トークパレット水曜日「ものめぐり」

2011年09月21日(水)
 今日ご紹介するのは、直径35センチほどの円盤型の機械。掃除ロボットです。部屋の中を自分で動き回ってくれて、床掃除をしてくれるというのが謳い文句の家電製品。これまで、アメリカiRobotの「ルンバ」の独壇場でしたが、来月1日に東芝ホームアプライアンスが「スマーボ」という新製品を投入、一方のルンバも、1週間後にモデルチェンジ商品を出して、迎え撃ちます。実は、東芝のスマーボは韓国のサムスン製で、それを日本仕様に改良したもの、とのこと。動作音を静かにしたり、床の拭き掃除ができる機能をつけたり、など日本人の生活スタイルに合わせて、改良をほどこしていますが、それだけあってちょっと高価。予想実売価格は9万円前後です。
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 お掃除ロボット、安いものでは1万円前後からありますが、高いと言われるルンバでも、売れ筋の最上位機種が8万円。それよりも1万円高いことになります。掃除ロボットの市場は年々伸び続けていて、3年前からすると5倍の規模。こうした中、掃除ロボットの代表格であるルンバでは、2009年から2010年にかけて売り上げ倍増と好調。今年10月~来年3月までの向こう半年で、10万台の販売計画を立てています。東芝の登場で、掃除ロボットの勢力図は変わるのか。実際に両機種を比較しました。

 掃除ロボットは、広い家でないと意味が無い、という話も聞きますが、都心の狭小住宅やマンションなど、テーブルやソファなどの障害物がところ狭しと並んでいる家で、くまなく掃除をしてくれるのか。小さな部屋や、部屋との境の段差も乗り越えられるのか。このあたりが気になって、なかなか買えない、という人も多いかと思います。今回、実験したのは私の家。2階建ての一軒家なのですが、1階のリビング(10畳強)と和室(6畳)で、試してみました。そしてもうひとつ気になるのは、部屋の隅々までやってくれるのか。こちらも、綿ぼこりや、プラスチックでできた細かな粒状の人工的なゴミを、部屋の中心部、部屋の隅、それと壁際に沿うような形に、合計10か所に分けてまきました。それぞれの部屋で同じテストを2度ずつやっています。

 東芝とルンバ、違いは出ました。掃除の時間は、両機種とも30分程度とあまり差はありませんでしたが、 ゴミの取れ具合には差が出ました。ルンバは合格点。狭い部屋でも、そしてフローリングも和室も、どちらもほぼゴミを取りきりました。北村: フローリングのリビングは、細かなプラスチックの粒ゴミが部屋全体で3粒残った程度。和室のほうでは、部屋の角のうち1つだけ、置いておいたゴミを完全に取り残すという残念な部分もありましたが、あとはすべてのゴミを吸い取っていますので、日常的な使用では、事足りる結果だと思います。一方の東芝は、及第点ギリギリ。大半のゴミを取り除いてくれましたが、フローリング、和室とも、角に近い場所の2カ所にゴミを多く残しました。今回のチェックを見る限り、ルンバのほうが優勢という結果。

 段差も気になる部分ですが、2機種とも、ドア周りの段差や、絨毯部分など、2~3センチの段差は、難なく乗り上げて掃除してくれました。また、本体の幅、およそ35センチですが、数センチ広ければ、入り込んでくれます。2機種の動きを見て気づいたのは、本体の動き方に考えの違いがある、ということ。東芝は、人が部屋に雑巾掛けをするときのような動き。順番に等間隔で位置をずらしながら床をまじめに往復していく。「念入りモード」を利用すると、手前と奥とを往復したあと、今後は90度角度を変えて、また部屋の左右を往復する。つまり、床面を2度、角度を変えて網羅するかたち。これに対してルンバは、縦横斜め、好き勝手に動いていく。一見ムダに見えるのですが、平均4回は同じ箇所を掃除しているようです。さらに、本体にゴミを多く吸い込んだ瞬間に、それを感知するセンサーがついていて、ゴミが多い場所を通ると、そのあたりを何度もしつこく動き回る。部屋にはいろんな場所に障害物があるので、ランダムに動くルンバに軍配があがっています。

 一方、東芝の一番のメリットは、音が静かだということ。ルンバでも58デシベル程度と静かですが、東芝は52デシベルと更に静か。夜に使ってもまず大丈夫だと思います。また、障害物に当たらないように運転してくれるモードも搭載しています。ルンバでも、壁や家具に傷がつくほどの強さで当たるわけではないのですが、それでもぶつかる。東芝は寸止めするセンサー設計になっているので、頻繁に当たらないようにすることができます。ただ、今回使ってみると、テーブルの足や、でっぱって配置した家具には、ときおりぶつかっていました。東芝に確認すると、これはセンサーの位置の関係で感知しきれないということで、完璧ではないとのこと。

 結論。

 ルンバの新機種、これは「買い」だと思います。日常の掃除の手間を軽減してくれる域に達している。掃除の頻度にもよりますが、共働きで忙しいご家庭、あるいは掃除の手間が大変な高齢者の方は、時間や体力と引換に考えると、8万円という価格は、決して高くないと思います。一方で、東芝は今回の結果を見る限り、満足までは今一歩。「ぶつからない」機能が必要ならこちら。それでも高いなあ、と思う人は多いかと思います。ひとつ、考え方を述べますと高性能なサイクロン掃除機が8万円程度しますから、このような掃除機を買おうと思っているなら、同価格の掃除ロボットは強力な選択肢になるのではないでしょうか。両メーカー共に、当面価格を下げる予定はない、とのことですので、値下がりを待つ、というよりも、欲しい時に買う、と行動したほうが良さそうです。

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