トークパレット水曜日「ものめぐり」

2012年03月28日(水)
 今日は、最近ではすっかり定着した、樹脂製のエコタンブラーのように見える携帯型浄水器を紹介します。4月発売の「クリンスイ タンブラー」という商品で、値段は3150円。メーカーは三菱レイヨン・クリンスイ。このタンブラーの中には10センチほどの長さの筒(浄水フィルター)が入っていて、タンブラーに水道の水を入れて、フタを閉め、しゃかしゃかと振ると、おいしい水になるという商品。水道水のなかに残っていた消毒用の塩素を浄化してくれます。タンブラーですので、そのまま口をつけて飲んじゃえる、という商品です。

 似たような商品は、ごく一部の輸入品や雑貨メーカーからわずかに出ていましたが、浄水器メーカーとして、このようなタンブラータイプの浄水器を登場させるのは世界初。1カ月に一度くらい、フィルターの交換が必要で、1本あたり1000円ほど、本体とは別にお金がかかります。このクリンスイ タンブラー、持ってみてください。普通のエコタンブラーよりフィルターがあるぶんだけ重いけれど、確かにカバンに入れて持ち運ぶのにさほど苦にはならないサイズですし、重さです。フタを閉めれば中の水が漏れることもありませんでした。今日は発売前の商品をお借りして、どのようなシーンで威力が発揮できそうか、試してみました。

 まず「カルキ臭」という言葉がありますが、これは浄水場で消毒のために使われる塩素が残っている臭い。1リットルあたり0.4ミリグラム以上の塩素が残っていると、結構臭いがします。臭いがなくても舌に違和感が残る、というのがだいたい0.2~0.3ミリグラム。では、クリンスイ タンブラーで、どれだけ水道水の塩素が取り除けるのか。大きな体温計のような計測器、水道水用の「残留塩素チェッカー」を使い、計測しました。比較用として、同社のポット型の浄水器(3000円程度)も用意しました。冷蔵庫に入れて、自宅で使うタイプ。先に結果をお伝えすると、クリンスイ タンブラーは十分合格点。超小型だからと侮れませんでした。

 使った水は、東京・練馬区の私の自宅の水。蛇口からひねって出した水をそのまま測ると、塩素濃度は約0.3ミリグラム。カルキ臭くて堪らないというほどではないけれど、雑味は感じられます。これを、クリンスイ タンブラーに注いで、しゃかしゃか振りました。

 振る時間によって味は変わりますが、15秒で実用レベル。負担は少ないと思います。5秒間振ると、塩素は0.1ミリグラム以下になりましたが、飲んでみると、舌に若干の違和感が残ります。15秒間でも、塩素の量は5秒と同じくらい。ただ、飲んでみると、雑味がほぼなくなりました。さらに30秒振ると、雑味は全く無くていいくらいになりました。こちらも塩素の数字はあまり変わらず。また、しゃかりきに振らなくてもちゃんと塩素は取れます。ユラユラと、スナップを効かせて振るくらいで、先ほどのような結果は得られました。ただし......メーカーの担当者に聞くと、塩素の残留量が多くなるのはこれから夏にかけて。夏は、もう少し長く振っていただく必要があるかもしれませんとのこと。私の家の近くの公園の蛇口から出る水でもチェックしましたが、結果は家の水道と同じでした。

 比較用に用意したポットは、0.05ミリグラム以下と、携帯型よりもいい値が出ていました。とはいえ、水を両者で飲み比べてみると、クリンスイ タンブラーのほうが決定的に劣るとは言えなかった。何も言われず比べたら、分からない人も多いのではないか、というくらいの差でした。メーカーによりますと、フィルターの種類が違って、ポットのほうが高性能だということ。(基本は活性炭ですが、ポット型には「中空糸膜」が入っている)この点について、担当者は「我が社はずっと性能のアピールをし続けてきた会社。性能がやや劣っても、使い勝手(外に持ち運べて、そのまま飲めること)を優先しようというのは、新しい決断でした」といいます。最低限の性能が担保されていて、使い勝手重視や価格を抑えると言う動き、先日パンメーカーもご紹介しましたが、これからのトレンドになっていくかもしれない、と、担当者の話を聞いていて感じました。

 最後に、想定される利用シーンについて。家で使うなら、より多くの水道水を浄化できるポット型でいいし、オフィスでいうと、大型のミネラルウォーターサーバーを置いている所も少なくありません。ではどういったシーンにターゲットを当てたのか。残っている場所というと、外出先ですね。朝や週末のジョギング、サッカー、野球を楽しむ人が、これをポーチの中などに忍ばせておいて、グランドなどにある蛇口から水を注いで、ゴクゴク飲む、という感じ。とりわけ、私なら子どもに持たせたい。昔は水道水が当たり前でしたが、家で飲む水が水道水のまま、という家庭は減っていると思います。こうした生活を送っていると、水道水は結構キツイ。かといってペットボトル代も馬鹿にならない。うちの息子など、スポーツ教室にもたせた水筒、いつもからっぽで、足りないと言っています。

 メーカーも、小学生から10代の学生に持ち歩いてもらって水道水の意外なおいしさを知ってほしい、と言います。これはちょっと意外な調査結果なのですが、同社が東京の水道水のミネラル分を測ったら、有名どころのミネラルウォーター3製品よりも、ミネラル分が多かったそうです。身体をよく動かす若い人にとって、水道水でいいじゃない、と思わせる契機になる、そんな商品であると思いました。月々のフィルター代はかかるものの、これなら飲料代を気にせず、蛇口のある場所である限り、好きなときに、浄化した水をゴクゴク飲めるわけです。

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