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2015年7月 アーカイブ

2015年7月 1日

2015年06月28日Part1 「いまヤバい!人文社会系」

撮影:会田邦秋
P6292269.JPG


「いまヤバイ!人文社会系」Part1

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◯なぜ人文社会系?
・日本の中に一定程度存在する反知性主義(charlie)
 →何かに使える知識以外はあってもなくてもいいという感覚(charlie)
・「役に立つことを示す/示さない」は学問の話と関係ない(charlie)
 →ヤバい!という感覚を巡って話をしたい(charlie)
・山根万理奈さんのNEWアルバム、25歳ならではの感情を歌った曲(charlie)

◯出演者それぞれの「ヤバい」体験や思い出それぞれ
・一番やばかったゲンロンカフェイベント(メール)
 →東浩紀×大山顕「ショッピングモールから考える」(メール)
 →「オアシス」「エデン」「コーラン」タイトルから想像できない内容(メール)
 →「僕が言いたかったヤバい!はこういうこと!」(charlie)
 →こういう単語が並んだ瞬間のワクワクと危なさが昔はあった(charlie)
・全然繋がらない単語をどうやって繋げて話すのかワクワクした授業(斎藤)
・「アドラー外伝Podcastはヤバかった」という意見を頂いている(塚越)
 →今日は番組の流れなど考えず、思ったことを言おうと思います(塚越)
・「今日は31世紀から来ました」(海猫沢)
 →京都文教大学臨床心理学部主催シンポジウムに参加(海猫沢)
 →「31世紀の地球を占う 心と魂の深みを探る」(海猫沢)
・二年半ぶりに仲俣暁生さん登場
・80年代、90年代前半、ヤバい人が思想家や哲学者のイメージ(仲俣)
 →純文学から消えたヤバさ(仲俣)
 →反知性主義及びそれに対する批判に対してピンとこないところがある(仲俣)
・ポエム回ぶりに中森明夫さん登場
・ヤバい原体験の一つは中森明夫さんが行われていた東大地下講義(charlie)
 →知性のヤバさ、危険さを感じた(charlie)
 →中森文化新聞、しまおまほ、外山恒一などを送り出していた中森さん(charlie)
・実際に会っているからこそ話せる人物エピソード(中森)
・目利きサイドで登場、中沢明子さん
 →最近はそんなにエライことが起きてない、昔と今の熱量の違い(中沢)
・「絶歌」に関する記事を執筆中(松谷)
 →関連する本を読んでいて気持ちが落ちてしまう(松谷)
・90年代の討論番組テーマ「なぜ人を殺してはいけないのか」(charlie)
 →誰もが向こう側へ行ってしまいそうなヤバい空気(charlie)
・目利きサイドで登場、編集者の上林達也さん
 →速水さんをLifeに連れてきてくださったのが上林さん(斎藤)
・目利きサイドで登場、編集者の大西奈己さん
 →アカデミックな人、面白いことを考えていても飛躍して書けない(大西)
・今は出版社の食いつきが早い(斎藤)
 →面白い人を探すには論文を探す(斎藤)
・三浦瑠璃さん(charlie)
 →学者の世界の師弟関係、師匠を越える、はみ出すヤバさ(charlie)

             text by Life助手;新井亜主美


○Life関連アーカイヴ  

・2009/05/24「現代の現代思想」(東浩紀ほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/20090524/

・2014/09/28「僕はなぜ『嫌われる勇気』にハマるのか?」
 http://www.tbsradio.jp/life/cat-1439/

・2007/04/17 Life情報~ビジスタニュース
(黒幕が上林達也さんについて書かれている記事)
 http://www.tbsradio.jp/life/2007/04/post_9.html

参考資料&選曲↓

このパートでかけた曲
●山根万理奈 "時のまにまに"(charlie選曲)
●SMAP "JOY" (大西奈己さん選曲)


BGM↓

●Bob Dorough "You're The Dangerous Type"

●The Lovin' Spoonful "You're A Big Boy Now"

●Orwell "Anytime Is Now"

●Erlend Øye "Bad Guy Now"

●David Mead "Human Nature"

●Ride "Only Now"

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2015年7月 2日

2015年06月28日Part2 「いまヤバい!人文社会系」

撮影:会田邦秋
P6292313a.jpg
         中森明夫さん              仲俣暁生さん


「いまヤバイ!人文社会系」Part2

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◯60年代から80年代のヤバさを振り返る
・サンキュータツオさん『へんな論文』の魅力とヤバさ(メール)
・初めてLifeを聞いた時にヤバい!と思った(メール)
・危ないことが起きそう、すれすれのヤバさが少なくなった理由とは(charlie)
 →わかりにくいものが流通しなくなった(charlie)
・『前田敦子はキリストを超えた』濱野智史 (著)のヤバさ(charlie)
 →この本の原点が「山口百恵は菩薩である」平岡正明 (著)(中森)
 →60年代を代表する論客、平岡正明さん(中森)
・冒頭「菩薩テーゼ」の意味不明さとヤバさ(charlie・中森)
・芸能人を題材にして知的に語る本の先駆け(仲俣)
 →「大衆だけが理解できる」ある意味の反知性主義(仲俣)
 →大衆に受け入れられた歌手を論じることに批評性があった(charlie)
・旧版(密教的)と完全版(大乗仏教的)な装丁の違い(中森・仲俣)
 →今の時代では出せない装丁(charlie・大西)
 →一周りしてVillage Vanguardっぽい(charlie)
・杉浦康平の装丁がすごい、パッケージもヤバさの演出に影響(仲俣)
 →タイトルは知られているけれど圧倒的に読まれていなかった(中森)
・『ニセ学生マニュアル』浅羽通明 (著)に、平岡正明についての記述(斎藤)
 →エビデンスがないアングラ・サブカルチャーを強引に論理化した一人(仲俣)
・四方田犬彦は平岡正明を、浅羽通明は橋本治を越えていない(仲俣)
 →頭がいい人、師匠を越えられない問題(仲俣)
・ある種のヤバさが知の一部として受け入れられ要求されていた時代(charlie)
・昔いた、奇人ではあったが圧倒的な知識人(中森)
 →今はスペック高い人がヤバいのを隠しているの?(charlie)
・メールから感じる「ヤバい」という語感が「最近好き」に変化(charlie)
・『表層批評宣言』蓮實重彦 (著)のかぶれるヤバさ(斎藤)
 →蓮實重彦の感染力(中森)
・学者よりも思想家が力を持った、ひとつの節目であるニューアカ(仲俣)
・橋本治にかぶれた人は蓮實重彦にかぶれない(仲俣)
・言っている中身よりある種の存在感にかぶれた(仲俣)
・「教育は催眠術だ」(蓮實重彦の言葉)(中森)
・人に影響を与えるヤバさが言論空間や大学各所に存在(charlie)
 →知の一部として受け取る環境(charlie)
・Z会時代、浅羽通明さんに企画相談したら対抗企画が...(斎藤)
 →初回打合せで「俺の話を録音しなくていいのか」と言われる(斎藤)
             text by Life助手;新井亜主美


○Life関連アーカイヴ 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談:序
http://www.tbsradio.jp/life/2007/09/post_31.html

2012/06/24「ソーシャル時代の"世間"考」(國分功一郎、濱野智史、西嶋一泰ほか) アーカイブ
http://www.tbsradio.jp/life/20120624/


参考資料&選曲↓


このパートでかけた曲
●中島みゆき "世情" (斎藤哲也さん選曲)

BGM↓
●The Jazz Butcher "Who Loves You Now?"
●James Iha "Be Strong Now"
●The Autumn Defense "Feel You Now"
●Matthew Sweet "How Cool"
●Tim Finn "Always Never Now"
●John Martyn "Just Now"


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2015年7月 3日

2015年06月28日Part3 「いまヤバい!人文社会系」

撮影:会田邦秋
P6292275.JPG
           塚越健司さん           斎藤哲也さん 


「いまヤバい!人文社会系」Part3

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◯人文社会系で「感染」する側、させる側
・対人関係に悩んだ人が人文社会系に傾倒するのでは(メール)
・「宮台真司を読んで社会学にハマった人は社会学を知っているのか」
  問題(charlie)
・「宮台社会学」という基準を作ってしまう力(charlie)
・感染力に関係する「底の深さ」(charlie)
 →エビデンスは微妙だが、芋づる式に面白いことにあたる魅力(charlie)
・ニューアカ、生きづらさに対しての活を入れてもらう(中森)
 →宮台真司がニューアカを終わらせた(中森)
・80年代、多くの大学生がニューアカを読んでいた(仲俣)
 →講演会で泥酔しながら話したり、罵倒したりする登壇者たち(仲俣)
 →知的ではない行動をしていた人、本には知的なことが書いてある(仲俣)
・吉本隆明や柄谷行人の講演会、最前列に陣取る取り巻きの編集者たち(中森)
・感染させる側の自覚的なパフォーマンス(charlie)
 →パフォーマンスが残ってメディアに流布することも考慮(charlie)
・「田中康夫と浅田彰の憂国呆談」にまつわるエピソード(中森)
・言葉を尽くして話した身振り手振りにすごさを感じる(塚越)
 →言語以前的な感覚が足りなくなってきている(塚越)
・見たものに影響されて体が動くことはよくある(charlie)
・TEDのプレゼンに、人文社会的な知の感染力はない(charlie)
・言葉の意味を越えて、驚く瞬間(塚越)
 →人文社会系のことばではなくなっている(charlie)
・言葉を話していてもそれがパフォーマンスになるなら観客は感染する(charlie)
・パフォーマティブな動きそのものがタグ付けされる(塚越)
 →内実に観客が入り込めない(塚越)
・行動する前提にタグ付けされることを意識しないといけない今(charlie)
 →ググりながら講演会を聞く、正体不明なものが許されない環境(中森)
・柄谷行人の文章と実際に会った時のギャップ(中森)
・会うか会わないか問題、同じ言葉でも誰が言うか、言う環境(中森)
・今年履修者800人の授業を受け持っている(charlie)
 →熱心に授業を受けている学生を見ると、授業をしている側が感染する(charlie)
 →パフォーマーと客、直接会う関係が生まれると感染関係が生まれる(charlie)
・ゲオルグ・ジンメル、話すことのパフォーマンス性(charlie)
・僕の好きな大学の先生は、話しのパフォーマンスがうまい人(charlie)
・今まで人文社会系で最も感染したのはマルクス(斎藤)
 →グランドセオリー(斎藤)
 →この人のことさえ読んでおけば世の中のすべてがわかる(斎藤)
 →宮台真司に感じるグランドセオリーへの期待(斎藤)
 →今そのようなニーズはあるのか?(charlie)

             text by Life助手;新井亜主美


○Life関連アーカイヴ 
 
2011/05/22「信じる論理、信じさせる倫理」(鏡リュウジほか)
http://www.tbsradio.jp/life/20110522/

2009/09/13「『ニッポンの思想』をめぐって」(佐々木敦、小林浩ほか)
http://www.tbsradio.jp/life/20090913/

参考資料&選曲↓

このパートでかけた曲
●ARIANNE "Komm,susser Tod~甘き死よ、来たれ"(塚越健司さん選曲)

BGM↓
●Ron Sexsmith "Right About Now"
●Guided By Voices "Wrecking Now"
●The Posies "At Least For Now"
●Sloan "Worried Now"
●The Smiths "Heaven Knows I'm Miserable Now"
●Kevin Tihista's Red Terror "Come On Now"

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2015年7月 4日

2015年06月28日Part4 「いまヤバい!人文社会系」

撮影:会田邦秋
P62923412.jpg P6292323.jpg
       松谷創一郎さん            海猫沢めろんさん


「いまヤバイ!人文社会系」Part4

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◯80年代から90年代後半にかけて
・言葉の中身に付随してくっついてくる感染力(charlie)
 →感染関係が誕生しシーンを作る(charlie)
・トークイベントを仕掛けている場所(ゲンロンカフェ)(メール)
・感染力のターニングポイント2つ、95年以降と21世紀(charlie)
 →なんとも名前がついていない知的ブーム(charlie)
・サブカルチャーから社会を語る言葉まで、80年代の知的な言葉遊び(charlie)
 →言葉だけが遊離してヤバい!と思う時代から(charlie)
 →目の前の出来事と言葉が結びつきヤバい!となる瞬間(charlie)
 →charlieが宮台真司を初めて知った時の衝撃(charlie)
・1989年宮崎勤事件、捉えきれずにもやもやとしていたもの(松谷)
 →95年のオウム事件で吹きだした(松谷)
・「80年代」問題、終末感がカルチャーにあったが昭和末と重なり躁状態(中森)
・岡崎京子個人を通して見る、時代的なこと(中森)
・人になぞらえて何かを話す(オウム、酒鬼薔薇)(charlie)
 →社会現象ではなく人の分析(charlie)
 →解釈枠組みをどこに求めるかで精神科医が活躍(松谷)
・「名付けられていない90年代」のキーワードは「リアル」(仲俣)
・「リアル」という言葉が生まれたことは、本物のリアルをめぐる闘争(charlie)
 →リアルじゃないところに行った奴がだめなら「リアル」議論起こる(charlie)
・90年代の社会学心理学の感染原因(charlie)
 →単なるコミュニケーションツール(charlie)
・80年代までのアイドルはソロ、今はグループ(中森)
 →感染力あるカリスマ的なアイドルがいない(中森)
 →グループアイドルを応援すること自体がコミュケーションツールに(中森)
・ヤバい人に会って感染するスタイルではなくなっている?(中森)
・鶴見済、宮台真司、岡崎京子、言ってはいけないことを言った人達(松谷)
 →95年を経て、みんな言い始めた(松谷)
・95(94?)年の太田出版忘年会の凄さ(中森)
・90年代的タブーが開いたとき、80年代的な感染する知は減少(charlie)
・社会と関わって何か話すときにパフォーマンスとしての知を入れる
 のが難しい(charlie)→問題の難化(仲俣)
・日本の中流意識、見えない社会階層(松谷)
 →でも実は皆バラバラだと感じたのが90年代(松谷)
・理解できないものが登場した時に、知の仕事は理解すること(charlie)
 →理解をすることによって腑に落ちようとする心理(charlie)
 →腑に落ちようとする人がいないと成り立たない(charlie)
 →90年代までは理解できないながらも腑に落ちたい人がいた(charlie)
 →21世紀に入って、腑に落ちるかどうかはどうでもよくなった(charlie)
・世界観を必要とするオタクvs.タフに生きていく女子高生(charlie)

             text by Life助手;新井亜主美


○参考URL

『おたく』の研究 第1回 | 漫画ブリッコの世界
http://www.burikko.net/people/otaku01.html

○Life関連アーカイヴ  

2006/10/28 「After95」
http://www.tbsradio.jp/life/20061028_after95/

charlieの「新・エヴァ論~ゼロ年代のシンジ君」
http://www.tbsradio.jp/life/2007/09/charlie_2.html

2008/06/22「秋葉原無差別殺傷事件」
http://www.tbsradio.jp/life/cat202/

参考資料&選曲↓


このパートでかけた曲
●TAL feat. FLO RIDA "Danse" (松谷創一郎さん選曲)

BGM↓
●Röyksopp "Looser now"
●Papas Fritas "It's Over Now"
●The Jayhawks "I'm Still Dreaming, Now I'm Yours"
●Joe Henry "You Can't Fail Me Now"
●Godiego "Now Your Days"
●Richard X. Heyman "Clear To Me Now"


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2015年7月 5日

2015年06月28日Part5 「いまヤバい!人文社会系」

撮影:会田邦秋
nakazawa628.jpg P6292349kanbyashi.jpg P6292352ohnishi.jpg
    中沢明子さん        上林達也さん       大西奈己さん


「いまヤバイ!人文社会系」Part5

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◯最近注目の「ヤバい!」
・「ヤバい」という言葉が共有できない背景(charlie)
 →役立つもののほうが多くなってしまう昨今(charlie)
・専門家は専門のことしか言えない(charlie)
 →専門外のことについてコメントはぬるいことしか言えない(charlie)
・皆の「腑に落ちたいところ」にささらないとむずかしいのかな(charlie)
・『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』田中 俊之(著)(メール)
 →今度の新刊も注目(中沢)
・ジェンダー問題、両性の問題を交錯して考えないといけない(中沢)
 →ぜひ田中先生に活躍してほしい(中沢)
・ジェンダー絡みは誰か決定版がでてきて早く感染させてほしい(charlie)
 →今の人達は上野千鶴子の文章を読めない(charlie)
・40男、40女の世界、言語化されていない生きづらさ(charlie)
・家族社会学はある時期まで宮台モード(charlie)
 →「お前は生きづらい!」「生きづらいんだよ気づけよ!」(charlie)
 →マジョリティになると言葉の使い方も変わる(charlie)
 →どなかた癒し系家族社会学を...(charlie)
・中沢明子さんが注目している人達
 →小川豊武(おがわとむ)さんと博報堂の岡田庄生さんの共同研究(中沢)
 →轡田竜蔵先生の若者調査研究も注目(中沢)
・研究の魅力と、世の中のニーズをあわせることが難しい(charlie)
・海外の「ヤバい、すごいもの」を紹介するケース(上林)
 →寺尾隆吉さん、仕事の量・質・速度が伴うすごい人(上林)
・宗教学関連で注目、白波瀬達也さん(上林)
・『聖地巡礼 - 世界遺産からアニメの舞台まで』岡本 亮輔 (著)(上林)
・今秋にカバラーについての本を出版予定(大西)
・中国哲学の中島隆博さん(斎藤)
 →古代から現代の儒教を全ておさえている(斎藤)
・今の中国は儒教を1回壊した(斎藤)
 →精神的レジティマシーがない現在、儒教の教えが流行る(斎藤)
・中国哲学と西洋の現代思想をもリンクさせる中島さん(斎藤)
・漫画研究者の第一人者、夏目房之介さん(松谷)
 →漫画コラムニストからナチュラルに漫画研究者へ行き着いたヤバさ(松谷)
・カウンセラーの高石宏輔さん(塚越)
 →「自分と対話していると棒をまわせなくなる」(高石さんの言葉)(塚越)
 →人の動きだけでその人の性格を言い当てられる(塚越)
 →本自体はエッセイのようですっと入る(塚越)
 →「塚越くんヤバいって感じがする...」(松谷・中森)

             text by Life助手;新井亜主美


○参考URL

サイボウズ式
『「籍を入れるまでの理由が見当たらん!」──
ジェーン・スー×田中俊之、"未婚の理由"と"男のしんどさ"を深堀りする』
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m000287.html

『【言語以前≒狂気を求めて】 - Togetterまとめ』
(宮台ゼミ@首都大学東京にて展開された、
『あなたは、なぜ、つながれないのか――ラポールと身体知』を巡る、
宮台真司先生と著者の高石宏輔さんのトークセッション)
http://togetter.com/li/832914?page=1

○Life関連アーカイヴ  

2010/08/29「Life白熱教室~これからの"社会"の話をしよう」
(萱野稔人、飯田泰之、久保ミツロウほか) アーカイブ
http://www.tbsradio.jp/life/20100829life/

2014/04/27「マイルドヤンキー限界論」 アーカイブ
http://www.tbsradio.jp/life/20140427/

参考資料&選曲↓


このパートでかけた曲
●キリンジ "悪玉" (中沢明子さん選曲)

BGM↓
●Bobby Charles "I Must Be In A Good Place Now"
●Patrick Park "Home For Now"
●Giovanca "Go Now"
●LA Vampires With Maria Minerva "Supercool"
●David Bowie "Who Can I Be Now?"
●Anthony Phillips "Now What (Are They Doing To My Little Friends?)"

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2015年7月 6日

2015年06月28日Part6 「いまヤバい!人文社会系」

撮影:会田邦秋
studio1.jpg


「いまヤバイ!人文社会系」Part6

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◯今、感染する力があるものとは?
・高校時代の化学教師「化学や物理は発明や世の中のためになる」(メール)
 →「人文社会系は行き過ぎた発明をとめるためにある」(メール)
・東浩紀さんに感染して、しゃべり方が東浩紀さんに似てきた(メール)
・『シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき』
  レイ・カーツワイル(著)(メール)
・インターネット時代の仏教学者、魚川祐司さんに注目(メール)
・感染していくヤバい思想、受け取る側はどうなのか(charlie)
 →受け取る側にとって言葉、思想がもつ意味は時代によって違う(charlie)
 →90年代、戦後日本の常識をひっくり返してくれるのが社会学(charlie)
 →今、感染的、爆発的に広がっているのは自己啓発や精神世界(charlie)
 →元をたどるとアメリカの反知性主義的な宗教(charlie)
 →アメリカでは宗教が自己啓発化(charlie)
・今注目しているのは「プリンセス本」(charlie)
 →自己啓発の中で特定のフォーマットが力をもつ(charlie)
・人文社会系の知から切れたところで感染しているもの(charlie)
 →それと、人文社会系の知が交わる瞬間(charlie)
・人文社会系のなかで感染するものを書くなら、自己啓発本(charlie)
・面白い人はみんな理系(海猫沢)
 →彼らは人文社会系の人達が言っていたことに、エビデンスを出せる(海猫沢)
 →実現可能だと論破されてしまう(海猫沢)
・前近代の総括から31世紀に向けてのビジョンが難しい(海猫沢)
 →エビデンス、テクノロジー、コモンセンスの3つの関係(海猫沢)
 →エビデンスがあっても絶対に余剰がありそこを担保する部分も必要(海猫沢)
・「理論上できる話」と「実現できる話」の距離はすごく大きい(charlie)
・人間にしか出来ないことは何か(charlie)
 →エビデンスとは関係ない話をしていかざるを得ない(charlie)
 →論理ではないこと、直感やひらめきの世界につながる(charlie)
・内田樹と佐藤優、反知性主義批判をしている人が一番反知性的(仲俣)
 →反知性主義が一番知性を要求されている(charlie)
・理系的なところでカバーできないのなら、反知性主義と手を組むべき(仲俣)
・「反知性主義」...主知主義的なものに対してアンチの立場(charlie)
・東浩紀『存在論的、郵便的』否定をしていくことでできる特異点(塚越)
 →自己啓発、最初に目的をたてる論点先取な思考(塚越)
 →どこまでもいっても自分の描く像に追いつかない(塚越)
 →自己啓発が自分で読むものだから、腑に落ちようとして失敗する(charlie)
・『吉本隆明 煉獄の作法』宇野邦一(著)(中森)
 →「自分の革命は無限遠点で実現する」(中森)
 →否定神学的なロマン主義を動機付けとしてカリスマになれるのか(中森)
・イベントは来月(7月)開催企画中、番組HP、Twitterで告知(斎藤)
・LINEスタンプは申請直前まできています(斎藤)
・次回放送(8月)は決まり次第番組HPで告知します(charlie)
 ※次回の放送は8月31日(日)25時〜に決定しました!

             text by Life助手;新井亜主美


○Life関連アーカイヴ  

2015/04/26「ポジティブの現在/ネガティブの未来」 アーカイブ
http://www.tbsradio.jp/life/20150426/

2014/09/27「別のしかたで弱いつながりを読み、
      ウェブ社会のゆくえを考える」 アーカイブ
http://www.tbsradio.jp/life/20140927/

参考資料&選曲↓



BGM↓
●Sweetmouth "Dangerous"
●Velvet Crush "Kill Me Now"
●Peter Broderick "Human Eyeballs On Toast"
●Blossom Dearie "Both Sides Now"
●サニーデイ・サービス "NOW"
●Vijay Iyer "Human Nature"


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2015年7月 7日

2015年06月28日Part7 「いまヤバい!人文社会系」

撮影:会田邦秋
sub638.jpg


「いまヤバイ!人文社会系」Part7

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◯東浩紀さんとcharlieの電話対談
・90年代の話ではストリート系の思想をオミット(除外)した(charlie・東)
ゲンロンカフェで話すときには固有名が出せない(東)
 →固有名を出すと馬鹿に見えてしまう(東)
・批評は忘れ去られている(東)
 →サブカルを語りたい欲求はあったはず(charlie)
 →サブカルの何がアツいのか自分もよくわからない(東)
・人が集まる場所(超会議など)の社会学的分析を聞いたことない(charlie)
 →インテリの怠慢、なぜいなくなったのかよくわからない(東)
 →支えていた市場の変化、人文系思想と広告の相性の良さ(charlie)
・全体的に「難しい話いいです」と言われることが多い(東)
 →「難しい話」の水準とは(charlie)
・固有名を使わないで話すことも大事だけど、限界がある(東)
・Web記事やゲンロンプログラムが充実してきているのにピンと来ない(charlie)
 →その場で対話しても違うものが生まれない、プレゼンで終了(charlie)
・理系の人達にはプレゼンテーションしかない(東)
 →素人からの質問で考え方を変えることはあってはならない(東)
 →彼らにとって議論はない、質問と答えがある(東)
 →議論があるそのものが人文知の特徴(東)
・人文知とはすごく変なもの(東)
・人文知と理系、役立つ/役立たない以前にルールが根本から違う(東)
 →「人文知が何の役に立つのか」という問いそのものがおかしい(東)
・2,3時間もゴールない話をお金払って見に来る人がいる現実に期待(東)
 →人間は何かそこに価値を見出す(東)
・自己啓発は若い知を前提、知の中心は35くらいまでに通用するもの(charlie)
・現代において腑に落ちないものは中高年以降に増える(charlie)
 →皆がお金を払って聞きたいもの(charlie)
 →死を意識した時や子供ができたときに聞きたい知(charlie)
・現実の困難に対して、アメリカですら宗教で答えられず自己啓発(charlie)
 →自己啓発は嫌だという市場は大きい、他に出せるものがあるのでは(charlie)
・東さん自身はなぜ思想に関するものにお金を払っていた?(海猫沢)
 →なぜお金を出していたのかがわからない(東)
・世の中について役立つ知識人を演じることは真実から目をそらしている(東)
 →哲学ってわからない、ということにもう少し真面目に取り組みたい(東)
・「今みたいな話をすごい、ヤバいと思っていた」(charlie)
・自分の大学のゼミ生「真面目に馬鹿みたいな話がしたい」(charlie)
 →真面目に色んなことを話すにはバカみたいという前提からしか
  スタートできない(charlie)
・東浩紀が考える知とはどこまでが知なのか(charlie)
 →知的なことをするとインタビュアーになってしまう(東)
 →ときどきこういう話をしないと自分の中で何かが死んでしまう(東)
・ITのスタートは「何の役にも立つかわからないもの」(東)
 →just for funから役立つものに変化(東)
 →役に立たないことをやる意味が失われている(東)
・役に立たない物がないと息が詰まってしまう(東)

             text by Life助手;新井亜主美


○Life関連アーカイヴ  

2009/05/24「現代の現代思想」(東浩紀ほか) アーカイブ
http://www.tbsradio.jp/life/20090524/

2013/03/24「論壇のいま、Lifeのこれから」 アーカイブ
http://www.tbsradio.jp/life/20130324life/

参考資料↓

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2015年7月 8日

2015年06月28日Part8 「いまヤバい!人文社会系」

撮影:会田邦秋
studio2.jpg


「いまヤバイ!人文社会系」Part8

※再生できない場合は、個別ページTBSラジオクラウドにてお聞きください。
※最新エピソードはユーザー登録なしでお聴きいただけます。

◯ヤバい本、先輩の影響、教養と政治、思想とお金...
・35年ほど前、TBSラジオで「山口百恵は菩薩である」を語る番組があった(メール)
 →35年経った今でも覚えているラジオの力(中森)
・僕のヤバさの基準は「静かにゆっくり実は結構ヤバい話になる」(松谷)
 →『観客へのアプローチ』掲載、アーロン・ジェローの論文(松谷)
 →日本で映画批評の歴史をここまでまとめた本はなかった(松谷)
 →日本人ではなくイェール大学のアメリカ人がこれを書く驚き(松谷)
・マイク・モラスキーによるジャズ喫茶研究(仲俣)
・研究対象はあるのにノータッチの部分が残されている(仲俣)
・ヤバいと感じる人は鶴見俊輔(仲俣)
 →鶴見俊輔の感染者は意外と少ない、雑誌『思想の科学』(仲俣)
・今の若い子は「座談会」がわからない、座談会はヤバさを引き出す(仲俣)
・いい座談会を出来る条件が減っている(仲俣)
・批評空間では座談会がメインだったが継承されていない(中森)
 →座談会を読む身体がない(charlie)
・思想地図、PLANETSは批評空間を引き継いでいる(松谷・中森)
・17.8のとき、声をかけてきた年上の男性からたくさん話を聞いた体験(中森)
・何も知らなかった大学生の時に先輩から教えてもらった人文科学系(メール)
・charlieや東浩紀は先輩的に見られるのでは?(中森)
・場の問題、日本の飲み文化はジェンダーバイアスかかる(charlie)
 →飲み会ではなくランチミーティング(charlie)
・ランチミーティング、ご飯を食べているからノートとれないのがいい(塚越)
 →ご飯食べおわったら帰れる、無駄話と真面目な話のバランス(charlie)
・政治家に人文的教養が必要では?(中森)
・橋下徹の優秀さはわかるが、人文的教養は感じない(中森)
・岸信介の圧倒的教養(中森)
 →統治される側の人間にとって必要なことの変化(charlie)
 →公共的な政治について語れる人より、ニッポン株式会社の辣腕社長(charlie)
 →経営的な原理で語られる時は人文知はいらないと思われている(charlie)
・お金を稼ぐことと思想は両立しない(charlie)
・中森さんが吉本隆明のところにつれられていった時の話(中森)
・吉本隆明が雑誌『試行』で言語論を連載(中森)
 →誰が読んでいるかわからない連載を書いていた吉本隆明(中森)
 →吉本隆明は心のなかで「勝利だよ」と思っていた(中森)
・「××したら勝ちでしょ!」というフレーズ、よく使う(charlie)
・お金を稼ぐために人文知をやると人文知にならない(charlie)
・何が好きかわからないけれど話を聞きに来る人(塚越)
 →論点先取をして聞きに来てしまう人がいるかもしれない怖さ(塚越)
 →何か目的があって聞きに来る人が目的をはずれても感じたもの(塚越)
 →これは役に立たないかもしれないが自分自身には役立つと感じる(塚越)
 →発信する側のちから(塚越)
・やっぱりソクラテスか、書物を残さないほうがいいのか(charlie)

             text by Life助手;新井亜主美


○参考URL

Tangemania | アーロン・ジェロー 日本語公式Webサイト
http://www.aarongerow.com/nihongo.html

○Life関連アーカイヴ  

2009/04/26 「先輩・後輩のリアル」(吉田アミほか) アーカイブ
http://www.tbsradio.jp/life/20090426/

2014/06/22「里山ウェブの時代」 アーカイブ
http://www.tbsradio.jp/life/20140622/

参考資料↓


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2015年7月16日

2015年06月28日 (放送後記動画)「いまヤバい!人文社会系」


出演:鈴木謙介(charlie)、中森明夫さん、仲俣暁生さん

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2015年7月17日

2015年06月28日 「いまヤバい!人文社会系」未読メール特集

番組内で読めなかったメールの中から、ピックアップして掲載します。

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かにみそ(東京都・男性)

「いまヤバい!人文・社会系」ということですと、Lifeでお馴染みの大澤聡さん、今年からいよいよ東京進出された福嶋亮大さん、独特の腐女子文体の『社会契約論』で話題になった重田園江さんなど多くの方のお名前が浮かんでくるわけですが、そんな中あえて今最もヤバい人として私が推したいのは、鈴木正朝さんをはじめとしたプライバシーフリークとその界隈の皆さんです(プライバシーフリークという名称は、某大手IT企業の役員が、鈴木さんたちを揶揄してそう呼んだことに由来してます)。

鈴木さんたちの活動は今年『ニッポンの個人情報』として上梓されております。ここでは彼らの主張内容の是非については申し上げませんが、注目したいのは、新経連や一部の官庁を中心とした規制緩和マンセーという空気に、学術的な積み上げと実務者の声の丁寧な吸い上げによって対抗論陣を張り、それによって現実を動かしていったという運動論についてです。

先般の集団自衛権をめぐっても実践されているように、日本的空気の支配に抗することができる有効な手段の一つが法的な正統性であり、それをベースに輿論を説得していくという手法を先取りしたのがこの一連のプライバシーフリークの運動だったと思います。鈴木さんの真骨頂は、twitter等でのdisり芸で、正直、象牙の塔の方とは思えないくらい辛口に主張を繰り広げられております。しかし、その主張のopenさ故に、何を重視し何を守るべく活動されているのかが明確で、その情熱に、利害や旧来のイデオロギーではない何かで実業界が説得されていくという現象は、日本では大変珍しい、人文社会系学問とビジネス界の幸福な関係の萌芽ではないかと注目しております。

ちなみに、鈴木さんは荻上チキさんのSession22に出演された時に、群馬県のことを「グンマー国」といつもの調子で言ってしまい、あとで炎上されるというネット文脈にどっぷり浸かった方ですw

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オリーブ熟女

みなさんこんばんは。「いまヤバイ!人文社会系」ということで、いま関西の「まちづくり」界隈でいちばんヤバい、社会学者の谷亮治さんという方をご紹介します。

自費出版本の『モテるまちづくり』は二刷目まで一瞬で完売し、いまは読書会ツアーでひっぱりだこ、全国津々浦々のコミュニティに招かれているようです。京都のなかで最もヤバい地区(左京区)で行われている自主ゼミでは、「まちづくりのマッドサイエンティスト」と称して毎回コスプレで講義されています。といっても奇抜なだけでなく、本の中身は「コミュニティ」や「公共財」がとてもクリアに論じられていて、ぼっちの多いLifeリスナーも読めば納得、私も毎回、首がちぎれるほどうなずきながら読んでいます。

「まちづくり」がブームになって久しいですが、実際は「もう疲れた!」という人も多いのではないでしょうか。『モテるまちづくり』の帯には、まさに「まちづくりに疲れた人へ。」とコピーがついており、いままで経験則に頼るしかなかったコミュニティ論の、新しい共通言語と成り得る本だと思います。

メジャーになってほしいような、ほしくないような、ヤバい魅力満載の谷亮治さんをおすすめします!

http://napoletano-kyoto.com/event/233/

pacocatさん、まえりさん、ご結婚おめでとうございます!お幸せに!

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星野貴彦 プレジデント社 プレジデント編集部

私は雑誌の編集者なので、日々、ノンフィクションの書き手のみなさんとご一緒します。そのなかで、最近、よく名前があがるのが堀川恵子さんです。

広島テレビの記者・ディレクターから、ノンフィクション作家に転身された方で、この数年、立て続けに話題の本をあらわしています。私が特に衝撃を受けたのは『教誨師』という著作です。教誨師とは、死刑囚のこころを落ち着かせるために選任される宗教者で、外部の人間として、唯一、死刑への関わりをもちます。かつて教誨師は、死刑の刑場に立ち入り、執行にも立ち会っていました。これまで死刑を取り上げた著作は数多くありますが、教誨師から話を聞くことができたのは、おそらく堀川さんだけです。

作品に登場する僧侶は、半世紀にわたり、誰よりも多くの死刑囚に向き合ってきた人です。堀川さんが、長年にわたり足しげく通いつづけた結果、僧侶は「自分の死後に出版」という条件で、少しずつ教誨師という仕事について話し始めます。本書の最後は「心からご冥福をお祈りします」という言葉で締めくくられます。堀川さんの真摯な取材ぶりと、誰にもいえないという教誨師の苦悩の深さに、圧倒されました。

地道な取材を重ねざるを得ないノンフィクションの執筆は、割の合わない仕事でもあり、新たに取り組もうという人は限られています。しかし、堀川さんのようなすさまじい書き手の仕事にふれると、「これはヤバい!」と興奮を覚え、このジャンルをより多くの人に知ってほしい、このジャンルを盛り上げたいと前向きな気持ちがわいてきます。「ヤバい」という感想しか出てこないような、卓越した仕事こそが、その分野を更新していくのではないでしょうか。

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大原

今読んでいる立命館大学産業社会学部教授 福田良明さんの「聖戦」の残像 知とメディアの歴史社会学(人文書院)がヤバイです。

著者はメディア史研究、歴史社会学の分野で精力的に戦争表象や戦争認識に関した論考を発表し続け、既に著名な方ですが、この本は彼の主要論文をまとめたもので、今の時代に認識すべき重要なものが一杯詰まっています。

帯のコメントです。

感涙の彼方にかすむ、
戦争のリアル
戦時と戦後は あの戦争に
何を読み込んだのか

夜中に起きて偶然、初めて聞かせて頂きました。58歳のただの勤め人です。高卒で学問には疎いですがお話面白いので、明日の仕事のことも忘れて今、お話伺っております。

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もっち 兵庫県西宮市

いま20歳の大学2年生です。私がLifeを聞き始めた理由は、高校時代まで遡ります。元々文学が好きで太宰とか三島とかを読みまくっている痛い高校生ではあったのですが、決定的だったのは、村上春樹の『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』でした。現実世界と「世界の終り」を行き来しながら話は進んでいくわけですが、主人公の影がうんぬんとか一角獣が云々とか、そうかと思えば全部主人公の頭の中のできごとなのだ!とか。私の前になんだかヤバい世界が広がっていました。

そうして村上春樹にはまった私は、このハルキワールドを理解しようとネットで探し回り、そこで見つけたのが東浩紀でした。ハルキの想像力が「セカイ系」とつながっており、そこでは「僕と君の関係が世界に直結するのだ」みたいなよく分からないけどヤバい説明がCLANNADなどのアニメと接続されて行き、アニメと文学の想像力の謎の繋がりに、気づくと魅了されていました。

東浩紀を見つけるとそこからは早く、「現代の現代思想」というヤバい回のLIFEを聞きチャーリーにはまり、なんだこの何でも知ってる人は!という単純すぎる理由で、その人の師匠の宮台真司を読み始め、社会学を学ぼうと思い、大学まで引っ張ってしまいました。

そんなこんなで私は、東浩紀と鈴木謙介と宮台真司に感染したと言えると思います。311の際に、宮台真司は魔法少女まどかマギカのことを論じていましたが、文学から批評へ行き、社会学と出会ったと思ったら、そこでも文学と同じことが説明されていたという不思議な感覚を強く覚えています。

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ケチ組

Lifeの皆さんにはあまり知られていないと思いますが、私の場合は最近では仏教心理学者と言われるの岡野守也さんの本に影響受けています。

この人の本は大きくわけて二つの分野に関するものにわかれます。一つは実践的な心理療法である論理療法の本。もう一つは仏教心理学(哲学?)の唯識に関する本です。論理療法はほぼ認知療法と同じ考えと言っていいと思います。ストレスに合理的に対処するために物の見方のゆがみを変えてみることを提案しています。ストレスに対して非常に有効な対処法だと思います。

唯識の方は仏教的な思考法の神髄のようですが、ユング心理学、現象学、構造主義の考え方と共通するところが多いと思いました。唯識では外側の世界あるいは他人はすべて、私がそれをあるととかないとか思うことによって初めて成り立つと考えるとのこと。この考えは西洋の現象学に似ていると思いました。唯識ではすべてのものが果てしなくつながっていることが存在の本質。しかし私たちが「桜の花」といったらとたんに「花」だけあるように見えてしまう。これはやはり西洋の構造主義や記号論の考えに似ていると思いました。(丸山圭三郎も唯識に言及しているそうですね。)

唯識では阿頼耶識という心の領域を考えていいますが、これは岡野さんも言及しているとおり、西洋のユングの集合的無意識に似ています。岡野さんはは唯識は現代の理学を先取りするとともに、それを超えるところがあると考えており、フロイト、アドラー、ユング、トランスパーソナル心理学と唯識の習合を考えているようです。

岡野守也さんは仏教心理学者と言われていますが、実はキリスト教神学の勉強をし、牧師の経験のある人です。ある意味ヤバイですね。

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ヨコスカのヒロシ

私がヤバいと感じたのは、なんと言ってもLifeです。5年前、暇つぶしでPodcastを聴き(確か「Life白熱教室、これからの家族の話をしよう」だったと記憶しています。)、自分の周りでは聴くことのできない意見に新鮮な驚きを覚えました。自分が当たり前だと思っていたことをひっくり返されるようなダイナミックな視点こそが、文化系の醍醐味のように思えます。

一方、そうした話題を共有できる友人がなかなかおらず、陰が薄いという意味で文化系がヤバいと感じているのも事実です。

友人達も全くそうした話が嫌いということもなく、飲んだときに「こんな話があって...」と話すと結構興味を持って聴いてもらえることもあります。そうしたことから、最近は、結局、自分の知ってる文化系ヤバい話を発信する布教活動が大事なのかなと思っています。無理に自分の話を押し付けるのではなく、興味を持ってもらえそうな話をタイミングをみて投げてみて、文化系トークの素晴らしさを知ってもらうことが大事なのではないでしょうか。

ちなみにLife以外で最近、ヤバいと思ったのは、ジャレド・ダイヤモンドです。桁外れにスケールの大きな話に感動を覚えました。

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コロ助 27歳

私が考える「今ヤバい人文社会系」は、ずばり「マインドフルネス」です。
今年は高野山開創1200年や善光寺御開帳などもあってか、仏教界隈が盛り上がっている気がします。TVでも、ゴールデンで仏教の番組(ぶっちゃけ寺)が放送されてもいます。

そんな中、ここ数年で一気にブームになっているのが「マインドフルネス」です。仏教の瞑想の一つなのですが、つまるところ、「いま、ここ」に集中することで雑念を取り払い、苦悩からの解放を目指す、といったところでしょうか。

先月、『グーグルのマインドフルネス革命』という本も出版されており、企業の研修レベルで浸透し始めているとも言えます。ゼロ年代後半の「オーラの泉」や「エチカの鏡」といった"マイルドなスピリチュアリティ"的なものを経て、テン年代の半ばに来て、伝統仏教に回帰しているという流れがあるのではないでしょうか。

とはいえ、マインドフルネス的なものは半世紀前=60年代後半以降、カルフォルニアイデオロギーと結びつくことで今日まで一定のプレゼンスを持ってきたわけで、"古くて新しい"といった性格のものなのかもしれませんが。

最近私も日常生活の中で実践をしているのですが、これがなかなかどうして「いい感じ」なのです。近未来や近過去に対する雑念が消えて、「今この瞬間」に対する集中力がアップする気がしています。

このような「仏教的なもの」、もっとひろく言えば「精神世界的なもの」が、前世紀末の日本でオウム真理教事件として結実したという事実からみても、今回のテーマ「今ヤバい人文社会系」にわりとしっくりくると思っています。

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aki871

最近というか、人文社会系の本(というか電子書籍)は『劣化国家』ニーアル・ファーガソン〔著〕櫻井祐子〔訳〕です。帯に書いているのでヤバいのでしょう(苦)

内容としては、西洋の「定常状態」=停滞の原因を「法と制度」と仮定し現在の不況状況を大いなる衰退の一症状示していきます。

第4章の市民社会と非市民社会

"フェイスブックなどが生み出すソーシャルネットワークは、巨大だが非力だ。《略》 同じような考えを持つ人たちが、自分たちの好きなことについて、同じような意見を交換できる、膨大なツールだ。《略》  ただし、グーグルやフェイスブックが、アラブの春でどれほど決定的な役割を担ったかについては、意見の分かれるところだ★(なんといってもリビア人は、カダフィ大佐を友だちリストから外すだけではすまなかったのだから)。しかしオンラインコミュニティが伝統的な形態の団体にとって代わるとは、とても思えない。"

この章のまとめでは

"そして最後に、かつて活気に満ちていた西洋の市民社会が衰退状態にあること、またそれが科学技術ではなく、国家の過剰なうぬぼれによるものだと論じた。トクヴィルが、ヨーロッパ人とアメリカ人に先見の明をもって警告した脅威だ。わたしたち人間は、複雑な制度の格子のなかに暮らしている。そこには政府がある。市場がある。法律がある。そして市民社会がある。かつては──スコットランド啓蒙主義の時代には、といいたくなるのだが──この格子は驚くほどうまく機能していて、すべての制度が互いを補足し、補強し合っていた。これこそが18、19、20世紀の西洋の成功を支えたカギなのだ。だが現代の制度は、たがが外れてしまっている。"

"これからの時代に、諸制度を元の状態に戻し、大いなる衰退を覆すこと、そしてわたしがここまで過去の偉大な思想家たちの助けを借りてその正しさを裏づけようとしてきた、真に自由な社会の基本原則に立ち戻ることが、わたしたちの課題だ。"

ほぼ日本の事は触れていませんが、特に影響のない地方に住んでいると、東日本大震災後の行政側の動きは見えやすく、「ますます大きな社会」へ加速的に向かっているようにも見えます。

とはいえ、僕がこのようなわかる人にはわかりきった事、興味のない人には...「ヤバい!」と思えるようななったもの、あえていうなら「毒」「毒」の方がなんだったのか?と個人的な課題が残るテーマですね。

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矢野利裕

アメリカにホワイトヘッドというヤバい哲学者がいますが、そのホワイトヘッドの入門書を書いた中村昇先生が、「あとがき」に、「21世紀はホワイトヘッドの世紀になる。その気配がなかったら、何冊でもホワイトヘッドの本を書くつもりだ。容赦はしない。」と書いていて、ヤバいと思いました。

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かごとも

出版不況の折、新刊発売時のトークイベントが増えて、映画や美術館にいく頻度で楽しんでいます。

過去Lifeに出演者された方のトークイベントも、何度か足を運んでいますが、別格だったのが、BL評論家の金田淳子先生です。

会場のすべてを自分の磁場に引きずり込む語りの力のすさまじさ、他ではまずお目にかかることができない数々の忌まわしくもステキなスライド画像、宮台先生に匹敵するパワーを感じます。

今年満を持して、ゲンロンカフェでのトークイベントが書籍『オトコのカラダはキモチイイ』としてまとめられましたので、皆さんも、あの偉大な才能の無駄遣いさの片鱗を味わってみたらいかがでしょうか。

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倉津拓也(関西クラスタ)

私ががいま「ヤバい!」とお薦めしたい人文・社会系の人物は、予告編でも名前が出ていましたが、安保法制をめぐって渦中の人、憲法学者の長谷部恭男さんです。

最初に長谷部さんの名前を知ったのは、宮台真司さんと宮崎哲弥さんの対談『M2』に掲載されていた、宮台さんによるブックガイドでした。当時私は宮台さんに感染しており、基本的に宮台さんが言及した本は全て目を通すという読書生活を送っていたのですが、その中でも長谷部さんの文章は際立っていました。

従来の憲法学の領域に留まらない横断性もさることながら、従来の憲法学の枠内においても微に入り細にわたる様々な論争を展開し、その全てに連戦連勝。そんな長谷部さんのファンは、ネットでは「ハセビアン」とも称されています。

例えば「憲法学から見た生命倫理」という論文。立憲主義とは比較不能な価値を有する人々が共存していくためのプロジェクトであり、そこでは理性的な討議と決定のプロセスに参加しようとする個人が想定されている、とされます。
ここまでは穏当なのですが、ここから「そのためには、少なくとも「機能する脳」が必要である」と始まり、「脳の欠如したヒト・クローンを作成してその臓器を利用することは憲法でいう個人の尊重に反しない」と展開していきます。

また長谷部さんはそんな「ヤバイ!」話をするとはどういうことか、という問いに対しても「学問の自由と責務ーレオ・シュトラウスの「書く技法」に関する覚書」という論文で考察します。古来の哲学者の多くは、学問の自由が十分に保障されない環境に置かれており、そこでは権力者や多数派からの迫害を避けるために「分かる人には分かる」技法が縦横に駆使されていました。「哲学者は、不完全な政体の下で、理想の政体を目指しつつ、その私的活動を通じて密かに若者を誘惑し続ける」と書く長谷部さんの実践がそこに重ね合わされている、と読むのはとても自然なことのように思います。

今回の安保法制を巡る議論、または昨年の秘密保護法を巡る議論をきっかけにして長谷部さんの名前を知った方には、ぜひ長谷部さんの著作や論文にも手を伸ばしてほしいと思います。


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ウェルダン穂積

私、エーリッヒフロムの「愛するということ」、に感銘受けまして、愛には未熟な段階と成熟の段階がある!とキッパリ言ってくれたことに、ヤバイな!と思いました。絶対的とまでは言わないまでも多様な愛に基準の線があることを明示したのはある意味、勇気のいることだと思います。

それから派生させて欲求五段階説のマズローの本に興味を持ち、マズローが晩年に達した未完の理論があると知り、思い切って専門書を買いました。その本が、「完全なる人間:魂のめざすもの」(タイトルヤバイ)です!非aはaではない、という三千年来の間違いをもう越えなくてはならない、ということで、人間には絶対的、健康的な価値感があるのではないか、と書かれておりました。

この手の内容を説明するときにはどうしても陳腐になりがちで、慎重に理論を浮き彫りにするような記述なのでなんとも伝えにくいですが、多分愛、あれも愛、結果的に愛、ではなく、愛はあり、人は人生を進めながら自己実現を持って成熟させていくことができる、という指針として大事なものだと思います。


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淑女見習い

27日の土曜日に池袋で行われた速水さんの対談を受講しました。
速水健朗の大人の学校シリーズ、知の匠と見渡すこれからの日本 原武史×速水健朗「ポピュラーな政治思想の提言」~日常生活を通して政治思想を考える~

政治に関する講座を受講したのは初めてで、自分の勉強不足で回りの方々の2割りくらいしか理解できなかったと思いますが、お二人が今、興味を持っている話題についてみっちり2時間お聞きできたのはとてもいい経験になりました。ノートはしっかり取ったのでわからなかった単語を調べ、お二人の思想に触れてみたいと思います。

ところで、お二人の対談はもちろんヤバかったです。電波に乗せられないピーピー系のヤバさでした。対談の内容としては「天皇制と鉄道と中央集権」についての歴史や思惑や架空の独立論でした。じきに速水さんが本を出版するそうなので今回受講できなかった方はそちらを読みましょう。

原武史さんの書庫のような豊富な知識の中から時々溢れ出るおまけのお話がすごく面白かったです。もちろんこちらもヤバかったです。


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ホライズン

最近読んだなかでヤバかった人文社会系の本といえば、みすず書房からこの4月に出版された『不健康は悪なのかー健康をモラル化する世界ー』 です。

本文をご紹介すると「アルコールをドラッグとしてスティグマ化することは、香水であるシャネルNo.5を化学薬品と呼ぶようなものである」とか、「今日、私たちは快楽のために食べるのではなく、私たちの数値を減らすために食べるのだ」など。これはライ○ップのことじゃないか!と笑いました。

本著のテーマは、夭折の作家、伊藤計劃の『ハーモニー』でも提示されています。折しもこの秋に伊藤作品3作が劇場アニメ映画化されます、めろん先生めっちゃ楽しみですね!

イデオロギーの相対化話は人文・社会系の魅力の一つですね。『不健康は悪なのか』は社会学系の人が書き、そして医療系の専門家も書いています。スティーブ・ジョブスはアップル社を「リベラルアーツとテクノロジーの交差点に立つ」と言いました。

人文・社会系の視点で、医療やテクノロジーなどのイデオロギーをヤバい切り口でぶった切る!Lifeのヤバイ化を楽しみに、これからも応援しております。


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でんりゅう 福島県 24歳

私が最近読んでヤバいと感じた本は荻上チキ氏、飯田泰之氏共著の「夜の経済学」です。

確かLifeの番組中に紹介されたのがきっかけでこの本を知りました。黒塗りに、桃に挟まった招き猫が描かれた表紙は下ネタの本かとも思わせる見た目ですが、中身は経済学の本です。それも、フーゾクやワリキリなどをキーワードにした緻密で地道な調査をもとにした面白い内容です。

なにがヤバいのかはチキ氏の知己の友の方に語っていただくとして、この本の読後感としてある「一面の雑草畑に定規で一本の線を引いてくれる感覚」をあたえられるのはやっぱりヤバいと思います。というか、摩擦のない無限平面ではなく、一面の雑草畑にいきなり定規で線を引くこの感覚が人文社会系の醍醐味じゃないかと思うんですよね。


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メランク(32歳/男)

地域でそこそこの進学校に通っていた私は、「大学に行くのだ!」という結論ありきで学部にこだわりもなく進路を決めてゆく周りの友人たちにものすごく違和感がありました。経済学だとか法学だとかまったく興味なかったし、そんなわけのわからない学部の授業を受けている自分がまったく想像できませんでした。

それでも「オレはオレだぜ」と大学進学などせずに別な道を選ぶほどの行動力も「これだ!」という明確な目標もなかった私は、ポール・オースターというアメリカの作家に出会い、おもしろいんだけど何でこんな小説を書くの?という素朴な疑問を持ち、それについての答えがわかるのならぜひ知りたいと思い、文学部に進む決意をしました。

そんな私にとって一番「ヤバイ」存在はオースターの翻訳者である柴田元幸さんです。

ちょうどそのころからオースターの他にミルハウザー、ダイベック、レベッカ・ブラウンなどの翻訳者であると同時に現代アメリカ文学の紹介者として頭角を現してきた柴田先生は、それまで影にしか存在しえなかった翻訳者という職業を面に顕在化させ、今活躍する多くの若手日本人作家にも影響を与えてきました。作家の名前ではなく、翻訳者の名前で本を選ぶという文学青年の出現は画期的で、時を同じくして村上春樹が満を持してサリンジャーやフィッツジェラルドの翻訳に着手したことと並んで、米文学の地位向上に相当貢献したのではないでしょうか。

今も文学翻訳者の先頭に立って弛まず翻訳業を続ける傍ら、文芸誌monkey の編集、日本翻訳大賞の選考委員なども勤めるなど、精力的に活躍を続けています。monkeyは毎号内容の濃さにホントにやばいなぁ~と思いながら愛読していますが、高野文子や小沢健二、内田樹や岡田利規など別のフィールドで活躍する人々をも巻き込む懐の深さも痺れます。

おそらく今後も彼に影響を受けた作家、翻訳家が続々と世に出てくることでしょう。


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れいき 埼玉県 20歳

いままでのLifeの放送でヤバいと思った瞬間を3つ選びました。

一つ目は現代の現代思想をテーマにしたときです。放送中盤で政治について東さんが次のように話されていました。「自分の立場をかっこ入りする力っていうのが政治とか思想の力なんですよ。ところがこの国にはそれがない。だから中昌さんもアーレントを読み直すんだとか本でいっているわけですよ。まあ宮台さんとかもそう思ってるよね。でもぼくが宮台さんや中昌さんとちょっと違うのは、ぼくは比較的彼らより絶望が深くて、もうどうせ人間はそこにいかない。人間は私的利害しか言わないのでかつてアーレントが夢見たポリスのような空間はグーグルしかないというのがぼくの考え。」

※2009/05/24「現代の現代思想」(東浩紀ほか)
http://www.tbsradio.jp/life/20090524/


次にヤバかったのは家族をテーマにしたときです。放送序盤でウルトラ兄弟のメールが読まれたのをきっかけに宇野常寛さんが特ヲタトークをはじめました。そこからのチャーリーさんと宇野さんとのやりとりが次のように続きます。

鈴木 「俺の父ちゃんすごいんだからな」的なものがなくなっちゃうと・・・

鈴木宇野 エヴァンゲリオンになっちゃうんですよ

鈴木 じゃあ一曲はさんでそっちの話に 

宇野 あの一曲はさむ前にちょっとだけしゃべっていいですか?

鈴木 じゃあいいよ。もうお前しゃべれよ!

宇野 エヴァンゲリオンっていうのはウルトラマンが死んだって話ですからね。でもそれでも世の中終わらないわけですよ。ほらそこでだいたい勘の良い人はわかったと思うんですけど、ゼロ年代っていうのは仮面ライダーの時代なんですよ。

※2010/09/26「新・家族の条件」(宇野常寛、古市憲寿ほか)
http://www.tbsradio.jp/life/20100926/


三つめは2011年文化系大忘年会で「未知との遭遇」を出されたばかりの佐々木さんが登場した時です。最強の運命論について次のようにおっしゃていました。

「僕の最強の運命論はとんでもっていわれても仕方ないんですけどこの世のすべての出来事は因果性ぬきに全部決まってる。過去も現在も未来も決まってる。だが起きるまではわからない。なので起きたことはすべて起きるべくして起きたことと考えるしかないよね。だから普通に考えたらそこで自由意志なんてないじゃんっていうのがよくあるパターンなんだけど、だけどだからこそ自由意志を発動できるんですよっていう理屈を書いた本なんです。」

※2011/12/25「文化系大忘年会2011」
http://www.tbsradio.jp/life/201112252011/

三つとも一回聞いただけでは理解できなかったけれどもそのヤバさに惹かれ数十回繰り返し聞いたところです。

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2015年7月24日

2015年05月17日Part5(ポッドキャスト感想編)「私たちは今、何を着ればいいのか」

5月に配信いたしました、塚越健司ポッドキャストプロジェクト
「私たちは今、何を着ればいいのか」の感想編を配信いたします。


出演:塚越健司、ディレクター久保田

「私たちは今、何を着ればいいのか」Part5

※再生できない場合は、個別ページTBSラジオクラウドにてお聞きください。
※最新エピソードはユーザー登録なしでお聴きいただけます。

※次回ポッドキャストの件も少し入っていますが、全く別の企画になる可能性もあります。
 ご了承ください。

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