現場にアタック

2011年12月26日(月)

担当:白井京子

 

今日は、文京区の小石川植物園の壁の改修をめぐってもめているという話。

今年度始まった改修工事なんですが、色々と問題になっている。

まずは、どんな工事をしているのか。文京区の佐久間康一さんにお聞きしました。

 

元々は平成になる前に植物園の周りの塀が老朽化して、見た目も汚れていると

住民の方から持ち主である東大に改修の要望があがっていた。

東大としては費用的な面で単独ではできないと文京区と協力した。

平成21年に協定を結び、区が歩道の拡幅をするのに東大の土地を無償で使い、

その変わり塀を改修するという事になった。

 

戦後に作られた現在のコンクリートの壁は60年以上経過しているので途中で

剥がれてしまっていたり、見た目も汚いと周辺住民から長い間改修要望もあったが、

植物園の所有は東大であったためなかなか工事ができなかったが、

今年度東大と文京区が共同で、改修することになった。

 

こいしかわimage.JPG私も見に行ってみましたが確かにちょっと不気味な壁が続き、周りの歩道も狭く、

もう少し広くした方が良いと感じた。しかしそこで問題が。

持ち主の東大が「区が工事をする変わりに、植物園の一部を区道用地として

永久に貸与する」という点に反対している住民の方もいるんです。

「小石川植物園を守る会」の稲葉さんに聞きました。

 

 塀を改修するのは良いことだと思っているが、改修する交換条件で敷地が形状も

変わり減ってしまう事に疑問を投げかけている。植物園は、吉宗の時代から

300年以上も続いてきて、それを今回の計画で小さくなるのは残念だなと思う。

 

 

江戸時代からある小石川植物園は日本最古の植物園で、名称は変わっているが、

明治時代以降形は全く変わっていない。そんな歴史のある施設を今回の工事で

1200平米、今までの壁から平均1、5メートルを道路の拡張に提供される。

守る会では、形を変えずに、塀だけ変えればいいじゃないか。という意見で、

反対署名を集め、1ヶ月で3000以上集まり区と東大に提出。

さらに、歴史だけでなく、園内の生態系からも工事を疑問視する声もありました。

東京大学の生物学者、多田さんのお話です。

 

生態学の観点からみると、貴重な植物がたくさんある。

園内は関東タンポポなど在来種の宝庫になっている。

虫も鳥も、元々の自然のまま生き残っているので貴重。

そこに外から種が入ってこないか心配している。

 

計画では、重要な植物は園内の他の場所に移す事になっていますが、

移した先でも生態系ができているため何らかの影響がでるかもしれない。

さらに壁際の雑草ですら貴重なので、削られる幅以上にすごい影響が出てしまう

可能性がある。やはり植物園の敷地を減らさないでできないものか。という意見でした。

そうした反対の意見が寄せられている事に

工事する側はどう思っているのか、再び佐久間さんに聞きました。

 

反対されている方もいますし、むしろ(道を)もっと広げて欲しいという方もいる。

意見はそれぞれ違っているが、貴重な樹木については守るように計画したり

配慮はしたが、「全く削らないでくれ」という要望には応えられていない。

立場で要望が違うのでなかなか難しい。

 

 

もちろん、工事に賛成の声もあるので仕方ない部分もあるんですが、

いくつも意見が出て来てしまってすべてに答えられない。

今の所、工事はこのまま続けていくようですが...

削らせているimage.jpeg

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