現場にアタック

2012年02月08日(水)

担当:近堂かおり

 

 

 

昨日の日経産業新聞に、「医療機器メーカー大手のテルモが、8日(つまり今日)から『靴下』を発売する」という記事がありました。

どうしてテルモが靴下を・・・??

調べてみると、その靴下は、広島県の靴下メーカーが作っていることが分かりました。


コーポレーションパールスター」という会社。専務の新宅光男さんに、その靴下についてお聞きしました。

 

 

この靴下は広島大学の浦辺教授と一緒に開発した産学官連携の靴下です。

高齢者の転倒は室内の転倒事故の方が多い。68%くらい。

事故の原因はじゅうたんの端、敷居、電気コード、これらにつまづくんです。これらが0・5~3センチ。

この靴下は足をちょっと浮かした時に0・5~3センチの高さをクリアできます。

足を浮かした時に足先が少し上がる。そういう機能を持った靴下です。

~

 

 

高齢者の転倒防止のための靴下だったのです。

高齢者で、介護が必要になった原因のうち、「骨折・転倒」が10%(厚生労働省の調べ)。

高齢者の医療費がこれから増えて大変といわれているなか、治療はもとより予防に注目が集まっていますよね。

そこで、そこにテルモが目をつけた、というわけです。

 

 

その靴下がこちらです

 

 

転倒防止靴下.bmpのサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

足先が少し上がるって言ってたけど、どうして上げるのでしょうか?

高齢者がつまづいてしまうのは、歩く時に足の爪先が上がりにくくなるから

広島大学の浦辺教授の研究の結果、3センチくらいの高さを越えるためには、爪先の角度が14度持ち上がればいい。

この靴下はそうなっているのです。

 

足の甲の部分はきつめに編んで、足の裏の部分は緩めに編んである

こうすることで、足を浮かせると自然と爪先が持ち上がりやすくなっている。

きつく編まれた方に自然と引っ張られるようになっている、ということ。

 

実際に履いてみました(^^)


靴下1.bmp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(右足の指先が上がっているの、分かりますか??左足はただのタイツです。

念のため、反対側からも撮影・・・・・してみます。)

 

靴下2.bmpのサムネール画像 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(力を入れないでいすに座った状態で、このくらい持ち上がるんです。

ひゅっっと、上がってしまう、という感覚、とでも言えばいいのでしょうか。

引っ張られているような感じは意外としません。。)

 

 

 

新宅さんは、この靴下の開発するので、高齢者の転倒について色々調べているなかで、

「靴下」の問題が結構あることに気がついたといいいます。

再び新宅さんのお話。

 


 

 

実は、高齢者は足がむくんで、靴下のゴムを嫌っている。それでゴムなし靴下とか色々あるのだが、ゴムが緩い靴下やゴムなし靴下は、前へ前へ、爪先の方に靴下が脱げていきますよね。

その状態で室内を歩くと、危ないです。ひっかかるというか。

だからわざわざゴムを切る高齢者もいるが、それは危ない転倒事故を招くケースもある。

~

 

 

こういうことも意外と知られていないのです。

また、知っている靴下メーカーや医療関係者でも、それが高齢者の転倒対策になかなか結びついていなかったのです。

そこで、緩い靴下が好きな高齢者のための靴下もだんだん出てきました。

医療機関や介護施設など回っている販売会社「リリーネット」の金子正純さんのお話。

 

 

ゴムなし靴下は欠点として、爪先が前にずれてくる。そこで作られたのがゴムなしの足首のところにストップ機能をつけて、前にずれない靴下。

病院の中での転倒事故も、その対策といっても患者への注意喚起程度のもので、具体的にモノを使って転倒予防対策というのは少ないんですね。

靴下がそういう機能ができるという考えはとんどなかったので、理解してもらうのも時間がかかっている最中です。

靴下のはき口は緩いが、かかとの少し上の部分の編み方を工夫して、足首から下は、爪先方向にずれないようになっている。

 

金子さんはこの靴下を持って、色々な病院や介護施設の人と話をしたが、転倒防止の道具として、日用品の「靴下」を見直すという発想は、靴下業界でも医療業界でも、意外にもこれまでほとんどなかったという。

 

靴下の改良が意外にも見過ごされていた。灯台、もと暗し。ですね。

よく見かける滑り止め付きの靴下も、高齢者のすり足の歩き方だと、かえって引っかかってしまって危険なのだそう。

人によっては、歩きにくさも感じるそうですよ。

 

靴下で転倒防止・・・という発想が徐々に広がりつつあるが、まだまだこれから。

 


そんな中、いち早く高齢者の靴下を生み出し、その改良に取り組んでいる人がいました。

それもなんと高校生千葉県・八千代松陰高校の松村くん

 

 

お年寄りがはきやすくて、転倒を防ぐことができるのを目的に作りました。

靴下の両脇にヒモがついていて、ヒモを引っ張ると靴下が4分の1の長さに縮んでそこに爪先を入れて伸ばすだけではけるものです。

あとは転倒防止のものを工夫して、布で、足首が曲がっちゃいけない方向にテーピングと同じ効果が出るようにやりました。

祖父はよく釣りに行くんですが、捻挫してしまって、本当に大変そうにはいていたのを憶えてます。

松村くんはテニスをやっていたのでテーピングの知識があり、靴下を布のベルトで補強することで同じ効果をねらったそうです。

また高齢者は、そもそも靴下をはくこと自体が大変だということが重要だと考え、巾着袋のヒモのようなものを靴下の両脇につけ、短い時間ではけるように工夫した。

 

松村くんはこの靴下をあるメーカーに持ち込み、アイデアは認められたが、残念ながら複雑な作りなので工場では作れなかったということでした。

大学ではマーケティングを勉強して靴下の開発につなげたいと話してくれました。特許も申請中。

 

高齢者の靴下、まだ改良の余地あり。

高齢者の転倒が減れば介護も減って、医療費削減にもつながるわけですが、靴下がその一助になるか

 

注目ですね!

 

 

 

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