現場にアタック

2011年05月26日(木)

担当:岡島知世

 

 

今年は福島原発事故の影響で電力不足が心配され節電に注目が集まっていますが、、、
そんな中、お湯で電気を発電できる装置があるようなんです。
どういうことなのか?装置を開発をした

慶應義塾大学・環境情報学部教授の
武藤佳恭さんに伺いました。


    簡単に言うとお湯と水の熱エネルギーを電気に変換する。

    今から190年程前に発見されたゼーベック効果を利用して

    ゼーベック素子の半導体を使って発電する。
    発電は温度差の二乗に比例するので温度差が大きいと発電量は増える。
    4×4センチのゼーベック素子を使い90℃の温度差で5ワット発電できる。


お湯と水の温度差を利用して発電するそうなんです。
実際に温度差を利用した発電装置を見せて頂いたんですが、
形は15センチほどのパイプが二股になったM字形の装置で

片側に4本ずつ合計8本のパイプがありM字の真ん中の部分に
温度差を電気に変えるゼーベック素子という大きさが4×4センチ、
厚さ2ミリほどの半導体があります。

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そして本当に温度差を使って電気が点くのかを見せてもらう為に
90℃のお湯と氷水で実験すると・・・およそ5ワットの電気が発電され、
3つあるLEDがちゃんと点灯しました。

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実際に見ると部屋に付いている蛍光灯よりも相当明るく感じたんですが
ただここで気になるのがこの温度差発電「ゼーベック」の効果は
およそ190年前に発見されているのに

いままでほとんど見た事もないですし利用されているという話もあまり聞きません。
そこで武藤教授になぜそんな状況なのか?その理由を聞いてみました。
    

    従来型がうまくいかなかったのは銅板を使うことで半分の温度差しか
    取れないから。たとえば100℃のお湯と0℃の水を使っても温度差は50℃のみ。

    ただ今回の装置はヒートパイプを使った。

    ヒートパイプは中は真空でチョットの純水。気圧は0に近いので沸点が低い。

    つまり熱い方も冷たい方もゼーベック素子の方に熱がばっと行くので温度のロスが無い。
    直接、ゼーベック素子に熱が伝わる。理論的には3倍性能UP。


今回の装置ではロス無く温度を伝えることで温度差発電の力がおよそ3倍にアップて

100℃の温度差を作る事が出来れば最高10ワットの電気を発電できるそうです。
ちなみにパソコンが必要とする電力は約20ワットなので、
この装置2台でパソlコンが使用可能になるということなんです。
とても画期的な装置なんですが

実はすでにこの装置の発電力に注目して実証実験にも参加した自治体がありました。
熱海温泉のある熱海市なんですがどんな実験をしたのか?
熱海市役所・総務部・参事の石渡久照さんにお話を伺いました。


    熱海の源泉で2週間・24時間システムが動くかの実験。
    実は熱海の温泉は熱く、90℃以上あるのでそのままでは熱くて
    ほとんどが捨てられる。

    その捨てられる源泉を利用してLEDを100個点灯させた。
    熱海市としても財政が厳しく、温泉エネルギーを活用して

    少しでも電力が作れるのは魅力的。
    そして簡単な装置での発電はあっている。


普段は捨てている熱い温泉を使っての発電だから一石二鳥!
熱海市での実験は去年の12月に実施されたんですが見事に成功しています。
しかも今回の温度差発電装置はコスト的には1万円ぐらいで作れるそうで
熱い源泉と水があれば半永久的に発電するので非常に便利。
そして武藤教授のところには東日本大震災以降、

温度差発電装置の温泉地への設置を地震学者の方からも進められたようなんです。

    

    実は東日本大震災の1週間くらい前から源泉の温度が変化している。
    逆に温度差を測定して地震予知をしてくれと要望が来ている。
    お湯と水を使い自分で発電して温度を測定してネットに送る。
    その装置を全国に置けば地震予知に使えるのではと言われた。

 

温度差発電装置には利用法が色々あるということなんです。
実は武藤教授はすでにお湯と空気での温度差発電や、

ロウソクと空気の温度差を利用しての発電装置も開発しています。
ロウソクと空気の装置では、約1.7ワット発電するので、
携帯電話が充電できるぐらいの電力があるんだそうです。

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そして、武藤教授はとにかく温度差を作ることでいくらでも発電はできるし

活用法はいくらでもあるとこんな話をしてくれました。

  
 

    厨房や風呂のガス釜とか車のエンジンなど

    非常に大きな排熱を毎日人間が出すが気づいて無い。
    気づいていないということは捨てているという事。
    見えない所には一杯エネルギーがあるが使ってなかった。
    それを使っていく時代にこれから入っていくのではないかと感じています。


お湯と水を使った温度差発電装置とロウソクと空気を使った温度差発電装置は、
すでに実用化できるレベルまできていて近々みなさんも目にする機会があるかもしれません。

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