増やされると、公務員も少ないので、困るという感想はある。


ペット火葬の方法は大きく分けると「固定型」「移動型」
「固定型」はそのまま固定された施設として火葬炉を設置。
「移動型」は車の荷台に火葬炉を積み込んでお客の前で火葬したり、
どこかに一旦いなくなって見えない所で火葬してくるケースも。

今までの範囲を超えたことをやらなくてはならなくなり、様々な問題が絡むので、
自治体は負担が増えて大変だと。
こうした反対の声は国が出している「自治体からの意見書」にも多くありました。
悪徳業者を全国で「取り締まるべき!」という法改正派と、
自治体の負担が大きいから「法改正は反対!」という意見の平行線をたどっています。
この状況で、国はこれからどう動いていくのか。
再び坂川さんにお伺いしました。


    難しいのはペット葬儀業の火葬場については環境問題が主じゃないかとか、
    すでに自治体で条例を設けているところもあるじゃないかとか色んな問題がある。
    なかなかどういうふうにまとめていいのかというところで、
    広範囲にわたるため、現実問題ちょっと後回しになっているところです。


結局、国は「動いた」ことは動いたが、「止まってしまった」。
坂川さん曰く、少子高齢化などの流れもあってか、
高齢の方々が動物を「子ども」として飼う割合が10年前くらいから多く、
これからさらにペット葬儀を利用する人は増えていく可能性があるります。
そうなればまた国が足踏みしている間に悪徳業者が増えて、
被害が起きるという悪循環になりかねません。
もっと国には、本腰を入れて我々市民と向かい合ってほしいと思います。
 

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